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FILE:0世界が変わる時
夕焼け色に染まる校舎…。静かな校舎にドタバタと走る足音だけが、鳴り響く…。
耳を澄ましてみると分かる。足音が、近ずいてくる…。ふと、足音が止んだ。自分の側で…。そして、自分の側でにっこり笑う親友の姿。
いつもなら、楽しい気分になれるはずなのに、今は違う…。背筋が凍る。怖い。逃げだしたい。いろいろな恐怖が渦巻く。彼女が、こっちに一歩踏み出してくる。とっさに逃げた。彼女が追ってくる。
必死に逃げる。目も開けれない。とにかく走った。
ふいに、全身に強い衝撃が走った。やっと目が開けれた。体が宙に浮いている。
いたる所が錆びている黄緑色のフェンスが真下に見える。
あぁなんてバカなんだろう。屋上で目なんかつぶって走ったりして…。これじゃあフェンスを突き破って屋上から落ちても、仕方がない。
なんて、これ程力があった自分に内心びっくりしながら考え、どんどん下へと落ちていった。
周りから、すれば一瞬のことだけど、すごく長く感じた。このまま地面へ、落ちない気さえした…。その長い間、ずっと同じことを考えていた。彼女と、また親友になりたかったな、と。