5.つけておけ【3】
そうしてお饅頭を食べながら色々なお店を見て回り、この先の旅に必要な食材などを購入しました。やはり表通りの商店とは価格の違いがあるようで、多少の鮮度とかキズなどを気にしなければ明らかに安いようです。
でもそれだけではなく、私は町の人々を見ていました。元気で明るいのですが、子供は特にやせっぽちが目立ちます。
「どうした、メル。」
「あ…、はい。町の人達、痩せている方が多いです。ご飯、たくさん食べられないのでしょうか。」
余計なお世話かもしれませんが、私のお肉を分けてあげたいくらいでした。
「聞いてみる。」
そう言うとヴォルは近くの町民に話を聞きに行きました。思ったらすぐに行動出来るなんて、素晴らしいですね。私はとりあえず尻込みしてしまいますが。
ヴォルが色々な人の話を聞いている間、私は近くにいた子供達に話し掛けてみました。人懐っこく、知らない人であるのはずの私にもニコニコと話してくれます。
「りょうしゅさまが~、たくさんおかねをあつめるからさ~。」
「うん、おかあさんがたいへんだっていってた~。」
「そうなのですか。ちゃんとご飯、食べていますか?」
「ぼくらはまだね~。でもおとうさんやおかあさん、おなかいっぱいじゃないとおもうよ。」
「おみずたくさんのんでるもんね~。」
どうやら、ここの税収が厳しいようです。私も村に住んでいる時にありましたが、お給料に対して一定の割合で支払わなければなりませんでした。
勿論、集落を維持するのにお金が必要なのは分かります。魔物避けの結界も、力ある人を呼んで定期的に張り直さなければならないようでしたから。
「負けないでね。」
それくらいしか言えない私は、自分の力のなさに悲しくなってしまいます。けれども子供達は元気に答え、再び走り去って行きました。あの子達にとって、これが日常だから我慢が出来るのでしょう。
「何て顔をしている、メル。」
声に見上げると、私のすぐ横にヴォルが立っていました。身長差から見上げる形になるのですが、私の今の心のモヤモヤは見られない方が良いです。でも気付いているのか、ヴォルは私の頭をポンポンと撫でてくれました。




