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「結婚しよう。」  作者: まひる
第一章
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4.質問ばかりだな【4】

「意味がわかりません。」


「魔法は精霊と契約して、力を使わせてもらっているにすぎない。」


 またまた新しい知識です。契約して?どういう意味ですか?精霊と言うものが良く分かりませんが、魔力とは違うものなのでしょうか。


「でしたら魔法が使えない私も精霊と契約すれば、魔法を使えるようになるのですか?」


「使えない。個人の持つ素質が魔力だ。精霊との契約によって使える魔法により、代償として魔力を削られる。」


 珍しく長い説明でした。ムムム…でしたら、そもそも魔力のない私には無理ですね。あ、魔力の有無は生まれた時に教会で見てもらうのだそうです。私は全く素質なしでした。


「走って体力が無くなるのと同じように、魔法を使うと魔力がなくなっていくのでしょうか。」


「そうだ。休めば回復する。」


「そうなのですか。」


「メルは質問ばかりだな。」


 あ、言われてしまいました。でもでも、知りたい事は思い付いた時に聞かないと忘れてしまうではないですか。


「すみません。」


 それでも、質問攻めにしていたのは事実です。素直に謝ります。


「問題ない。言葉にされないと分からない。」


 その言葉に後ろを見上げると、ヴォルは少しだけ私から顔を逸らしました。


「どうしたのですか?私もヴォルが話してくれないと分かりません。」


 同じ言葉を繰り返してみます。すると、僅かに瞳が揺れました。


「メルは真っ直ぐ俺を見る。」


 ん?それは当たり前の事だと思いますが。斜めから人を見るのは、逆に難しいです。首を傾げてしまいます。


「俺はそれに不馴れだ。」


「えっと…、すみません?」


 どう対応したら良いのか分からなくなりました。人の視線が苦手なのでしょうか。


「いや…、悪くはないのだが。」


 言葉を濁すのは言いにくいのでしょうか。でも見た目が良いヴォルの事ですから、たくさんの女性の視線を集めているのだと思います。


「もしかして、女性が苦手ですか?」


「……。」


 無言ですが、瞳は僅かに揺れています。そうですね、追い掛け回されれば苦手意識が芽生えても仕方のない事です。


「安心してください。私はヴォルを追い掛け回したりしませんから。」


 私は後ろを振り向いたまま、にっこりと微笑んでみました。



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