4.質問ばかりだな【3】
光の女神サラフェリナは、この世界と全ての生き物を作ったと言われています。
「女神サラフェリナ信仰ですね。」
「そうだ。」
それくらい私も知っています。でも全てって、良く言い過ぎですよね。
「ですが、私は信じていません。」
私は村でも無信仰でした。特に信仰に煩い教会の方もいませんでしたし。
「それを信者には言うな。捕まるぞ。」
そうでした。女神信仰の信者には過激な方もいらっしゃるようで、非信仰者を認めないのです。
「それは怖いですね。あ、でしたらヴォルは違うのですね?私が非信仰者である事に嫌悪感を抱いていないようですから。」
「俺は俺しか認めない。」
初めて聞きました。ヴォルは聞いた事には大抵答えてくれるのですが、自分の事となるとなかなか答えてはくれません。
「セントラルの皇帝様との関係は?」
「……。」
無言ですね。ヴォルは都合が悪くなると、何も話してくれません。
「ヴォルは人が嫌いですか?」
「あぁ。」
そうなのですか。ちなみに私も生物学的に人なのですが。
「女の人に何かされましたか?」
そう言えばヴォルは、かなり女性に対して酷い言い方をしていました。
「……。」
この質問は駄目なのですね。
「男の人が好きとかですか?」
「冗談だろ。」
これは即否定ですか。でも私だって女ですよ?
「ヴォルは、私は嫌いじゃないのですか?」
「メルは大丈夫だ。」
それは良かったです。でもあくまで言葉だけです。嘘ならそれなりにショックですね。
「ヴォルは私に嘘をついていますか?」
「ついていない。」
こうもハッキリと答えられるとは思いませんでした。少し驚きです。でもそれが真実かは分かりません。
「私はヴォルの事をほとんど知らないのです。本当かどうかの判断がつきませんが。」
「嘘をつく必要がない。」
それを言うなら、本当の事を言う必要性もないと言う事ではないでしょうか。
「必要性も分かりません。」
「魔法は言葉だ。偽りばかりを告げていれば、精霊の信頼をなくす。」
信頼?どういう意味ですか?魔法は人間の力ではないのですか?