第4話 まほーがでてきたー
更新遅れたー
――翌日
「あ~、昨日は気まずかった」
朝目が覚めたゼロは盛大に一人で愚痴っていた。
結構朝早くから。
ゼロは朝早くから起きているのは独り暮らしでうんたらかんたらという話ではなく、もともと何時に寝ても6時半には目が覚めるのだ。本人の意思は関係なく。
先日のレナ母の一言(+行動)でどれだけ空気重くなったかは、言うまでも無いだろう。
☆★☆★
「学校行きたくないなー。ん?学校?」
やべ
―時刻7:53
遅刻まであと
☆NA☆NA☆HU☆N☆
ガタン、ガタガタ、ガンっ!
「痛いっ」
☆★☆★
「はぁー、はぁー」
結果から言うと、ギリギリ間に合った。
と、いうのは移動自体はワープで即教室なのだが、ネクタイが見つからず、焦りに焦った挙げ句、普通に椅子に掛かっているという珍行動を起こし、パンを口に突っ込んでそのまま登校したからである。
ちなみに、急いでいたためパンで窒息しそうになった。あたりまえか。
★☆★☆
「おは、よー、ございま、す」
――――キーンコーンカーコーン
「ゼロ、遅刻の取り消しっと」
担任が出席名簿を書き直している。
「フー」
席に座って一人、撃沈していたが、肩を叩かれ、起きる。
レナだ。ヤバい、何て言おう。
「昨日はお母さんが変なこといってゴメン」
「大丈夫だから」
なんて優しい子なんだろう。
★☆★☆
今日は授業がある。
授業形式は使える魔法の属性ごとに分かれて授業を受け、低級の回復魔法、無属性の魔法などは全体で受けるという無駄は無いだろう授業形式だ。それと、2、3属性持ちは纏めて同じ授業を受ける。焔、水、雷、地、風の自然五属性、光、闇の天性二属性の七属性のうち2、3属性を持っている人は少なく魔法使いの約3分の1しか居らず、4属性以上持っている人は稀となっている。この時無属性はほとんど誰でも使える為含まれていない。なぜ、低級の回復魔法が無属性なのかは誰も知らない。上級は光なのに・・・。
忘れてはいけないのは属性に関わらず、魔法には魔法色と呼ばれる色がつき、色がその人の性質を表すということ。同じ色の人は居ないとされる。例えば明度が高ければ攻撃的、低ければその逆という風に。
これにも二色持ち、三色持ちがいる。
二、三色持ちの代表として黒、白、灰色がある。こればかりは例外で、同じ色持ちが居るようだ。
俺の色は銀色。それも光輝く程の明度の高さだ。俺の性質は悪魔祓い。対悪魔仕様のとびっきりの珍しい色系統だ。そして二色持ち。あとの一色は漆黒。性質は最強の硬度。銀より使い勝手が良く、普段はこっちを多く使ってたりする。
更に最強の硬度は最強の攻撃力にもなる。明度が低い=攻撃力が低い、ではないのだ。あくまで、戦闘スタイルが守りの傾向
に在るだけだ。
高等部最初の授業。ワクワクしないわけがない。
★☆★☆
授業は大きい部屋でやるようだ。
ちなみに属性ごとに部屋の大きさが違い、大きい方から二、三属性、焔、風、雷、地、水の順に分かれる。
光、闇は大学部で習う(しかも、才能ある人だけ)ので今は使える人はが一部を除いて居ない。
「まずは、雷をイメージして掌に『球』を創ってください」
これは、中等部からやって来た基礎の基礎。当然、皆できる。
「皆さん出来ていますね。それでは消して良いですよ」
バチッ、という音が一斉に響く。
魔法を発動させるために外へ出る。
「それでは、皆さんの得意な魔法を前の方から順に発動して下さい。そこの人、前においで」
魔法の発動、それは型や形式は決まっていて、法則にそって修飾紋章、雷印、焔印、発動《射出》などの紋章を掛け合わせて紙に描いて魔法陣をつくって、それを持って発動を念じる。大体の人はイメージするだけで魔法を使える。また、印刷魔法を使うと、それと同等の効果が得られる。
しかし、紙に描かれているのとイメージするのとは正確さが違うので当然威力は落ちる。生粋の魔法使いが魔法書を持つのはこの為である。これは術者の想像力に依存するので、個人差がある。
それでも、利便性が高いため、印刷魔法や念発動が普及して、グリモア等より威力が低い、ではなくグリモア等が威力が高いという微妙な認識の違いがある。
一通り見たが、面白そうなのは一人だけ後はダメだ。
一通り見た、というのは俺が一番後ろの端にいるからだ。
前に出て、一番得意な魔法を使う『雷歩』を使う。
それまで攻撃魔法しか使われなかったため、少し唖然とした空気に包まれる。
「やっぱり、攻撃魔法を使って貰おうかな」
―――はあ、まじかよ。
そう思いつつ、指を鳴らす。しかし、バンッという空気が裂けるような音が鳴り、空へ銀雷が迸った。
「ねえ、あなた雷魔法のレベルなに?」
「完全習熟しましたけど」
・・・・・・・・・・・
え、なに?皆引かないでよ。
あれ?先生?距離感が・・・・・。
なんでこうなるのおおおぉぉぉぉ!!!!
★☆★☆
byレナ
ゼロ、遅刻ギリギリで来たけど何でかな?
もしかして寝坊とか?・・・・・寝顔、見てみたいかも・・・。
「やだ」
私、ずっとゼロのこと考えてる。
どうしちゃったんだろう?今は授業に集中しなきゃ行けないのに。
まだ付き合ったばかりどころか、初めて会ったばかりとも云える短い時間しか過ごしていない。
それなのに、ゼロは本当に私のことを好きになってくれた。
嬉しい。それが、私の素直な気持ち。
でも、何故だろうか?
私はもう、ゼロのことばかり考えるようになった。自分の変化に付いていけない。でも、決して嫌ではない、この気持ち。恋物語の様に激しくなんかない。でも、いつまでも一緒に居ていたいと思える穏やかな気持ち。
やはり私はゼロが好きになってしまったのだろうか?
「・・・・・・と、言うことで以上で説明を終わります。そこ、聞いてる?」
ハッ!!!
何も話聞いてない。
どうしようか?
何か言わないと・・・
「いいえ、何も聞いてませア・・・・」
あらら。つい本音が出てしまった。
どうしようか?
文章長めにしてみた。