第3話 レナの家
投稿が遅れてく···
『あんたには負けない』
そう言ったのはレズっ子ことアシラ・リヴィッチだ。レズっ子こと、と言ってもたった今名付けたが。
まあ、いいや。
「俺もそのつもりだッ!!」
その挑戦、受けてたつという、という風に指をさす。お互い視線で火花を散らしていたのだが、
「二人とも仲良くしたら?」
「「わかった」」
というレナの一言により恐らく長らくの休戦状態へと移り変わる。
そのまましゃべることが無さそうなので時間を見る。今日やることは、確かクラス替え(決め?)に進学式、担任の自己紹介だったはず。この自由時間が終わったら、明日の日程等の連絡を済ませ、そのまま下校する。自由時間の終わりまであと15分程だ。と、そこで提案する。
「学校終わったら遊ばない?誰かの家で」
我ながらにいい案だ。
「ま、いいんじゃない?」
「レナの家以外だったら何処でも」
「「え?」」
勿論レナの家以外だったら、と言ったのはアシラだ。こちらが小さく舌打ちするのをみて、アシラは鼻で笑う。
―――行かせねーよ、バァーカ―――
視線で小馬鹿にして、いや全然『小』馬鹿ではないな。完璧に挑発している。こんなことで好きな人の前で怒るわけもないが、かといって全てを呑み込めるほど人間はできちゃいない。
(殺してえぇぇ!)
こうなったら意地でもレナの家に行かせてやる。もう、俺は怒ったぞ!
「俺はレナの家に行きたいなぁ」
「ダメ」
アシラが言う。何故に?
「俺はレナに聞いてるんだけどなぁ」
要するに、喋んなボケ、ということである。
「別に私はいいけど···」
「じゃあ、決定だな」
「ちょっと待って、ダメって―――
「決定だな」
「待てって―――
「決定」
「・・・・・」
口論で俺に勝つなど二年速いわっ。クラスと無駄に交わらなかった俺をからかおうとしてきた奴らを片っ端から心を折っていった俺は、口論では最強の部類に入る、と思う。
――キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響き、授業時間の終了を知らせる。皆は席に一旦戻って行くが、この目の前のレズはメチャクチャ睨み付けてから席に戻った。担任は椅子に腰掛け、帰りのホームルームを始める。
初めから終わりまでまでどこからか視線が矢のように突き刺さってきたが、矢を射つための弓を引いている奴は見なくても分かるので無視する。
全然、痛くないんだからね!本当に痛くないんだから!痛くなんて···グズッ
なーんてね
「·······ということでホームルームを終わります。明日もちゃんと来てね」
ということで?話聞いてなかったな。ま、後でレナに聞けばいっか。
「レナの家、行こっか。住所教えて」
「リナル区1269。どうしたの?」
「アシラもこい。見ればわかる。捕まっとけよ···」
『ワープ、リナル区1269。転送!』
「「ッ!!!」」
ポンッ、という抜けたような音がして、辺りを見回すと目の前には普通の家が建っていた。
「私の家だ~。すごーい」
ワープとは想像通り転移魔法だ。ワープは、『魔法使いの基礎にして最初の試練』と呼ばれる普及している割には習得は困難な魔法なのだ。通常、行ったことがあるところ(正確には視認したことがあるところ)にしか跳べないのだが、ゼロは、よく使うほとんどの基礎魔法をカスタマイズしてある。今のようなワープの他に雷魔法、肉体強化などがある。基礎魔法でもない、というよりオリジナルの魔法も作っており、緊急時用の粉爆弾やハンドガンの魔弾精製などがある。
「早く入りたいな」
「あ、うん」
「・・・・・」
いよいよレナの家に入るんだ。
・・・物凄く悔しそうな顔をして不機嫌だった人は気にしないでおこう。
良ければ誤字、脱字など有りましたら、感想下さい。また、直した方がいいところも教えてほしいです。
ますます短くなっていくのが悩みのたね