第一章①
次の日の朝、タイキはいつも通りあくびをしながら起きる。
「フレディ、おはよう」フレディはいつもタイキのベッドの上で眠っているのだ。フレディは眠たそうにタイキの顔を見ている。タイキはベッドから降り、パジャマを脱ぎ、制服に着替える。エナメルバックを持ち、素早く、部屋を出る。この時の時刻は朝の7時。部活の朝練に参加するためだ。しかし、彼はこの時の後の変化に気がつかないのである。
「タイキ、朝食を食べてきなさい」
母がタイキを呼び止める。 「コンビニで何か買って食べる。いってきます」
と、タイキは家を出ていったのだ。
学校に向かう途中、タイキは空が光るのを見た。一瞬だけど、緑色をした光だ。
「なんだろう。少し、耳が痒くなったような…。まぁ、早く学校に行かないと」
タイキは走って学校に向かう。
学校では、なにやら大騒ぎになっていた。周りを見ると耳が犬の耳になってる生徒がいた。
「タイキ」
「谷先輩。これは」
「…タイキ、お前、ちょっとこい」
と、タイキは谷先輩にトイレに連れいかれた。トイレの鏡の前に立たされたタイキは目を丸くして驚く。
タイキの耳が茶色い毛で覆われていて、愛犬のフレディ見たいな長い垂れ耳となっていたのだ。タイキは耳をさわってみる。感覚があり、自分のものだと理解する。
「エエッ〜」
タイキは大声をだし驚く。
この日の朝練は中止になったのは言うまでもない。クラスの大半が犬の耳になっている。
「やっぱり」
担任が入ってきた。担任の耳は無事だ。
「今日は授業はなしだ。速やかに帰宅するように」担任はそう言って、教室を出ていったのだ。