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第四話:協力者の力

夏休みを利用してもやっとこさ一話しかできないなんて時間がないとかの問題じゃねぇよ!!

まったく・・・・

 ヘリオスの父は、すぐに顔をあげると看守の方を見やる。なぜなら看守がこの事にかかわっているなら知られてはいけないはずの内容を知ったヘリオスの父にとって看守自体が危険な存在となる。しかし当の本人は、(暇つぶしであろう)カードをいじくっていて全く中の様子を見ていない。そういえば先ほどの(前話参照)消毒どうこうの話もあり、おそらく知らないのだろう。ここにいるドラゴン達がどういう存在なのかを・・・・

 ヘリオスの父「ヘリオス、一つ確認していいか?ここの幼竜たちはおまえと同・・・・・」


『『『同じだ!!』』』


 幼竜達が一斉にグォンと吠えた。おそらく質問に答えたのだろうと思ったヘリオスの父は

 ヘリオスの父「・・・同じと答えたようだね?」

 確認のために聞かれたヘリオスはクーンと鳴き、うなずく。

 ヘリオスの父「なら、せめてここから出してやらないと、この子らも危険かもしれないな。」

 小さく呟き、あたりを見回す。

(ってそう簡単に抜け穴なんてあるわけないか)

 ふぅとため息をつく、そこに


 バタン


 突然、荒々しく入り口のドアを開けて入ってきた人物に驚いてヘリオスは父の手から飛び降りる・・・が、思った以上に高かったせいかベシャッと音を立てて着地した。

 まだ幼竜ではあるが強靭な鱗が防具の役割を果たしてくれたおかげで怪我はおろか痛みもそれほどではなかった。ただ、侵入者に怯えるように父親の後ろに隠れてしまう。父は入ってきた人物に驚きつつも、

 ヘリオスの父「どうしたんですか?そんなに慌てて、ランクス生物長?」

 入ってきたのは、この研究所で生物研究をしている者たちのおさ、ランクス・ゲイル。

 ランクス「お、おや、君は確かレイヴ・オウガンだね?少々、ここの幼竜達の様子を見に来ただけだよ。記録を取っていてね、大体同じ時間に取らなければ前の記録とずれてしまうからと急いでいたんだ。しかし、君も一体なぜここに?あまり部外者は入ってほしくないのだがねぇ?それとこの子は?」

 レイヴの質問に答えてから、いくつか問う。しかし、年若いが優秀な研究者が此処に迷い込んだ事には少し面白がっているようだ。

 レイヴ「すみません。ちょっと同僚に探し物を頼まれまして・・・。あぁ、あとこの子は探し途中で気に入ってしまって、抱きながら探してたんですよ。やはりだめですかね?」

 ランクスはいや良いよと笑い、それぞれ色分けされたファイルに幼竜達のことを書きこみ始めた。そして、書きながら何気なくレイヴの方を見る。真剣そのものの表情に居住まいを正すが、それを見て安心したように小声で話し始める。

 ランクス「ところでな、この幼竜達はジアル・トロークトというお前さんと同じくらい若い研究者の研究物(ざいりょう)なのだが、不穏な後ろ暗い噂があるのだ。しかし、それを探る手伝いをしていくれる者の中に内通者がいるらしく、儂が少しでも手を出すと直ぐに手を討たれてしまう。内通者を特定しようとしたが、そこにも懐柔されているらしい。

 そこでだ、生物研究(こちら)に全く関係の無い君と君に何か伝えようとした者に協力してもらえないかと思ったのだが、正直どう思うかね?

  人間(ひと)という生物に(けもの)食わせている(いれている)という噂を?」

 まさに直面している事態に真正面から突き刺さる内容に、驚くがうつむいてそれを隠し、少しそうしてからランクスの顔を見やる。薄く笑っているが、どこか憂いているような苦痛に耐えているという印象が強い。どうやら言っている事は、間違いないではなさそうだ。

 レイヴ「それは、あまり他の人に聞かれるとまずくないですか?こちらとしても良いとは言えない情報(もの)ですので・・・・・・」

 この二人にしか聞こえないほどの声なので看守には聞き取れないだろう。しかし、鋭い聴覚を持つ幼竜には聞こえている。本来、彼らは研究者が入って来たら吠えて威嚇していたのだ。それがランクスが入って来た時は吠えなかった。彼らが一番よく知っているのに。平然をよそわなければいけない事を・・・・。それでも吠えなかったのはランクスが味方だと知っていたのかもしれない。

 ヘリオス「クゥーンガゥ?『この人は、大丈夫ってこと?』」

 レイヴの後ろに隠れていたヘリオスはガイルの方を向いて聞く。

 ガイル「オン!シュルルゥーグフゥ!ワウゥクルルルシューー♪『おう!この人は俺達の健康まで気遣ってくれるほどの恩人だよ!さっきの愚痴も此処でこぼしたことがあるしな♪』」

 にかっと牙を見せて笑う。それを聞いて安心したのか、ヘリオスはランクスに近寄っていく。控えめに尾を振るとランクスは微笑み、ヘリオスの前でしゃがみこむ。そっと体に触って怯えも逃げもしないのを確認してから、頭や翼、尻尾に手足なんかも触っていく。ヘリオスは少し驚いたものの、ガイルに『大丈夫だからそのままでいてくれないか?』と言われ、されるがままに触られる。が、くすぐったくて身をよじると満足したのか離してくれた。レイヴがそれをキョトンと見ていたので、ランクスは触診だよと説明する。

 レイヴ「異常は・・・・?」

 少々、心配そうに聞くと

 ランクス「ふむ、全く悪い所は無いよ。無さ過ぎるほどになぁ。」

 理由ついでにランクスが幼竜達の事を話し始める。

 元々、此処にいるほとんどの幼竜達は体の一部分をなくしているのだ。それは、手や足の指に始まり、爪であったり外耳であったりと様々。翼にある棘や翼爪、更には風切りの役割を果たす甲殻が削げている者もいたのだと言う。(鱗が生え代わる度に再生していくだろうが、すぐに飛ぶのは無理だろう)


 ついでに言うと新参者は、ストレスやその他の理由で病気になったり衰弱してしまったりで最悪、死に至る場合もあるそうだ。そして打撲や捻挫、切り傷と怪我をした者が入ってくる時もあるらしい。ジアルに聞くと怪我をしていたのを保護しようとしたが、暴れるので仕方なかったとのこと。(はっきり言って、信用ならないのだが・・・・・)

 そういうことが頻繁に起こるので、生物長であるランクスが定期的に介入して幼竜達の健康に気をつけさせているのである。

 レイヴ「そういえば、先程の【人間ひとという生物に・・・・・】って直球過ぎますが、一体誰からそれを?」

 ランクス「おや?君もそう言われたのではないのですかな?儂にこの事を伝えてきたのは君の幼なじみだと聞いたので、てっきりそうだと思ったのだが?」

 レイヴ「・・・いえ、合ってますよ。私も、サリル・レイナードに言われて此処に来たんですから。・・・・はぁ、いつまで彼女に行動を先読みされるのやら・・・・・・今回ばかりは助かったのかもしれませんが・・・・」

 一気に疲れた顔になったレイヴを見て少々哀れむように苦笑し、

 ランクス「ふふふ。まあ、幼なじみではさすがに勝てぬ所だろうのぅ。とりあえず、儂の部屋に移動しようじゃないか?記録も取れたしな。」

 パタンとファイルを閉じて、レイヴに向き直る。どうやら話ている最中、ずっと書き続けていたようだ。伊達に生物長をしているだけあって、恐ろしい程の集中力だ。

 レイヴ「さすがに、この子を連れて行くのはマズいですよね?」

 と、ばつのわるそうな表情で聞かれ

 ランクス「そんなに気に入ったのか?・・と、言うより何か理由がありそうだの。しかし、この子を連れて行けばどう転ぶかわからんぞ。己も幼竜も守りたければ、連れて行かん方が良いだろうな。」

 そう・・ですよね・・・とレイヴは返し、ヘリオスを抱いて元の檻に入れる。ヘリオスはクゥーンと心配そうに鳴いて、父の頬を舐め、元気づけるようにキュウ!と鳴いた。わかったよと小さく言い、頭をなでてから鍵をかける。そのまま、吹っ切れたような顔でランクスと共に部屋を出て行った。

新登場!ランクスさん

その他2名名前だけ出ました。

そしてヘリオスのお父様の名前が初登場

ホントはもっと前に出る予定だったのになぁ

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