第十四話:じゃれ合って調査して狩りの練習?
お久しぶりです。
生き返りました。すみません、毎度毎度こんな調子で。
ではでは続きをどうぞ!
日が昇って辺りがぽかぽかしてきた頃、
『ぬがぁぁぁぁっぁぁぁぁああぁぁぁっぁ!!』
奇声を上げたのは青白色の幼竜に潰されかけている赤毛の鼬(※未だ緋色)。
『重い!潰れる!!退ぉけぇぇぇぇぃ!!!』
『ひやぁ!?ごめんなさぁい!!』
悲鳴混りの大声に驚き、寝起き早々慌ててヘリオスが体を起こす。息も絶え絶えな状態で這い出してきた燃鼬。すぐさま、寝床で狸寝入りのつもりなのだろうが肩を震わせて失笑しているガイルを一瞥すると呼吸を整え、音を立てずにガイルの耳元まで行って大きく息を吸う。そして、
『コラーー!!』
『くはぁっ!!』
突然の大声にガイルは一瞬、首と尻尾を上に反らしてUの字になり再度倒れこむが、すぐに耳を押さえながら『ぐおぉぉぁぁぁ!!』とかいう奇声を上げながら悶絶し始める。
『あれは…ちょっと、やりすぎ?』
『ふん!当然の報いじゃ。』
何をするのか予想がついたヘリオスは、当然耳蓋を閉じて被害を受けないようにしている。
『ててて。何すんだよ~。』
『どうもこうもあるか!ガイル!お前さんは一度やっとるじゃろう!もう少し気を使わんか!』
『んなっ、俺今回関係な『大ありじゃ!馬鹿者!潰されると予測できたじゃろうが!!』…そんなぁ~。』
『ね、燃鼬さん、ガイルはちゃんと僕に注意したんだ。それでも僕が一緒に寝るっていったから…』
『ヘリオスよ。勝手がわからんのも仕方ないが、小さい獣にはもう少し配慮してくれんか?一緒に寝たいのならせめて一声かけてくれれば、わしも潰されんような所を選んで寝れるのじゃぞ?』
『なんでヘリオスには優しいんだよ?』
『おっほん!これで話は終いじゃ。二竜共!今後気を付けるようにな。』
『へ~い。』『はい。』
不満そうに口を尖らせていたガイルだったが、燃鼬にギラリと睨まれて冷や汗をかきながら目を逸らす。
『次からこういうことがあったら、その相手に咬み付いてでも抗議するから覚悟しておけよ。』
と低い小声で早口に言われ、二竜とも背筋が氷点下になった気がした。
『う~ん、いい天気~。』
『もう全然問題なさそうだな。にしてもさ…(本当に適応早くない?)。』
『…?』
内心、呆れるが口に出さずヘリオスを見る。初めてヘリオスが自分から洞窟を出てきた所なのだが、普通、まず四つん這いの状態に戸惑う筈なのに、研究所でジアルと相対したからなのか違和感なく四つん這いで歩いて出てきた。そして、自然な動作で前肢を前に真っ直ぐ伸ばして頭を下げ、腰と尻尾を上げて背中を反るように伸びをしている(所謂お辞儀のポ-ズ)。さらに頭を上げて首を反り、後肢を片方ずつ伸ばしてから、体勢を戻してブルブルっと胴震いする。正しく、犬とかの寝起き状態だ。ちなみに燃鼬はまだ眠いらしく寝床に戻って二度寝を始め…
『む?どうしたんじゃ?洞窟の中なんぞ確認して。』
『んな!燃鼬!?おまっ、何時の間に俺の頭に乗ったんだよ!?』
『なんじゃ。二竜だけお出掛けでわしゃ留守番か?さみしいのぅ。』
不機嫌そうな声を上げた燃鼬に
『燃鼬さん、一緒に来たいの?』
『ぶふっ…。ヘリオスおまっ…それ、親が恋しい子供みたいな…ふふっ、そうなのか、燃鼬?ぶっくくく…。』
『ガイル…お前さん…。』 ガブリ
『あだだだだだぁぁぁ!!ふべっ!!』
『ふぁっ!?』
燃鼬がガイルの外耳を思いっきり咬み、更にガイルの顔面を蹴ってヘリオスの背中に着地する。ヘリオスは驚いたものの燃鼬を避けることも振り落すことなく、受け止めて目をパチクリさせている。
『むぅ、くそぅ、なんなんだよ~?』
『ガイルが冷やかすからでしょ?あんまり虐めちゃ可哀想だよ。』
クスクスと笑いながら宥めるヘリオスに、気が立っていたガイルも頭が冷える。それでもむすっとはしていたが行こうぜと顎をしゃくったので、ヘリオスも燃鼬を乗せてついて行った。
『燃鼬さ~ん!なんかあった~?』
『…だめじゃ~。この木には何も生っとらんよ。』
ヘリオスが見上げていた木から器用に頭を下にしたまま燃鼬が下りてくる。
『お~い、こっちに食えそうなのあったぞ~。』
ガイルのいる所に一竜と一匹が駆け寄るとそこの木には焦茶色のいかにもな形の丸いカサ(裏は白い)と太い茎(?)のマニタリがいくつか生えていて、中には桜色のカサに細い茎(←もう茎で良いや…)のものや黄色の強い橙色のカサで茎は他のものより一際細長いものもあった。
『わぁ…。いっぱいある♪』
『『桜色のマニタリは食うなよ?(食っちゃいかんぞ?)』』
涎を垂らしていそうな発言に咄嗟に制止をかける。キョトンと首を傾げているヘリオスにこそっと耳打ちすると、
『そいつ食ったら中毒起こすぞ!』 『ひぃ!?』
驚いて後ろに飛び退いた。脅かし過ぎたかと謝るとすぐ戻ってきた。
『ふふっ、そんなに警戒せんでも食わねば問題ないわい。』
『って、だから!燃鼬!!何時の間に頭に乗ってんだよ!?』
『気付かないお前さんもどうかと思うぞ?』
『それで他のマニタリは食べられるの?』
喧嘩に発展しそうなので話題転換すると一竜と一匹から肯定の返事が来た。ただ、橙色のは生のままだとどうかな~とガイルが呟いていたが…。
さて、いきなりですがここは何処かと言いますと、洞窟がある崖っていうか土手っていうかを登って少し歩いたところです。ちなみにあの洞窟は燃鼬曰く狼か狐くらいの中型肉食獣の巣だったのでは?との事。熊には小さ過ぎるし、かといって兎や狸には大き過ぎるんだそうだ。
洞窟周りの調査ついでに食べ物が他にもあるか見に来たのだが、土手のすぐ上付近にある木は土手を支えるのには良い根の張り方をする種類だが食べられる実はつけない。マニタリは生えてたけど小さかったので大きくなるまで放っておくつもりだ。
ただ、申し訳ないが食べられないマニタリは抜かせていただいた。あんまり食べもしない物をどうこうするのは良くないのだけど、ヘリオスに全くといっていい程マニタリの知識がなかったので危険をなるべくなくしておきたかったのだ。だからと言って勝手に一竜でマニタリを食うなと釘を刺しておくのも忘れていないが…。
という事で、上記の通り調査&食事中なわけで
モグムグごくん
『うん!美味しい!』
『おぅ、意外といけるな。でも全部食うなよ?』
わかってるよと言いながら結構な勢いで焦茶色カサのマニタリを食べているヘリオス。数の少ない橙色カサのマニタリを咀嚼しながら桜色カサのマニタリを抜いて適当に放るガイル。そしてヘリオスと同じマニタリを一本、両前肢で抱えるようにして齧っていた燃鼬は、ヘリオスの勢いに驚いてか食べるのが止まっている。基本的に鼬は肉食性は強いが雑食であるので違和感はないのだが、力有る獣の中には食性が変化しているのもいるんだと燃鼬は教えてくれた。
しばらくしてそこにあったマニタリを半分程食べ終わった頃、また調査を続行すると、
『あ!?これって!』
『む、確か…薬草か?傷に効くんじゃったかなんじゃったか……。』
『うん、葉っぱの表面を削いで、削いだ面を貼れば傷や腫れに効くし、葉を磨り潰して飲めば解熱やある程度の解毒、根っこと茎を一緒に磨り潰せば治癒力補助にもなる、通称:簡易万能薬草って言われてるメディシン草だよ♪』
『へえ~。そうなのか。(さすが、薬剤研究者の息子だな~)』
『ヘリオスはこういうことに詳しいんじゃのぅ。』
『えへへ♪でも飲むのは凄い苦いんだけどね…。』
((飲んだ事あるのか……。))
燃鼬とガイルは、両目をきつく瞑って舌を出し「苦い」を表現しているヘリオスに苦笑いしながらも、渡りに船だと二竜と一匹でガイルとヘリオスの傷にその薬草を貼り付け始める。葉っぱの表面を削ぐのは主にヘリオスがやって、それを見ながら見よう見まねでガイルも削ぎ、手の届かない所なんかには燃鼬に貼ってもらう。結構、葉はやわらかいので爪の背でこするだけで良い(通常は適当に定規とかでも出来る)のだがヘリオスは慣れた手つきで良い感じに出来ているのに対し、ガイルは削り過ぎて使い物にならないくらい削ってしまった葉もかなり作ってしまっていた。
幸いな事に薬草は群生しており、ちょっとやそっとの量を使っても無くなったりしない位はある。ついでにそこらへんに落ちている平たい大きな石と丸っこい小さな石を使って、大分葉っぱを使ってしまった数本を抜いて根っこと茎を一緒に磨り潰し、それを二竜で飲んでその後興味津々でもう一匹も舐めた。その後、少しの間(多少慣れている一竜はともかく)一竜と一匹はその苦さに悶絶することになった。
しばらく苦さと格闘していた一竜と一匹だが、ふと風が吹いてきた事で鼻を高く上げて匂いを嗅ぐ。
『む?』 『う~ん?』
『どうしたの?一竜と一匹揃って…。』
『『水の匂いだ(じゃ)!!』』
と叫ぶなり一竜と一匹して薬草の群生地の奥の方へ走って行ってしまい、慌ててヘリオスも後を追う。群生地を抜けるとそこには登るのは難しそうな急な斜面があり、しかもその斜面のあちらこちらには点々と石や岩が顔を出していて下手に転げ落ちたら叩きつけられて只では済まされなさそうだ。
しかし、
『ん、んま。ふぅ、やっと口の中の苦さがなくなったよ。』
『さすがに慣れない物は飲むもんじゃないのぅ。うぇ…。』
斜面の近くの岩が重なって苔生している所で一竜と一匹がペチャペチャと音を立てて岩の隙間から滲み出て小さな池を作っている綺麗な湧き水を飲んでいる。登って行ったわけではなくて良かったと胸をなで下ろしてヘリオスも一緒に飲ませてもらう。慣れているとは言え苦いものは苦いのだ。
二竜と一匹が存分に湧き水を堪能した頃には、日が頂点から傾いて昼を少し過ぎていた。貼り付けた薬草の効果が切れたとヘリオスが言うので、それらを外す。目安は葉っぱから水分が飛び萎れてきたら、だそうだ。薬草全部を外し終えて二竜に湧き水を掛け合って毛繕いを済ませた頃、
『さて、わしは少々狩りに出掛けようと思っとるが、二竜はどうするんじゃ?強制はせんが付いてくるかい?狩りの仕方を教えてやっても良いし、上手く獲物を狩れればわしも御馳走にありつけるしのぅ♪』
『ってかほぼそれ目当てだろう?でも、久しぶりに肉系食いたいしな~。けんkyu、コホン、最近は植物類しか食ってなかったしな。俺は付いてく。ヘリオスは?』
『み、見てるだけじゃ駄目…かな?自分で動物とか殺す自信なんて無いよぅ……。』
泣きそうな声で問うヘリオスに燃鼬が構わんよと言うと嬉しそうに尻尾をパタパタ振りながらヘリオスが抱きついてお礼を言う。
『お~い、その辺にしとかないと燃鼬が窒息するぞ~。』
と教えれば、慌てて離すヘリオス。って言ってもそれほどキツく抱きついていなかったのか、ふぅ、吃驚したわぃと言いつつも燃鼬が怒る様子はない。
(ここまで位ならまだ許容範囲なのか?まあいっか。)
『よし。まずはとりあえずこの辺りを散策するかの。』
『だ・か・ら~。俺の頭に乗るなーー!』
頭を振って落とそうとすると燃鼬に勘付かれたらしくケチっと文句を言ってガイルの頭から降りてヘリオスの背によじ登っていった。
湧水の岩場から斜面に沿ってしばらく歩いた頃、水の匂いを感じ、駆け出す燃鼬についていくと見えてきたのは小川。ちなみにガイルが岩蹄山羊に襲われた川は川幅が広く深い所はガイルやヘリオスくらいの幼竜は泳げるかもしれないくらいだったが、此処の川はそこよりも断然細く浅い。
頑張れば大型草食獣の彼らでも飲めない事もないが、多分川底に口を押し付けたり少し川底を掘ったりしないと飲めないと思われるが、わざわざこんなところで飲もうとする酔狂な奴はいなかったらしい。近くには比較的小さな動物達が水を飲みに来ていたが、突然現れた二竜と一匹に驚き逃げていく。
しかし、こんな小さな川でもいる事はいる。
『おや、いたいた。』
『って獲物って魚かよ!?』
『あっでも、魚なら僕にも取れるかも…』
『まぁ、先にヘリオスを慣らしてやった方が良ぇかのう?たまたま見つけた川じゃし適当にやってみるかいな。』
と言いつつ河原をうろうろし始めた。何をしているのか聞けば踏ん張れるような安定した足場を探しているのだそうだ。やがて平たい石に伏せて川を覗き込むような恰好で動かなくなる。どうしても動いてしまう呼吸も動きを最小限に抑えているようだ。そのまましばらくその姿勢でいると小魚を追いかけて燃鼬の半分くらいの体長の魚が目の前を通り、その瞬間に燃鼬は一直線にその魚目掛けて川に飛び込む。水中での格闘の末、燃鼬がほぼ息の根を止めた魚を咥えて水から出てきた。
『おおぉ!上手いもんだな。』
『燃鼬さん、凄い!』
『ほっほっほ。わしなりに考えた狩り方じゃが、普通に狩るより成功率が高いからの~♪』
と照れるついでに自慢する燃鼬は川から上がり胴震いして水気を飛ばす。そして、まだビクビクと動いている魚の頭を咥え直し、思いっ切り顎に力を込めると魚の頭蓋骨を噛み砕かれる音が響く。その音に二竜がうっという声を漏らす。それを聞いて燃鼬が、
『ふふっ、この程度で怖気づいていてはネズミも狩れんぞ?』
とからかえば、それにガイルが自分だって魚ぐらい狩れると見よう見まねで燃鼬の狩り方で挑戦し始めて、ヘリオスはと言えばまだ踏ん切りがつかないようでとりあえずガイルの様子を眺める事にしたようだ。燃鼬はそんな二人を見ながら捕らえた魚を食べ始める。
―――1時間後―――
『だぁぁーーー!もうやってらんねぇーーー!!』
魚が一向に狩れず業を煮やしたガイルは河原の砂利の上に突っ伏す。ぶつぶつ文句を言っているガイルにヘリオスがまあまあと宥めている。ちなみに燃鼬はガイルが狩りをしている下流で普通に成功していて既に満腹に近いくらいは食べてしまっている。(←でもまだ食べる気満々だが…)更に、場所が悪いといちゃもんをつけては時々燃鼬が狩っている場所と交換してもらったりするも、やはり燃鼬だけが獲物にありつけるものだからイライラするのも仕方ないのだが……。
『まったく…忍耐力のないやつじゃのう。そんなんでは本当にネズミですら狩れんじゃないか。こんな小魚なんぞよりネズミの方がよっぽど賢いのじゃぞ?なにせ捕食者の目と鼻の先くらいを平然と小魚は通るのじゃからな、それこそ食べてくださいと言わんばかりじゃて。ネズミはそんな馬鹿な事はせんわぃ。大体ネズミは小魚と違って…うん……ぬん…。…かん……。……ぬん………‥‥。』
と、こうも長い説教を失敗した後に聞かされては集中力も切れるというものだろう。
『なんかコツみたいなの無いのかよ~?ってかヘリオスはやんないのか?一緒にやろうぜ~?』
ガイルがう~と唸りながら聞くも燃鼬に待つ!と一言で返されて更に不機嫌そうに唸り、半ば八つ当たりのようにヘリオスに話題を振る。最初は渋っていたヘリオスも流石にやってみようかなと思い始めたらしく、じゃあと言いながら水際で座り込み、そしてじぃっと水面を見る。
『おぉ、そうじゃ。あんまり川に影を入れぬ方が良いぞ。さすがに小魚でも捕食者のそれを避ける位はするからのう。』
『それでも狩れなかったぞ〜。』
とコツを思い出した燃鼬に茶々を入れるガイル。そんな投げやりな態度のガイルにまったく…と呆れて燃鼬も川へと向かう。一竜と一匹に背を向けられてしまったのでガイルもしぶしぶといった感じで一番川上で狩りの姿勢になる。
最初に動いたのは燃鼬。小魚に飛び掛かるやいなや鮮やかに魚の頭を捕らえ、水の中で少々格闘した後仕留めた魚を咥えて川原に上がりバリバリと食べ始める。
次に動いたのはガイル。派手に水しぶきを上げて飛び込むも一撃目はかわされてしまい必死に水をかき分け魚の後を追うが、水中の石に蹴躓き反対側の川原に転がる。捕れたのは転がった時に一緒に跳ね上げた水しぶきの中にいたのだろうメダカ…。食べる気にもならず尻尾で掬い上げて川に戻してやる。
ヘリオスは未だに動かず、じぃっと水中を注視している。再度狩りに失敗したガイルがもしかしてその姿勢で寝てるんじゃないかと思い始めた頃、ヘリオスの下半身が少し持ち上がる。しかし、上半身は全く動いていない。ヘリオスはタイミングを計るように後肢に力を溜めてから一気に解放する。ガイルよりも水しぶきを上げて飛び込んだが、その口………じゃなくて前肢にはかなり大きな魚が押さえ付けられた。
『おやおや、なんとも器用な狩り方じゃの。じゃが意外にもヘリオスの方が上手いじゃないか。それも結構な大物じゃ♪この調子ではガイルよりもヘリオスが先に小動物を捕らえられるようになるのかのぅ?』
『な、なにおぅ!!俺だってやる時はやるぞ!コツさえ掴めば…。で、でもいきなり狩れるなんてやるじゃん、ヘリオス!』
『………………。』
ビチビチと暴れている魚を必死で押さえたまま川原に上がるわけでもなく、じぃっと魚を凝視しているヘリオス。
『お〜い、どした〜?』
心配になってもう一度声をかけると
『ガ、ガイル……コレ………どうし…よ………』
『『え!?』』
と、情けない声を上げて振り返るヘリオス。結局、燃鼬が魚に止めをさしてガイルが川原まで引き上げてやることになった。
そして、
ゴクリ
『ガ、ガイルお先にどうぞ?』
『いや、お前が狩ったんだからお前が先に……。』
『で…も……まだ心の準備が……。』
『え………むぅ…………じゃあ一緒に食うか?うん、そうしよう。な?な?』
最終的にヘリオスが押し切られて一緒に食べようという事に収まった所に燃鼬が、
『なんじゃ、焼いたりせんのか?』
へ『えっ焼くの?』
燃『ドラゴンなら竜術で焼けるじゃろ?特にガイルには適性有りそうじゃが?』
ガ『いや、俺らやり方知らねぇし…』
燃『なんじゃい。ワシが火を使ってたの見とったじゃろう?あれと似とるんじゃからわかるじゃろ。』
ガ『いやいや、あれ見たからって無理だろが!』
燃『普通は親竜が使うのを見て学ぶはず…ってそうかお前さんらは迷子になるのが早かったからわからんのか。』
へ『じゃあどうやるの?』
燃『ワシがやってたようにしてみれば良い。』
へ『そ、そんな事言われても…。』
ガ『全っ然、わかんねえから!』
燃『まあその辺は次話って事でのぅ』
へ『そういえばメディシン草ってどこから命名してるのかな?』
ガ『いや、メディシンって普通に薬って意味だろ?まんま薬草じゃねぇか。大丈夫かこんな行き当たりばっかのネーミングで…。』