マイアの宣託3
女神は、
「それは、功績だけ残して元の世界に帰る方もいらっしゃいますから。この世界の国民が
国の運営は自分たちの力で作って、他の人の意見を聞いて自分の悪いところをなおすのは
良い事です。世界の枠組みは啓示の提示と連携ですから。治政を考える上では、穏やかに
自分一人の利益を訴える者を、従わせるより他の者を登用します。その場の意図通りで、
単純に思った通りにしか、動かない人間は必ずいるものです。
人間の上に立つなら、指示したことに次の手段、その次の手段を考えることを部下の者
に考えさせなければならない。ここで溶け込むことと前に立って発言していかなければ、
社会の中で、生活していけない。
その代わり、成果を上げれば、報酬を与えて快適な暮らしを与えられたり、領地を与えら
れたりして、この世界に永住する者もいますから。
あとは、無理やりではありませんということでしょうか。」
俺は、
「倒した後は、人間としての権利はあると。国から役職をもらう感じか。
ところで、フレイの伝記なども知っているが、粗末な扱いが多い。この国での幸せか。
世間というものは、一つの視点から見ようとすれば、なにか障害が見えてくるものだ。
この世界では、させない事でしか物事の取り組みがされていない。だから一人の個人的
な幸福追求が進み、他者に保障され暮らしていくあてがなくなった人生に、一生を預ける
だけの価値があるのか?神様が人間の人生を決定し、統治もする、という事だろ。」
と尋ねた。
マイアは困ったように首を振り、
「本当にあなたは困った人ですね。この国の決定権も今この瞬間は国民が決定し、国民に
あるべきなのです。神様の与える自由は、今この国で言われている生活する権利だけでは
ありません。生きている間の行いでも、生まれ変わりの縁を決めますし、責任が伴うんで
す。今は世界をしりなさい。
あなたの町の領主と王都は、比較的近代的な経営文化ができてきていますから、あなた
が生きてきた国の文化的価値観から見ても、働きがいがあると思いますが、外では権力を
持ったものが、謳歌しているのです。
この国ではまだ福祉や社会保障を整えて、他者の為に奉仕する公務員や福祉従事者のよ
うな人々は教会の方々の仕事というように限られています。」
とマイアは言った。
「やっぱりそうか。他のところってそんなに古い考えなのか。」
俺は、とても驚いた。
マイアは、
「人々の考え方が、あなたと接して変わっていったのですよ。実際にあの町のおかげでこ
の星の寿命は延びました。
フレイは無頓着でしたから、この世界が民の願いをかなえようと動いたことで活性化し
て、星の寿命が延命したことも知りません。
あなたが生まれたところも、相互理解をする考えを認めてくれる人々が、育ててくれる
地域でしたしね。あなたもこの町を求めている場所に近づけたいのでしょう。」
と穏やかにそんな事を話した。
「そうですね。この町を近代的な福祉都市にしようと思っていますから。」
俺は、今まで隠していた理想をここで出した。
「なにはともあれ、今は魔王討伐に向けての訓練ですね。
魔王は今、この世界を攻撃し、未曾有の混乱に陥れようと攻撃を考えているようで、あ
と10年ほどかかるとのことです。
しかし、各国不穏な動きがあるようなので、魔王討伐の際、協力し合えるのか、話合わ
ないといけない。ここまではあなた自身考えていましたか。」
女神は急に尋ねてきた。
「はい、それくらいは。」
不意をつかれ、俺はそう返答してしまった。
「よろしい。それくらいの機転が利くならあとはリーダーの資質と人間関係くらいです。
自分が大人になった時、信じてくれる者たちから信頼と羨望を集められるようにならな
いといけません。それでは最後に、国王とフレイに会う日が、王都に行った時にはあるで
しょう。
その時、きちんと人を率いてる姿を見せなければなりません。」
「もちろんだ。きっちりこの世界で魔王を倒して何をすべきか判断させてもらう。」
俺と女神は笑い合うと早速魔法の訓練に励んだ。
「威力を無駄に大きくしないで核だけ熱く重くするのです。」
「はい、女神様。」
こうして武術は親に鍛えられ、魔法は女神様に教えてもらう修行の日々が始まった。




