勿忘草
息抜きに書いた短編です。
本当にみじかいですが、楽しんでいただければ幸いです。
貴方の事が嫌いだ。
その熱で、光で、私を浮かす貴方のことが。
その、笑みをたたえた口もとが。
私を見つめるその目が。
心から、嫌いだ。
「先輩」
その人は、いつも笑って振り向く。
どんな時だって、後ろから呼べば、にっこり笑うんだ。
「ん?」
ほら。今も。
私は深く息を吸い込んだ。
「先輩___」
貴方の全てが嫌いだ。
だけれど、その何よりも。
「___ご卒業、おめでとうございます」
私を置いていく貴方のことが、心の底から、大嫌いだ。
閲覧ありがとうございました。