チェケナ:異世界転移
こんにちは。チェケナベイベーです。トラックに跳ねられて今この様です。白い空間。どうしたことか。まずはなにかできることは。女神が現れる。
「貴方は異世界に転移することになりました」
「チェケナ」
「魔王を倒し。世界に平和をもたらして下さい」
「ベイベー」
「チェケナベイベーしか喋れない呪いをかけました。貴方うるさそうですし」
「チェケナ?!」
「さぁ出発の時です。いってらっしゃいませ」
白い光に包まれた。草原。草原に飛ばしやがったな女神。俺の喋れる言葉はチェケナベイベーしかない。どうしたことか。数メートル歩くと村が見えてきた。到着。男がぞろぞろと5人でてきた。
「なんだあんたは。この村に何の用だ」
「チェケナベイベー」
「あん。なんだって」
「チェケナチェケナ」
「それしか喋れないのか」
「チェケナ......」
「そうなのか。災難だな。呪いの類か」
解散。通される。1人の家に案内される。一軒家。中庭もありゆったりとした時間が過ごせそうだ。入る。椅子に腰掛ける。
「で、チェケナベイベーさんよ。ここを使ってもいいから働いてくれよな」
「チェケナチェケナ」
「それはOKと捉えていいのか」
「ベイベー」
「じゃあ明日。冒険者ギルドに行ってくれや。そこで依頼を受けるんだ。簡単だろう」
「チェケナ」
「あい。わかった。よろしくな」
ベットのあるお部屋に通される。水の張った桶。タオル。これで顔とか身体を拭けってことか。よしやろう。綺麗になるまで及んだ。おやすみなさい。
起床。ベットから出る。部屋へ行くと食事の準備をしてくれてる1人。名前は。そうだ名前を聞いておかなくっちゃ
「チェケナ」
「おぉ。起きたか。ご飯できてるぞ」
「チェケナベイベー」
「それはありがとうって意味かな」
なんとかして聞きだしたいけど。喋れる言葉のせいで上手く伝わらない。どうしよう。机と椅子。腰掛けて食事。シチューとパンだ。パンをシチューに浸しながら食べていく。
「そういえば俺の名前言ってなかったな。俺の名前はジェイ。そしてこの村はハジマリって言う。よろしく頼むよ」
「チェケナベイベー。チェケナ」
「それはわかったって意味かな」
「チェケナ」
頭を振る。そうかジェスチャーなら簡単なことか。手話とかはわからないし。がっくし。てか手話がこの世界に浸透しているかもわからない。わからないことづくめだ。
今日は冒険者ギルドに行く日。出て数メートル先にあった。扉を開け。入る。カウンター。受付嬢。
「初めまして。見ない顔ですね。冒険者登録ですか」
「チェケナ」
頭を縦にぶんぶん振る。紙が渡される。書けってことか。あれ。日本語だ。それなら簡単だ。
「この水晶に触れて下さい。ステータスがわかります」
触れるとウィンドウが現れる。
チェケナベイベー
HP100
攻撃60
防御50
呪い:チェケナベイベー
スキル:チェケナベイベー
ランクE
やはり呪いがかけられている。これはいいステータスなのかわからない。
「中々のステータス......ですね。はいどうぞ。冒険者カードです」
受け取る。ランクEってことは一番下だよね。どうやったら上がっていくんだろう。ランクEの場所に指を差し見せる。
「ランクEは一番下です。依頼をこなしていけば上がる仕様になっていますよ」
「チェケナチェケナ」
「それはわかったって意味でしょうか。てか普通に喋れませんか」
「チェケナベイベー」
「それだけ......ですか。わかりました。では、受けたい依頼を依頼板から取ってきてください」
「チェケナ」
「それははいって意味でしょうかね」
頭を振る。依頼板に移動。あるのはゴブリン退治。コボルト退治。お店のお手伝い。庭掃除。などなどだ。手頃なのはお店のお手伝いかな。紙を取りカウンターへ持っていく。
「チェケナベイベー」
「これを受けるんですね。わかりました」
ハンコを押してくれる。いやまて。チェケナベイベーだけで接客とかかなり無理があるんじゃ。まぁいいか。やってみなきゃわからない。
目的のお店に到着。通される。お店の制服に着替えてカウンターへ。茶髪のおばさん。
「あんたには接客と料理を運んでもらうよ。頼りにさせて頂戴」
カランカラン。客がぞろぞろと入ってくる。
「すいません。注文いいですか」
「チェケナ」
頭を振る。シチューをご注文のお客様だ。カウンターへ行きそれを伝えられないか試してみる。
丸。ごろごろ。白を指差す。精一杯のジェスチャーだ。
「シチューだね。あい。わかったよ」
伝わったぁぁぁぁ!!
「チェケナ」
頭を振る。次のお客様。ミートドリアをご注文だ。カウンターへ行き。
「チェケナチェケナ」
「え。なんだって」
「ベイベー」
「ミートドリアだね。わかったよ。ミートドリア一つ」
2名客だ。シチューと野菜炒めをご注文だ。
「チェケナベイベー。チェケナチェケナ」
「シチューと野菜炒めだね。わかったよ」
何故にわかる。意味不明だ。チェケナベイベーにはなにか特別な力が働いているんだろうか。そうして数時間後。終える。ハンコを押してくれる。後にして冒険者ギルドへカウンター。受付嬢。
「依頼達成お疲れ様です。報酬の50チェケです。お納め下さい」
「チェケナベイベー」
「ありがとう。ですかね。わかりません」
いや合ってる。ちゃんと何故か伝わってる。ジェスチャーもそんな要らないか。夕時。ジェイのお家へ。入る。
「ご飯できてるぜ」
「チェケナ」
ご飯の野菜炒めとスープ。それらを食べながら。
「明日も冒険者ギルドに行くのか」
「チェケナベイベー」
「そうか。そうか。で、パーティーとかは組まないのか」
「チェケナチェケナベイベー」
「まだ見つからないか。そうだよな。1日目だし仕方ないか」
「チェケチェケナチェケナ」
「まぁまぁ。焦らずともいいよ。ゆっくり探しな」
「チェケナベイベー」
終え、部屋へ。水の張った桶とタオル。身体と顔を拭く。明日はパーティーメンバーでも探してみようか。と思いながら眠りについたおやすみなさい。
チェケナベイベー。