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十六、殺生 ⑵

「だいたいよぉ、不喜処(ふきしょ)は俺たちあってこそだろ?それなのに毎日こんな不味い亡者の肉しか食えなくて、住処も数百年前に建てられたボロ家だぜ?どう思うよ姉ちゃん?」

 

「も〜、仕事は肉体労働で大変だし、亡者の返り血で毛並みもすぐ汚れちゃうじゃない?ゆっくり休める場所くらい欲しいわよねぇ〜」

 

「なるほど……それは大変ですよね。はい……はい……お気持ちお察しします。」

 

 こうして私たちはストライキを起こしていた不喜処の獣獄卒たち1人1人……いや、1匹1匹に話を聞いて周り、労働環境の改善と福利厚生の充実を図るべく作戦を練ることとなった。

 

「まずは労働環境ですね。不喜処は炎で囲まれていて暑いですし、罰の内容が亡者を食べるということから血肉も飛び散っていてお世辞にも綺麗とは言えない場所ですから……」

 

「それについてですが、休憩所を作るのはどうでしょう?」

 

「休憩所ですか……具体的な構想はありますか?」

 

「水辺をいくつか作って、血のついた身体を洗い流したり水分補給が出来るようにするとか……噴水とかも涼しげで良いと思います。」

 

「確かにそれは良さそうですね。あとは休憩所でしたら種族ごとに休み方も違うので、鳥でしたら止まり木を作るとか……」

 

 そうして涅さんと2人で話し合い、労働環境については大方話がまとまってきた。残る問題は獣獄卒たちが働きたくなるような福利厚生である。

 

「やっぱり住居は建て替えた方が良いんじゃないですか?」

 

「そうですね。何百年も変わっていないという話ですし……ちなみに篁さんには先ほど確認を取って、予算はしっかり確保できてあります。」

 

「流石です…!どうせなら良いお家にしたいですよね。……そうだ!ドッグランを併設するとかどうですか?」

 

「ドッグラン……とは、どんなものなのでしょうか?」

 

「犬が遊んだり走り回ったり出来る施設なんですけど、でも今回は色々な種族がいますから、ドッグランと言うより……芝生の公園みたいなイメージですかね?」

 

「なるほど。自由に使える広場みたいなものですね。確かにストレス解消には良いかもしれません。」

 

 不喜処には鳥、犬、狐をはじめとした様々な種類の獣獄卒がいるが、その中でも特に多いのが犬である。その犬のストレス解消に最も効果的なのは運動と言われているので、休みの日などに楽しく過ごせる場所を用意すれば満足度にも繋がるのではないかと思った訳だ。

 

「参考までに聞きたいのですが、現世の会社ではどんな福利厚生がありましたか?」

 

「そうですね……よくあるのは交通費とか住宅手当、社員食堂とかですかね?あとは、育児・介護の支援とか、他には社員食堂と似てますけどカフェとかフリードリンク、健康増進でジムがある会社なんかもあるみたいです。」

 

 私が生前働いていた会社でも、各種手当や社員食堂、カフェスペースなどがあった。会社によってその内容は様々だが、やはり大手ほど福利厚生は充実しているイメージがある。

 

「多岐にわたっているんですね。ちなみに育児の支援とはどのような感じですか?」

 

「託児施設を設置していたり、ベビーシッター代を負担してくれたりとかですかね。」

 

「なるほど。獣獄卒たちは獄卒同士で番になって、その子供がまた獄卒になってという場合も多くありますので、託児施設なんかは良いかもしれませんね。」

 

「そうなんですね!託児施設を作るとなると保育士さんも雇わないとですけど、この場合は保育士さんじゃなくて獣医さんとかになるんですかね…?それとも動物園の飼育員とか…?」

 

「専門の人を探すとなると難しいですが……現世の動物とは違いそれほど弱くはないので、きちんと面倒を見られる人だったら大丈夫だと思いますよ。」

 

「そうなんですね。それなら動物好きでしっかり面倒を見てくれそうな人を探しましょう…!」


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