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そういえば、寮の食堂で私語禁止と記述したのは削除しました!

 最近、王子の人気が凄い。

 リ行の奴らとその同室のクスカの連中が王子にいろいろ教えてもらったことを自慢して回っているらしく、困ったらポリオリ王子に訊けば何でも教えてもらえると噂が立っているのが原因のようだ。

 相変わらずひたすら座学ばかりで貴族の生徒同士が交流する雰囲気はないのだが、平民組は既に打ち解けて情報交換が活発なのだろう。

 別に人気と言ってもファンクラブができてる訳じゃないぞ。彼らにおずおずと話しかけられるだけだ。

 朝の仕事の時間や食事中に話しかけてくるパターンもあれば、わざわざ部屋まで質問しに来るパターンもある。

 シャイなグループだと王子に話しかけても良いか事前に俺に確認してくる。シャイというか貴族や王族に対して恐れがあるのだと思う。下手に話しかけると首を切られるとか故郷で教えられていたのかもな。実際、農奴だとそういう事例もあるようで、貴族は平民を殺しても罪に問われないって王子も言ってたし、あながち嘘でもなさそうだ。


 質問として多いのは数学について。


「掛け算の答えを全て暗記してるって聞いたけど本当なのかい? それって俺たちにもできるかな?」


 これだ。やりかたを教えると案外簡単なので喜びの声が届くほどだ。

 不思議なのは自分らも暗記して良いか王子に許可を求めてくるところだ。特技を盗まれて怒られたりしないか気にしているのだ。技術の盗用とかって意外とセンシティブな問題なのかも知れないな。


 変わったところで言えば、靴下を見せて欲しいと頼んできたのが居た。

 王子と一緒に話を聞いてみれば、靴下の存在を知らず生足で靴を履いていたのだが当然の如く臭くなるし履き心地も悪い。同室の全員が足クサになって何かの病気の前兆なのではと教官に相談したところ靴下を着用するよう言われたと。もちろん部屋の誰も靴下を見たことがないので訊ける相手を探していた折、王子の噂を聞いたらしい。

 購買で売っている事は教官が教えてくれたが値段が高くて手が出ず、縫い物は得意なので自分で作ろうと思っているらしい。購買の店主が平民に対して横柄で意地悪なのは前述した通りである。

 そこで俺のを見せてやった。しかしこれはロレンツォが用意してくれた手の込んだ高級品なので以前ジロ河口基地の近くの軍放出品の店で買った紐で縛るタイプのも見せてあげた。

 彼はこれなら作れそうだと喜んでいた。ついでに中敷を入れて靴のサイズ感を調整できることを教えたら大変喜ばれた。彼らはサイズが合わないのを無理して履いてることが多いからな。

 ちなみに、足に布を被せてそのまま靴に突っ込むというパワープレイが平民の間では横行してるらしい。確かにそれでもいけそうだよな。


 靴下の彼からは後日、藁を編んで作った草鞋をお礼にと届けられた。これは水浴び後に履くのにちょうど良く、気に入ったので部屋履きにさせてもらっている。

 王子が履いてるのを見たことはないがそれで正解だと思う。うっかり誰か来た時に草鞋では王族の威厳が損なわれてしまうもんな。

 しかし王子も湯浴みの後だけは履いているようで王子の足の形に潰れて跡が付いている。

 どれくらい持つものなのか分からないが、履き潰してしまったら彼に頼んでまた作ってもらおう。お礼は小ぶりな魔石で良いかな。現金だとなんか生々しいもんな。


いつもお読みいただきありがとうございます!

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