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翌日、早速入寮することになった。
旅の疲れが取れていないのでせめて一日くらい寝て過ごしたかったが、ほとんどの生徒は試験に合格したらすぐに入寮しているので早い方がいいとのこと。
なるほど、既に仲良しグループとかが出来ているのかもな。
ロレンツォが買い揃えてくれた制服やらなんかを受け取り、バッグに詰めて出発だ。
荷物が多いのでロレンツォも一緒だ。
アカデミーに着くと多くの馬車が停まっていた。
宿に泊まれる財力がある家は入寮をギリギリまで待つのかも知れない。
そして残念な発見。
俺は馬車の車輪について、後輪が大きく前輪が小さくすると良いとゲオルグたちのところで思い出したのだがこれは既に貴族の馬車では導入済みだった。
俺は農民が使う荷馬車やキャラバンが使う幌馬車しか見たことがなかったんだな。
もちろんポリオリにはあったんだろうけど車庫に入ってたから真正面からしか見えてなかったのだ。
そしてひときわゴージャスな馬車が目に付いて注意して見ると、人が乗る籠部分がフレームから吊り下げ式になっていて要するにサスペンション構造になっている。
パッと見はロープで吊っているようだが強度は問題ないんだろうか?
ロープの交換が容易になってるのだろうか?
ちょっとよく見せてもらいたい。
そちらにフルミネを向けようかと思ったのだが扉が開いて女性が顔を覗かせたので慌てて目を逸らせる。
あんな馬車に乗るような身分の女性をまじまじと見たりしたらいけないのだ。
アカデミーの敷地内なら罪に問われることはないだろうが、少なくともマナー違反であること必至だ。
君子危に寄らずだ。
先を急ごう。
さて、校舎の受付で合格証を出して入寮の旨を申し出て割り当てられた部屋を聞く。
王子とのふたり部屋で、場所はもちろん男子寮。
女子寮は校舎のすぐ近くだが男子寮は演習場の向こうにあるとのこと。
厩舎もそちらとのことで馬で向かう。
演習場はサッカーコートたっぷり四面ぶんくらい。広い。遠い。
その向こうに野菜畑が同じくらい広がり、麦畑と牧草地があって大きな鶏小屋とウサギ小屋があって厩舎があって用水路を渡って男子寮となる。
徒歩ではちょっとうんざりする距離があるので男女の間違いは起こりにくいと考えられる。
少々残念。
毎日この距離を歩くことになると思うとゲンナリするが、考えてみれば小中学生の頃はもっと遠い距離を歩いて通学していたのだからまあ普通かも知れない。
女子寮と比べなければ、という但し書きは付くけどもね。
男子寮は木造四階建てで、一階二階は庶民用の八人部屋が並び、三階四階は貴族用の二人部屋が並んでいる。
俺らの部屋は四階なので階段を登るのが面倒だ。荷物を抱えてえっちらおっちらと登っていく。
階段は広く作られているので日本の学校と似ている感じがする。
上級生に出会ったら下級生は自分から挨拶をしなければならないというルールがあり、これはまるで中学校の部活のようだ。
貴族や王族であってもこのこのルールは適用され、王族が平民に挨拶をするという珍しい光景を目にする事ができる。
王族や貴族は家によってはこのルールが侮辱的と考えて入学をしない選択をするパターンも多いらしい。
なるほど、でも軍の階級制度を叩き込むにはこういうところからだよな。
ちなみに俺たちは六十七期生であり、制服が青と白の太いストライプである。
何期生かによって制服の色が異なり六十六期生は赤と白の太いストライプ。六十五期生は黄色。六十四期生は赤。六十三期生は黄と青の太いストライプらしい。
サッカーのユニフォームのようだ。
そういえは日本の学校でも上履きの色で何年生か見分けが付いたよな。懐かしい。
ところで制服というとブレザーや詰襟を想像してしまうが、ここでの制服はチュニックである。
頭から被るワンピースのような服で胸元には切れ込みがあり、着た後は紐で留める事ができる。
全体的にゆったりとしていて腰はベルトで締める。
素材はしっかりとした麻で薄手。中に着る物は自由である。
見た感じ、貴族は中にシルクや綿のシャツを着て襟元からボタンを覗かせるのが流行ってるみたいだ。
ボタンは高級品だもんな。
引き換え、平民は薄手のチェニックか地肌に着用である。
同じ制服を着ているとはいえ、平民と貴族は見た目であからさまに分かる。
貴族は新品を着ているが平民は古びた中古を着ている。
多分、希望者には卒業生が置いていったお古が配布されるのだろう。
ブーツもいい感じによれてる。
靴底は流石に張り替えてくれるのだろうがサイズが合ってなさそうな人もちらほら。
アカデミー内では身分制が厳しくないとはいえ、やはりこうしてはっきりと違いが出ている。
俺たちは何度も上級生に挨拶をしながらやっとこさ四階にたどり着いた。
上級生の返事はまちまち。
無視するのも居た。
こりゃあ中々に大変そうだぞ。
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そういえば水不足が心配ですね。
4ヶ月ほど雨が降ってないとかで、冬に渇水ってちょっと珍しいので節水の意識がつい抜けてしまいます。




