7話 剣術
趣味がてらに書いてみました
魔法世界にネットショッピングを持ち込んで、現代アイテムと魔法を融合させてみたらどうだろうと考えて作りました
楽しんで頂けたら幸いです
――次の日の朝
巧は、リオを家に置いて警備隊隊長のリゲルを訪ねた。
警備隊隊長のリゲルは、いつも村の出入口近くにある警備隊の監視小屋に居ると聞いて、監視小屋に行った。
巧は、監視小屋の入り口から覗き込んで恐る恐る挨拶をした。
「おはようございます」
すると中には、180cmくらいのがっしりした体の大男が居た。
「お前は? ここに何の用だ?」
とその大男は言った。
巧は、用件を言おうと声を出した所で、突然叫ぶ声にかき消された。
「あ~、お前は最近リオと良く一緒に居る奴!」
巧は、その声の方向を見ると、リオと一緒に覚醒の儀を受けたベイルが居た。
「俺は、タクミと言います。リゲルさんに、剣を学びたくて伺いました」
と巧は、剣の修行を付けてもらえないかお願いした。
「ああ、お前が記憶喪失の。俺に剣を教えてほしいって?」
リゲルは巧の顔と体をマジマジと見た。
「はい。お願いできませんか?」
と巧は、真剣にお願いをした。
「タクミ、お前のスキルは何だ?」
とリゲルは巧のスキルを聞いて来た。
巧は、その質問にドキッとしたが、素直に答えることにした。
「ネットショップです」
巧はそう言ったが、リゲルは全く理解できなかったようだ。
「ネットショップ? 何だそれは?」
とリゲルが質問してきたが、巧は詳細を説明しても仕方ないと思って、良く分からないと答えた。
お前はその使い方を知らないのか? とリゲルは聞いて来たが、巧はまだ使えないようだと回答した。
ポイントが無いので購入できないことを使えないと意訳したのだ。
「ふむ、そんなことがあるんだな」
と不思議がったが、スキルが無いのと一緒だと分かるとリゲルは
「それだと、最低限しか教えられんぞ?」
と言った。
「構いません。ゴブリンを1人で倒せるようになればそれで良いです」
と巧は、自分の希望を言った。
「分かった」
とリゲルは言い、剣が立て掛けてある棚に向かった。
そして、2本の剣を手に取ると、1本を巧に放り投げた。
巧は、剣を慌てて受け取ると、その重みに少しよろめいた。
「その剣はお前にやる。それをブレずに素振りができるようになれ」
とリゲルは巧に課題を出した。
リゲルはドスドスと音を立てながら監視小屋の外に出ると、剣を鞘から抜き放った。
「こうやって振れるようになったら技を教えてやる」
と言って、剣を上段に構えると気合と供に振り下ろした。
ビュンという音がして、風圧が巧の頬を撫でた。
その剣を振った体は微動だにせず、まるで大木のようだった。
「剣の持ち方はこうだ。だが、剣を握りしめるな軽く持て」
リゲルから剣の持ち方を教えてもらった。
それから巧は、リゲルのように何度か剣を振ってみたが、剣を振るとどうしても剣に振り回されてしまってブレどころか、体がよろけてしまっていた。
それを、リゲルから指摘されるのだが、どうやっても修正することはできなかった。
そして巧は、剣を振るにはまず体を作らねばならないことを自覚した。
暫く剣を振っていると、リゲルとベイルが模擬戦をし始めた。
巧は、それを剣を振るのも忘れて見入っていた。
それは凄まじいモノだった。
身体強化のスキルを持つ者同士の戦いは、まずスピードが違った。
移動スピード、剣を振るうスピード、何もかもが違うのだ。
巧も、ゴブリンと戦った経験から、リゲル達のスピードが如何に異常かが分かった。
これならば、ゴブリンなど一瞬で切り伏せるだろう。
「なるほど。これが身体強化のスキルを持つってことか」
と巧はスキルの効果に感心していた。
リゲルとベイルの戦いは佳境を迎えていた。
ベイルが上段に構えたと思ったら、必殺技と思わしき技を放ったのだ。
「ソニックブレード!」
それは、ベイルの振り下ろした剣から風の刃が発生し、リゲルに向かって飛んで行った。
だがリゲルは、それを半身で躱し、そのまま体を回転させ右上段から剣を振り下ろした。
ベイルは、その動きに対応できず体を硬直させた。
それを見たリゲルは、ベイルの首に触れる直前で剣を止めた。
「なかなか良かったぞ。やはり、身体強化があると違うな」
とリゲルはベイルを褒めた。
だが、ベイルは
「身体強化を得られたら、勝てるようになると思っていたのに」
と悔しそうにしてした。
「流石に、そう簡単にはやられはせん」
とリゲルはまだ余裕がありそうだった。
こうして、午前中は身体を鍛え、午後はリオの特訓をすることになった。
――2か月後(ガラル歴532年12月)
「そろそろ剣技の訓練を始めるか」
とリゲルさんから提案があった。
「良いんですか?」
「素振りもブレなくなってきているし、そろそろ良いだろう」
「マジですか?」
巧はこの2か月の間、ランニング、筋力トレーニング、剣の素振りなどで体を鍛えてきた。
その結果、体付きが改善し素振りもあまりブレずに振ることができるようになっていた。
そして、今日を迎えることとなったのである。
「良いか? 剣は頭上に振りかぶる。だが、力を入れるな。体を楽にするんだ」
巧は、説明された通りに動作を行った。
その結果、スッとした立ち姿は達人を思わせるような綺麗で優雅な姿勢となっていた。
「そうだ。そして、力を抜いたまま剣を振り抜け」
巧は、そのまま剣の重みと共に剣を振った。
シャッ
という鋭い音と共に剣が振り抜かれた。
「そうだ。なかなか良かったぞ。それが上段切りだ」
リゲルは、上段切りの他にも下段切り、回転切り、突きなどの技を教えてくれた。
「それを組み合わせたり、意表を突いたりして敵を倒すんだ」
「分かりました。ありがとうございます」
巧は意外にも武術の才能を示していた。
剣の訓練が終わり、巧が家に戻っていく。
「勿体無いな。タクミに身体強化のスキルがあれば騎士団に入れるくらいにはなれただろうに」
とリゲルは独り言を言った。
隣を見ると、タクミに感化されたのか、ベイルが上段切りの練習をしていた。
だがそこには、巧がやったような美しさは見られなかった。
剣の訓練を終えた巧は家に帰ってきた。
そこには、いつものようにリオが机に向かって勉強していた。
「お帰り~」
「ただいまー」
とすっかり日課となったやり取りをした。
「どう? 勉強の方は?」
「そうね。フローク語と算術は問題ないわ。礼儀作法の方は……」
「なるほど。やはり、懸念は魔法語と付与術の訓練だな」
「礼儀作法もよ」
と小さい声が聞こえた。
「そろそろ、魔法語と付与術を勉強し始めたいな」
と呟くものの解決策が見つけられずにいた。
「カオンの町に行く?」
カオンの町とはアムの村の東にある大きな町のことだ。
その町に行けば、魔法語と付与術に関する情報が手に入れられるはずだ。
「行きたいんだが、資金が無いから、生活が維持できないんだよなぁ」
そうなのだ。できればそのカオンの町で生活をしたかったが、生活資金がなかった。リオの両親は?と巧は聞いたが、無理とのことだった。そもそも、この村では金を稼ぐ方法があまりない。従って、生活資金を得ることが難しかった。魔物を倒して得られるという魔石はというと、町に言って売れば金にはなる。ゴブリンなどの魔物の魔石はカオンの町で換金すると1つ銅貨10枚ということだった。
こちらの通貨だが
銅貨は100枚で銀貨1枚
銀貨10枚で小金貨1枚
小金貨10枚で金貨1枚
金貨100枚で白金貨1枚
銅貨1枚で100ポイント(ネットショップ通貨)
であった。
因みに、リオにリオがマジェスタ魔法学園に入ることを両親は許してくれるのか? と聞いたら問題ないわとの回答だった。
その態度を見て、これは何かあると思ったが、人の家族のことだからとスルーすることにした。
2作目の投稿です
まだまだ拙い所もあると思いますが、広い心でお読みいただければと思います
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