新たな入居者
閉じているカーテンの隙間から朝日が差し込む。
もう朝なのか。
確認しようと手を伸ばした先には何もなく、昨夜スマホを充電して寝たことを思い出したので布団から足を出し、コンセントの付近まで近づいた。
4月2日、現在時刻は5時50分。
時間の確認を終えると両手を組んで上に伸びをした。
布団から出ていたのと、スマホのライトを浴びたこともあり眠気は取れていた。
とりあえず着替えを済まし、僕は自分の部屋を後にした。
リビングに着いたら誰もいなかった。
時計を見ると6時を迎えていた。
「はぁ…」とため息をついて、当番表を確認する。
今日の当番は……料理か。
そうして冷蔵庫を開き、材料を取って作り始めた。
献立をある程度考えながら朝食を作っていたら、突然玄関の方からピンポーン!とインターホンの音が聞こえた。
こんな朝早くから誰だろう……。
僕は一旦料理する手を止めて玄関へ向かった。
「はーい。どちら様でしょうか」
少し疑問を持ちながらドアを開けると、そこには一人の男子が立っていた。
「あ!おはようございます!」
「え、あ、おはよう……?」
人の顔が見えた瞬間、笑顔で元気よく挨拶してきたから少し困惑しながら返事を返した。
名前を知らない彼の後ろにはキャリーケースとダンボールが2箱あった。
なるほどね。
「君は新しい入居者ってことでいいのかな?」
僕が問いかけると、彼は満面の笑みで「はい!」と応えた。
「とりあえず上がって。自己紹介とかは全員揃ってからにしよう。そうだ、朝食は?」
「あ、まだです…」
「なら、君の分も用意するよ」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
話をしながら家の中に入り、彼の荷物も一緒に運んだ。
元気がいいのは悪くは無い、というか良い事なんだが……
まだ朝の6時だから少しだけ考えて欲しいと思ってしまう。
にしても、朝からこんなに荷物を持ってきたんだ。
少し疲れているだろう。
「あのさ、少し疲れてない?」
「まあ、少しだけですけど」
「コーヒー入れておくから、シャワーでも浴びてきたら?」
「え!?そんな悪いですよ!!」
「この時間なら誰も入ってないだろうしさ。気にしなくていいから」
「なら、お言葉に甘えて」
彼はそう言うとキャリーケースから衣類を取り出してお風呂場に行こうとした。
「あの、お風呂場ってどこですか?」
「あ、忘れてた。廊下の突き当たりの左だよ」
「わかりました」
今度こそ彼はお風呂場に向かった。
荷物はまだリビングでいいか。
先にお湯沸かして、って違う!朝食がまだ作り途中なんだ!
台所に戻り、朝食の準備を再開しようとした。
今度はお風呂場から2つの悲鳴が聞こえてきた。
1つはさっきの彼の声。もう一つは……先輩の声だ。
はぁ、なんか今日朝から大変すぎないか。
一切名前が出ることはなかったですね、あはは...
この作品は週一で投稿しようと思います。
次回お楽しみに




