黄ノ国禁書ハント
自分とイチノハは黄ノ国ヤンクルル市の図書館へ向かう。
あまり大きくない図書館だ。
自分とイチノハは図書館に入る。
イチノハに声をかける。
「なあ、イチノハ。図書館にもし禁書があっても持ち出し出来ないんじゃないか?」
「そこは交渉ね。例えば、この本には呪いがかけられていてとても危険だから引き取らせて下さいとか言って引き取るのよ。」
「やっぱり禁書は危険なんだな。呪いがかけられているものもあるのか。」
「呪いに関しては引き取るための謳い文句よ。実際に呪われてる禁書もあるけどそれほど多く無いわ。」
イチノハは禁書を手に入れる為なら手段を選ばないタイプかもしれない。
図書館の人だろう、老婆が声をかけてくる。
「ずいぶん長い時間本を探しているみたいだけど何を探してるのかね?」
イチノハが口をひらく。
「特殊な楽しい本を探していまして。」
老婆がニヤリとしてイチノハに囁く。
「そう言う本は大きい町にいった方がいいじゃろう。うちには無いよ。」
イチノハが老婆にあいさつをする。
「ありがとうございます。」
自分は疑問に思い、イチノハに声をかける。
「ねえ、特殊な楽しい本ってどういう事?」
イチノハが口をひらく。
「禁書の存在を知ってる人の隠語よ。」
「そうか、なんか色々あるんだな。」
自分は黄ノ国の中心部にワープストーンで向かおうとする。
イチノハが声をかけてくる。
「まって、あまりワープストーン使うと私、ワープ酔いするの。移動は馬車が良いわ。」
「そうか、それなら馬車で行こうか。」
ヤンクルル市の馬車乗り場に到着する。
中心部のアルコーズ市は、次の町、ワンチャオ町の次だ。
ひとまずワンチャオ町を目指す。
馬車に乗っていると男性の老人が声をかけてくる。
「おぉ、若いのはいいね。アベックかい?」
自分はにやけ顔になるのを我慢して返事をする。
「違います。旅の仲間です。」
老人が首をかしげながら話しかけてくる。
「へびのはかま?蛇に袴させるのかい?」
「いやいや、たびのなかま!」
「蛇の仲間か!いやーすまんすまん。耳が遠くてな。」
いや、聞き取れていない。
この男性の老人耳が遠いようだ。
イチノハが声をかけてくる。
「ねえ、アベックってなに?」
「聞き覚え無いのか。カップルって言ったらわかるか?」
「それなら分かるわ。つまり、恋人に見えたって事ね。」
先ほどまでは我慢していたがイチノハにそのような台詞を言われ自分はにやけ顔になる。
イチノハが自分の表情を見て無表情で口をひらく。
「見えるだけなら仕方ないわ。ただ、気持ち悪いからその顔はやめて。」
自分は瞬時に真顔になる。
ナツキといい、イチノハといい、嫌われてはいないのだろうが、恋愛沙汰の話題が出ると拒絶される。
薄々気づいてはいたが、やはり悲しい。
イチノハに声をかける。
「イチノハ、せっかく黄ノ国に来たから次の町に着いたらトウヤと連絡をとってみないか?」
「まあ、いいんじゃない?でも禁書を探してる事は言わないでね?」
「他の人には言ってないのか?」
「言ってないわ。」
「じゃあ俺しか知らないって事?」
「そうね。」
何故自分にだけ禁書を集めている事を教えてくれたのだろう。
気になるがあまり深く聞いたら嫌がられるだろうか。
イチノハが自分の心を読んでいたかのように口をひらく。
「キッド君、魔法使えないでしょ?魔法が使える人が禁書見つけたら効果が発動する物があるからみんなには言わなかったの。魔法を使えなければその危険性も低いから話をしたの。」
「どういう事?」
「本来魔法が使える人が禁書集めるって危険なの。でもキッド君魔法が使えないから危険性は薄いかなって思ったの。」
「なるほど。」
特別信頼されているとかそう言う理由ではなかったみたいだ。
魔法が使えない事もこの世界ではプラスになることがあるらしい。
「でも、その話しだとイチノハが禁書集めるのも危険なんじゃないか?」
「そうね、危険は承知だけど興味を持ってしまったから。これじゃ理由にならない?」
イチノハは探究心が強すぎるのだろうか。
危険だと思ったら普通やめないか。
自分は口をひらく。
「興味を持っても危険な物は危険だろ?やめた方が良くないか?」
「あなたは私が家で言ったことを理解して無いようね。危険でも私にとっては大事なの。」
「探究心の話か?」
「まあ、近くも遠くもないわ。」
なんというかイチノハと話すと理解に苦しむ。
何を目的に禁書を集めてるか見えてこない。
肝心な事は教えてくれないような感じでムズムズする。
そうこうしている内にワンチャオ町に到着する。
自分はトークストーンでトウヤに連絡を取る。
「あ、トウヤか?今どこにいる?」
「ごめん!ミッション中なんだ!手短に頼む!」
「今イチノハと黄ノ国に来てるから会いたいんだけど、今どこに住んでる?」
「おう!中隊長になったからミッションの充実さ求めて中心部のアルコーズ市に引っ越したぜ!ごめん切るわ!」
自分たちが目指しているのもアルコーズ市だ。
アルコーズ市に着いたらまたトウヤに連絡しよう。
今日はもう夕方。ワンチャオ町で一泊して次の日にアルコーズ市へ向かおうと思う。
イチノハと食事できる店を探す。
店を見つけてイチノハに声をかける。
「ここなんてどうだ?ごはん屋さんだ。」
「いいわよ。」
店に入る。
中年の女性の店員さんに出迎えられる。
「いらっしゃいませ。」
メニューを確認する。
蛇の姿煮、蛇の炒め物、蛇の唐揚げ、蛇の丸焼き。
蛇の料理名がならんでいる。
イチノハに声をかける。
「なんかごめん。蛇料理屋だったみたいだ。」
「別にいいわよ。商売してるくらいだもの。食べられない物は出てこないでしょう。」
確かにそうだ。
蛇の炒め物と蛇の唐揚げを注文する。
料理が運ばれてくる。
ゲテモノ料理ではないかと不安だったが、蛇の姿が見えそうな物を避けて正解だった。
見た目は普通の料理と変わりがない。
自分は蛇の炒め物を口にする。
「うん、食えるな。」
魚と鶏肉の中間という感じだろうか。
まあ、不味くはない。
むしろ、食べやすいまでもある。
イチノハが蛇の炒め物を口にしながら話しかけてくる。
「食べられるわね。美味しいわ。」
食事が終わり宿に泊まりその日は就寝する。
次の日、朝イチから馬車に乗って黄ノ国の中心部アルコーズ市を目指す。
馬車で移動中イチノハが口をひらく。
「黄ノ国ってなんか緑が少ないわね。」
「まあ、緑ノ国とくらべたらな。でも全国で比較したら木は少ないかもな。」
「それと砂地が多いわね。」
「そうだな。中心部行けば砂地は減るよ。」
「キッドは今のところどの国が一番すごしやすかったの?」
「青の国は住んでないからな、青の国を抜かすと物価高いけど色んな物がすぐ揃う赤ノ国の中心部が過ごしやすく感じたな。」
そして、アルコーズ市に到着する。
早速、合流出来ないかトウヤにトークストーンで連絡を取る。
「トウヤ?アルコーズ市に着いたんだけど今日会えるか?」
「おう!ミッション終わったら会えるぞ。」
「そうか。ギルドハウスの前で待ち合わせか?」
「そうだな、ミッション終わりそうになったら連絡する!」
トウヤと連絡がついた。
合流まで時間があるのでアルコーズ市の本屋を回る。
2件目の本屋を回ってる時だった。
イチノハがとあるコーナーに入って行く。
自分は思わず声をかける。
「おい、イチノハ。そっちはアダルトコーナーだぞ。禁書なんてあるわけないって。」
「見てみなきゃ分からないじゃない。なにか問題でも?」
問題しかない。
美女がアダルトコーナーに居ると、ある意味で禁書を探している殿方が気を遣う。
仕方なくイチノハについて行く。
イチノハが無表情で本を見て呟く。
「朝まで耐久S◼️X。選抜S級美女の濃厚プレイ。」
「おい、読まんくて良いって。」
イチノハが中身を確認する。
「やだ、裸の写真ばっかり。」
美女がエロ本を読む姿はある種のプレイにも見えなくないが、今は気まずさしかない。
イチノハは性の知識が無いのか?
イチノハに声をかける。
「お前、意味も分からずその本読むのやめろ。」
「意味なら分かるわ。これを読んで殿方が自慰に勤しむのよね。」
この人意味わかって読んでる!
より一層たちが悪い。
イチノハに声をかける。
「とにかくここに禁書なんてあるわけ無いから出よう。」
「まって、あの筒みたいな物は何?」
「だああぁぁあ!もうこれ以上散策するな!」
自分は無理やりイチノハをアダルトコーナーの外に引っ張る。
自分はイチノハに声をかける。
「なあ、頼むからまた本屋でああいう場所見つけたら入らないでくれよ。」
「そうね、低俗な本しか無かったわ。」
なんだかんだでトウヤと合流する時間になる。
ギルドハウスの前でトウヤと合流をした。
トウヤが声をかけてくる。
「おー!二人とも久しぶり!」
自分は返事をする。
「黄ノ国に来たからな。せっかくならと思って会いに来たぞ!」
「そうか!嬉しいぜ。ところで何で黄ノ国に来たんだ?」
イチノハが口をひらく。
「海外遠征のミッションで黄ノ国に来てるのよ。」
イチノハがさらっと嘘をつく。
トウヤが口をひらく。
「そうか、お前らもなかなか忙しいんだな。」
自分はトウヤに話しかける。
「どうだ、中隊長になって充実してるか?」
トウヤが自慢げに腕を組ながら口をひらく。
「まあな、俺ってなかなか頼りにされてるんだぜ!この前も隊長より先に大型モンスター討伐したし、隊長に昇格する日も近いかもな。」
「へえー、活躍してるのは良いことだな。」
「キッドはどうなんだ。」
「俺は医療部隊に入って、戦場行ったり、人の死を見たりで色々経験してるよ。」
「そうか、イチノハは?」
「私は日々のミッションをこなす毎日って感じかしら。特別な事はないわ。」
トウヤと話が盛り上がる。
するとミューが現れ、口をひらく。
「トウヤ君、迎えに来たのです。」
「おう!お前も毎日暇なんだな、また家来るか?」
ミューが自分とイチノハを見て口をひらく。
「二人ともお久しぶりです。何故黄ノ国へ?」
トウヤが口をひらく。
「医療部隊の海外ミッションなんだってよ!こいつらも忙しいみたいだぜ!」
ミューが口をひらく。
「そうだったんですね。お疲れ様ですの。」
それにしてもわざわざトウヤを迎えに来るとは相変わらず仲が良い。
自分はトウヤに小声で話しかける。
「なあ、ミューに変なことされたりしてないか?」
トウヤが普通の音量で口をひらく。
「そういえばこの前、服脱がされて色々されたな。」
ミューが顔を赤くして口をひらく。
「ご、誤解を招くようなこと言わないで欲しいのです!トウヤ君の専用防具の開発のためにサイズを測ってただけですの!」
ミューはトウヤの専用防具を開発するようだ。
それを聞いて自分はミューに話しかける。
「なあ、俺にもなんか強くなれる装備作ってくれないか?俺ってさ、戦闘出来ないだろ?みんなにも少しでも協力できないかなって。」
ミューが渋い顔をして口をひらく。
「んー、気が向いたら作りましょう。でもそんなに期待しないで欲しいのです。」
これはありがたい。
戦闘で使える装備が出来れば少しくらい活躍できるかもしれない。
しばらく雑談をしたのち、トウヤとミューが家に帰る。
時刻は夕方。イチノハが声をかけてくる。
「ねえ、闇市の場所とか分かるかしら?」
「一応黄ノ国に住んでたからわかるけど、行ったことはないぞ。」
「場所がわかるのね。それなら案内してくれないかしら?」
「わかった。その代わり危険だと思ったらすぐに引き返してくれよ。」
自分とイチノハは黄ノ国の闇市に向かう。
闇市に到着するが、路地裏の暗い雰囲気であり、人々の視線も鋭い。
早く禁書を見つけて帰りたい。
すると柄の悪い男二人に声をかけられる。
「おい、こんなところで良い女連れてるな。そこの女、俺たちの所こいよ。」
分かりやすく絡まれた。
自分は男二人に話しかける。
「いやー、探し物してるだけなんで、通してもらえませんか?」
「オメーの言うことなんて聞くわけねぇだろ!女にこいっていってんだ!」
当然話しても通じるわけがない。
イチノハは無表情で立ち尽くしている。
イチノハが自分に声をかける。
「キッド君、相手に向かって手をかざして。」
自分は言われた通り相手に向かって手をかざした。
絡んできた男が口をひらく。
「なんだ?やんのか?」
その瞬間、男二人が植物の弦に吊るされ宙へ浮く。
男たちが叫ぶ。
「うわああぁ!」
「お前、魔法使えるのか!」
イチノハが自分に耳打ちをする。
「私の言う通り男たちに声をかけて。」
言われた通り、自分はイチノハに耳打ちをされた言葉を宙へ浮いている男二人に投げ掛ける。
「このまま立ち去るなら逃がしてやろう。だか、やる気なら今度は全身の骨を砕いてやるぞ。」
男二人は口をひらく。
「わかった!下ろしてくれ!立ち去るから!」
イチノハは弦を降ろし、男二人を地面に降ろす。
すると男二人は一目散に逃げ去った。
自分はイチノハに声をかける。
「助かった、ありがとう。でも何でわざわざ俺が魔法使えるように仕掛けたんだ?」
「周りの人が見てるもの。男の子が女の子守ったように見せた方がいいでしょ?」
イチノハは自分を立ててくれたようだ。
イチノハが口をひらく。
「気を取り直して禁書をさがしましょう。」
自分とイチノハは闇市を回る。
とある露店で立ち止まる。
イチノハが本を手に取る。
露店の顔に入れ墨が入っている店主が声をかけてくる。
「おう、あんちゃん。さっきのは格好よかったよ。あんた、強いんだな。嬢ちゃん、その本に興味があるのか?」
イチノハは店主に声をかける。
「少し中を見ても?」
店主は答える。
「少しならな。じっくり読んでるようなら買い取ってもらうぞ。」
イチノハは本をめくる。
自分はイチノハに声をかける。
「その本は禁書か?」
イチノハは無言で本を読む。
店主が声をかける。
「そこまでにしてもらおうか。」
イチノハは本を閉じる。
イチノハが声をかけてくる。
「これは探検家の日記ね。でも気になる記述があったわ。」
自分はイチノハに質問する。
「なんて書いてあったんだ?」
「神の国について記述があったわ。詳しくはもっとちゃんと読まないと。」
店主が声をかけてくる。
「どうするんだ?買うのか?そいつは貴重な本だから10万Gだよ。」
さすが闇市だ、ボッタクリ級に値段が高い。
イチノハが口をひらく。
「買うわ。」
店主が口をひらく。
「毎度あり。」
自分とイチノハは闇市から立ち去る。




