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3年目

ワープストーンでナチュラル村へ移動し、先生の家に向かう。


ナツキと過ごした1年も色々あったがなんだかんだ楽しかった。


自分とナツキは先生の家の扉をノックする。


「キッドです。入っても良いですか?」


先生の声が聞こえる。


「どうぞー。」


扉を開けると先生が出迎えてくれた。


そして、レイジが椅子に座ってお茶を飲んでいる。


ナツキが口をひらく。


「先生ただいまー!あ!レイジも闘技大会以来ね。」


先生が椅子の方に手招きしながら口をひらく。


「はいはい、久しぶりだね。まあ、まずはお茶でも飲むといいよ。」


先生は自分とナツキのお茶の準備をする。


レイジが口をひらく。


「闘技大会ね、あれは良い経験になったよ。」


自分が口をひらく。


「二人とも全国大会までいったもんな。特に二人の戦いは見ごたえあったよ。」


ノックの音が鳴る。


誰か来たようだ。


先生が出迎える。


「はいはーい。あ、イチノハちゃん?いらっしゃい。」


イチノハが先生の家に到着する。


相変わらずの美少女だ。


1年前見た時と髪型が変わっている。


髪の毛の両サイドがハーフアップに編み込まれ、髪の長さは変わっておらず、腰に届くくらいのストレートヘアーも健在だ。


雰囲気が変わって色っぽくなっている。


思わず自分は見惚れる。


イチノハが口をひらく。


「みんな久しぶり。元気そうね。」


ナツキがイチノハに声をかける。


「まーね、隣座りなよ。」


レイジが先生に声をかける。


「先生は魔法軍で、本部の部隊にいたことある?」


先生が口をひらく。


「まあー、本部というか色んな国を回ってたからね、それなりの役職にはついてたよ。具体的な話はしたことなかったっけ?」


レイジが先生に話しかける。


「旅の話は聞かせてもらったけど、どうやってその役職については聞いてないですよ。」


先生がレイジに話しかける。


「気になってるって事はもう、そこまで言ったのかな?レイジ君の年齢でそこまで行くって話は聞いたこと無いなぁ。」


ノックの音が鳴る。


先生が出迎える。


トウヤとミューが現れる。


トウヤが嬉しそうな表情をして口をひらく。


「俺はついに審査通れば中隊長だぜ!どうだ!すごいだろ?」


ナツキがトウヤに話しかける。


「私は1年で中隊長になってるわよ?むしろこの中じゃ遅い方じゃない?」


トウヤがレイジに声をかける。


「レイジはどうなんだ!全然魔法軍入ってどうなったか教えてくれないじゃないか!」


レイジが口をひらく。


「別に役職の話しは良いじゃないか。競争してる訳じゃないし。」


トウヤがレイジを指差して口をひらく。

 

「いーや、気になるね!役職はステータスだからな!教えてくれても良いじゃないか!」


集まって早々騒がしいメンバーだ。


自分を含めた5人は17歳になっていた。


先生が口をひらく。


「みんな集まった事だし、広場に移動してご飯の準備するかい。」


みんなで村の広場へ移動する。


さっそく準備を始める。


自分とレイジとイチノハは料理の準備。


先生とナツキは火起こしの準備。


トウヤとミューは机や椅子、食器の準備をしている。


今回は各国から持ちよった食材も準備され、少し豪華な食事会になると思われる。


青ノ国からはレイジから青魚。


赤ノ国からはナツキが唐辛子、自分が赤毛和牛。


黄ノ国からはトウヤとミューがチェダーチーズ。


緑ノ国からはイチノハが南瓜(かぼちゃ)だ。


食事会と言っても所謂バーベキューだ。


それぞれバーベキューに合いそうな食材を選んで来てくれたつもりだろう。


料理組の自分、レイジ、イチノハが食材を確認する。


自分が口をひらく。


「チェダーチーズはおつまみで良いとして、唐辛子はどうしようか。」


レイジが口をひらく。


「唐辛子って焼いて食べないよな。」


イチノハが口をひらく。


「スープに入れるから大丈夫よ。」


みんなが持ってきた素材以外では、先生が肉や野菜を用意してくれているので、問題は無い。


料理組の自分とレイジは食材を切る。


イチノハはスープの準備を始めた。


先生とナツキは火起こしが完了したようだ。


いつでも肉を焼ける。


ミューが、そわそわしながら料理組の近くに来て口をひらく。


「火が準備できましたのです。焼くものはまだですか。」


自分がミューに話しかける。


「もうすぐだから座って待ってなよ。」


トウヤがみんなに聞こえるように叫ぶ。


「火が準備できたぞー!食材はまだかー!」


自分はトウヤに向かって叫ぶ。


「もう少しだから待ってろー!チーズやるから!」


自分はトウヤにチェダーチーズを持っていく。


トウヤが声をかけてくる。


「お前も食えよ、上手いぞ。」


自分は一口つまむ。


確かに旨い。とても濃厚だ。ワインが飲みたくなる。


レイジが食材を持ってきて口をひらく。


「さあ、始めようか!」


みんな各々、肉や野菜を焼き出す。


バーベキューは良い。


みんなで雑談をしながら肉や野菜を焼いていく。


イチノハはスープの準備をしながら時より肉をつまみに来る。


自分はチェダーチーズをおつまみに麦酒を飲む。


麦酒を飲むと思わず声が出る。


「ぷはー、うまい!」


ミューが声をかけてくる。


「年寄りくさいのです。気持ちは解りますけど。」


レイジの持ってきた青魚を焼く。


バーベキューで食べる魚は5割り増しで美味しく感じるから楽しみだ。


自分の持ってきた赤毛和牛も焼く。


霜降り肉だ。


結構いい値段したので味には期待している。


イチノハの持ってきた南瓜も焼く。


そして、レイジの持ってきた青魚が焼けたのでみんなでいただく。


ナツキが魚を食べて口をひらく。


「ホクホクでうまーい!魚ってこんなに美味しかったっけ?」


自分もいただく。


旨い。確かにホクホクだ。これは酒が進む。


そして、自分の持ってきた赤毛和牛も焼き上がる。


トウヤが叫ぶ。


「マーベラス!!!やっぱり高い肉は違うね!」


さっそくいただく。


肉は予想通り旨い。肉の味がしっかりしている。


イチノハの持ってきた南瓜も焼き上がる。


先生が口をひらく。


「うわぁ、甘くて美味しい。」


さっそくいただく。


これは甘い。南瓜の甘みがしっかり出ている。


当然旨い。


そして、スープが出来上がる。


さっそくスープをいただく。


これは。


辛すぎて口の中が痛い。


よだれが止まらなくなる。


トウヤが叫ぶ。


「痛い痛い痛い!ヤバいってこれ!」


レイジは怪訝な顔をしてフリーズしている。


ナツキも怪訝な顔をしながら口をひらく。


「あ、これはダメなやつね。」


ミューは辛さでおかしくなったのか、広場を走り回っている。


スープの中に大量の唐辛子が入ってる訳でもないのにこの辛さだ。


恐ろしい唐辛子だ。


先生とイチノハは口にしておらず、先生が笑いながら口をひらく。


「はっはっは!その唐辛子は世界一辛い唐辛子だよ。まあー僕は知ってたけどね。」


先生は知ってて食べなかったのか、世界一辛い唐辛子ってわかった時点で教えて欲しかった。


唐辛子騒動がありながらもバーベキューは続けられる。


少し離れたところにいる先生から手招きされる。


自分は先生のところへ向かう。


先生は丸太に腰をかけながら口をひらく。


「キッドくんもだいぶみんなと打ち解けたみたいだね。」


「まあ、おかげさまで。」


「そろそろナチュラル村の少し詳しい話しでもしようか。」


先生は空を見上げ口をひらく。


「ナチュラル村はね、昔も今もだけど、魔法鉱物や魔法植物が豊富で、魔法を学ぶのにとても良い土地なんだよ。だから魔力を持った子ども達を育てるために、よく里子を受け入れていたんだ。」


「魔力を持った子どもを育てる?よく里子を受け入れていた?」


「そう、高い魔力を持って生まれた子どもは里子に出されるケースが多いんだ。何故かわかるかな?」


「えー、ちょっと想像出来ないですね。」


「まあ、単純に育てるのに手間がかかる。赤子の頃から火の魔法使われて家の中燃やされたら大変だろう?あと、里子に出される理由として大きいのが、お金だ。強い魔力を持った子どもは高い金額で取引される。」


「それは人身売買では?」


「そう、人身売買。世界各地にいるブリーダーに高値で取引される。」


「もしかして先生もブリーダーなのですか?」


「まあー、正確には違うけど、結果的にブリーダーになっちゃうかな。」


「それはどういう事ですか。」


「ナチュラル村はレイジ君達が小さい頃に滅ぼされただろう?その時に生き残った4人を僕は育てる事にしたんだ。4人の出身地はわかっていなかったんだけど、魔力が強すぎて、何人ものブリーダーを介して、この辺境の土地。ナチュラル村にたどり着いたんだ。」


「魔力が強すぎて辺境の土地へ?何故?それとナツキはこの村出身では?」


「魔力が強すぎる子どもは育てるのが大変で嫌われるから、どんどん人里から遠ざけられるんだ。酷い話しだよね。ナツキちゃんの母親は優秀な魔法使いだったんだ。ナツキちゃんのお母さんは子どもを良い環境で育てるためにナチュラル村へ引っ越してきたらしい。」


「話し聞いてたら子どもの扱いが少し酷くないですか?大人の金儲けの道具みたいな。」


「まあ、それもこの世界の歴史だよ。噂では強い魔力を持った子どもを里子に出すと、一生暮らすのに困らない金額で取引されるケースも、稀にあるらしい。なんにせよ4人は生まれた時から特別だったんだ。」


「まあ、それはあの4人が強いはずだ。」


「さて、今日のお話はこんなものかな。バーベキューに戻ろうか。」


バーベキューに戻る。


しかし、料理はほとんど平らげられており、若干の野菜とチーズが残っているだけだった。


トウヤが口をひらく。


「いやー、食ったな。スープはヤバかったけど、それ以外は良かった。」


ナツキが口をひらく。


「あの唐辛子そんな辛かったんだ、確かに世界一の唐辛子って言ってたけど、辛さの事だったのか。」


自分がナツキに話しかける。


「なんで、辛いってところ抜けたんだよ。確認しとけよな。」


ナツキが頭を掻きながら口をひらく。


「いやー、なんでだろうね?世界一って言葉に気を取られたというか。」


みんなで、バーベキューの片付けを始める。


そして、片付けが終わり、ナチュラル村の各自の家に帰る時間になる。


自分は自然な流れでナツキの家にお邪魔しようとする。


するとナツキが口をひらく。


「なんであんたがついてくるのよ。」


「あ、ごめん。いつもの流れで。」


レイジが声をかけてくる。


「キッド、僕の家にくるといいよ。」


レイジについていく。


レイジの家に着いた。


レイジが口をひらく。


「キッド、今日は先生とどんな話をしたんだい?」


「そうだな、ナチュラル村の話しとか、魔力を持った子どもの話しとかだな。」


「じゃあ国狩りの話しはしてないんだな。」


「うん、してない。」


「じゃあ、俺から国狩りについてわかった事を話そうか。と言っても名前ぐらいだけどね。」


「俺に話してくれるのか?」


「まあ、みんなにも話すけどね。まず名前はヴィルヘルム・アンダーブレード。青ノ国の事件書類を見てたら偶然見つけたんだ。しかし、それ以外は謎に包まれたままさ。」


「ヴィルヘルム・アンダーブレードか。」


「しかしだ、ヴィルヘルム家の文献が見つかった。国狩りがヴィルヘルム家の血筋で有るならば、大昔から強い魔力を保有する一族であるという事だ。」


「ほう、でも強い魔力で言えばこの世界には結構居るんじゃないか?」


「いや、ヴィルヘルム家は異常だ。こう書いてあった。強い魔力を保有しすぎるため、歴史から消すべき対象であると。魔法がありふれた世界でこのように書かれているのは、それがどれだけ異常なのかがわかる。」


「歴史から消す?」


「今もそうだけど強い魔力を持ちすぎると嫌われる傾向があるからね。」


「なんか先生の話しでそんなのあったな。」


「強い魔力を押さえるにはさらに強い魔力が必要だ。だから魔力ってのは使い方次第で善にも悪にもなる。だから、ヴィルヘルム家が悪の方向に向かうのを恐れていたんだと思う。」


「ヴィルヘルム家は悪だったのか?」


「そこまではわからない。まあ、そんな情報が見つかったって事を伝えようと思ってね。」


「わざわざ俺に話してくれてありがとうね。」


「キッドは頭が良いって噂だからね。知ってもらう事でさらに国狩りの情報を持ってきてくれたらいいなってね。」


「いやいや、そんな期待しないでね。」


「まあ、今日はそろそろ寝ようか。」


その日は眠りにつく。


翌日、みんなは広場に集まっていた。


先生が口をひらく。


「いやー、今年もみんなで集まれて楽しかったよ。来年も楽しみにしてるね。」


ナツキが口をひらく。


「そうねー、来年は唐辛子持ってこないように注意するわ。」


トウヤが口をひらく。


「キッドの肉は良かったぞ!来年も頼むな!」


レイジが口をひらく。


「なあ、昨日キッドには話したんだけど国狩りについての話しなんだけど、良いかな?」


ナツキが口をひらく。


「どんな話し?教えてよ。」


レイジが昨日自分に話してくれたことを話す。


話しを聞き終わり先生が口をひらく。


「ヴィルヘルム家か、最強の魔法使いの一族だね。」


レイジが口をひらく。


「先生知ってるの?」


「まあ、歴史の話しでは有名だね。ただ、ヴィルヘルム家は世界から迫害を受けて滅びたはずなんだよね。」


ナツキが口をひらく。


「滅びたって事は違うんじゃない?」


先生が口をひらく。


「まあ、歴史の話しではね。実際はどうか知らないよ。」


イチノハが口をひらく。


「一般的な歴史は、言い伝えのために作られている話しもあるわ。真実は隠されている物だから。」


先生が口をひらく。


「まあ、本当に国狩りがヴィルヘルム家の血筋なら、昔の伝説と戦うことになるね。危険だと思ったら引く事も立派な戦術だよ。」


レイジが口をひらく。


「いずれにせよ、国狩りが恐ろしい力を持っているのは事実だから、みんな勝手な行動しないで、何かわかったら都度相談しようね。」


そして、それぞれの国へ戻る時間が迫ってきた。


先生が口をひらく。


「さて、キッド君はこれからどうする?」


まあ、このまま赤ノ国へ戻ってナツキと生活するのも悪くない。


だが、一年毎に拠点を変えてみんなのお世話になっている。


流れ的にレイジについて行こうかと考えている。


自分はレイジに声をかける。


「レイジ、もし良かったら付いていっていいかい?」


レイジが渋い顔をして話しかけてくる。


「悪いけど僕と一緒に行動するなら自分の身を守れないと死んじゃうかもよ?それに僕もまだ自分の身を守るのがやっとだから。」


レイジはどんな危険なミッションをこなしているのだろうか。


何かと理由をつけられて断られる。


イチノハが口をひらく。


「それなら私、緑ノ国で医療部隊やってるから医療学んでみる?戦場に出向くこともあるし、医療の知識や戦場の事詳しくなれば自衛できるんじゃない?」


これは熱い。


姉系美人のイチノハとの生活は一番望んでいた。


是非ともご一緒したい。


レイジが口をひらく。


「まあ、その辺を学んでくれれば連れて行ってもいいかな。」


自分は嬉しさで爆発しそうな感情を押さえてイチノハに声をかける。


「ふ、ふつつか者ですがよろしくお願いします!」


イチノハが話しかけてくる。


「なんかよく分からないけどちゃんと勉強してね?私も紹介する立場があるから。」


そしてイチノハのワープストーンで緑ノ国へ向かう。

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