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自分のレベル

ギルドハウスに到着し、早速ミッションを受注する。


Cランクの闘技場清掃というミッションを受注する。


現地集合してから開始との事なので闘技場へ移動する。


そこには5人ぐらいだろうか。


年代も性別もバラバラの5人がいた。


時間になり清掃を開始する。


清掃箇所は主に広い闘技場の床の清掃だ。


面積が広いので緩くない。


掃除をしていると16歳ぐらいだろうか。


少年が声をかけてくる。


「なあ、他の人が掃除やってるから俺たちこっそりサボらない?バレなきゃ金だけ入ってくるしさ。」


自分は掃除の手を止めず少年に話しかける。


「いや、俺は普通にやるよ。サボりたいなら一人でサボればいいじゃないか。」


少年が不満そうに話しかけてくる。


「なんだよ。せっかく声かけたのに。真面目か?」


こういった人物は告発した方が良いのだろうか。


特に被害があるわけでもなく、面倒事は避けたいので、無視する事にした。


ミッションも終わり、ナツキの家に帰宅する。


帰宅すると押し入れの扉が無理やり詰め込まれた衣服の重さに耐えられなかったのだろう。


衣服がだらしなく飛び出している。


仕方がないので、衣服をたたみ、押し入れの中も整理しようとする。


しかし、押し入れの中があまりにも汚すぎる。


あらゆる物が無理やり詰め込まれている。


「汚すぎる…」


思わず呟きつつも、押し入れと衣服を片付けて行く。


するとウサギのぬいぐるみが現れる。


これが昔言ってたウニちゃんかな?


ファッション雑誌も出てくる。


掃除機が出てくる。


あらゆる物が詰め込まれている。


掃除をしていると急に眠気に襲われる。


そう言えば昨日は眠れなかった。


家主のナツキは数日家に帰ってこない。


なので、片付け途中のスペースをそのままにして今日は眠る事とした。


そして次の日。


今日は昨日やりかけていたナツキの部屋の掃除を行う事とした。


ミッションはたまに休もうかと思う。


ある意味この部屋の掃除はミッションより大変だ。


ついでなので、今日は掃除用品を買ってきて、排水溝、風呂場、トイレなどを掃除しようと思う。


ホームセンターに買い物に行き、清掃用品を一式揃える。


まずは昨日手をつけた衣服と押し入れの掃除だ。


やりかけなのもあり、イメージはつかめているので予想より早く片付ける事が出来た。


当然下着も綺麗に収納する。


次に排水溝だ。


買ってきた漂白剤をぶっかける。


排水溝は浸け置きで良いだろう。


次にトイレ掃除だ。


これがトイレを借りた時に思ったが中々に酷い。


匂いもかなり強烈だ。


これは徹底的に行う。


ブラシでかなり強く擦らないと消えない黒ずみと戦う。


それでもこびりついた黒ずみは完全に取れない。


ここでも得意の浸け置きだ。


仕方ないだろう。


そしてお風呂掃除だ。


風呂釜の端とお湯を入れた時の線が水垢としてすっかり浮き出ている。


一年間掃除をしないとこんな状態になるのか。


風呂場を専用の洗剤を使って掃除をする。


風呂場は結構綺麗になったようだ。


なんだかんだで掃除に半日使ってしまった。


今日のご飯はカップ麺にしよう。


家主の居ない家を綺麗にしたのは初めてだ。


そして翌日ナツキが帰ってくる。


ナツキが家の扉を開ける。


「あー、疲れたー、あれ?なんか部屋綺麗になってない?」


「そうだよ。時間あったから掃除したんだ。」


「ありがとー!ってもしかして押し入れ開けたの?」


「押し入れも掃除したよ。」


「えー!?そこまでしなくても良かったのに!恥ずかしいわ!」


「ちゃんと服も畳んでおいたよ。」


ナツキが押し入れを開ける。


「えー!めっちゃ綺麗になってる!って下着まで綺麗に収納されてるんですけど!マジで恥ずかしいんですけど!」


「ああ、Bカップって書いてあったな。」


「言わんくてもわかってるわい!」


「押し入れだけじゃなくてトイレとかもやってるぞ。」


ナツキが隅々まで確認する。


「ほんとだー!めっちゃ綺麗!でも恥ずかしいんですけど!」


ナツキがへなへなと座り込む。


そして細々とした声で呟く。


「ありがたいけど、恥ずかしさが半端ないわ…」


自分も座り込んで呟く。


「ミッションより大変だったわ…」


そしてその日は眠りにつき、翌日。


ナツキが目を覚ます。


「おはよー。今日は推薦状出しに行くわ。」


「おー、ありがとう。」


「いやー、しかしなんか一線を超えられた感じしてムズムズするわ。」


「まあ、下着のサイズも裸も見てるからな。」


「言わんでええわ!出禁にするわよ!」


「ごめんなさい、ごめんなさい。」


そしてギルドハウスへ向かう。


そこにはサバトが椅子に座っていた。


ナツキが声をかける。


「サバトさん。これからミッションですか?」


「ああ、今はその待ち時間だよ。推薦状はもうだしてあるよ。」


自分はサバトに声をかける。


「なんか会ったばかりなのにすいません。お手数おかけしました。」


サバトは立ち上がり声をかけてくる。


「丁寧な子だね。いや、いいんだよ。ナツキちゃんのお願いだからね。きっと小隊長になる素質があるからナツキちゃんがお願いに来たんだろう。」


自分は恐縮しながらサバトに声をかける。


「いやいや、本当に貧弱ですから。推薦されるのも恐縮ですよ。」


サバトがこちらを見つめながら声をかけてくる。


「ナツキちゃんとはどんな関係?もしかして恋人?」


ナツキが顔を赤くしてサバトに話しかける。


「いやいやいや、ただの友達ですよ。恋人なんてあり得ない。なんというか同じ村から来たんですよ。」


恋人なんてあり得ない。と、そこまで全否定されるとさすがに落ち込む。


サバトがナツキに声をかける。


「へえー、同郷のよしみってやつか。ナツキちゃんの戦闘能力みたら、周りの子もすごく強いんだろうなって思ってたけど、話を聞く限りそうじゃないみたいだね。」


ナツキが返事をする。


「私の周りでは珍しく魔法が使えないんですよ。けど、色々とやってくれて、悪い子じゃないんですよ。」


サバトがナツキに声をかける。


「そうか、ナツキちゃんが最速で中隊長になったのはナツキちゃんが強いってわけだ。ちなみに推薦状は何事もなければ翌日には承認されるはずだよ。小隊長くらいなら厳しく審査もしないだろう。」


ナツキが声をかける。


「そんな早いんですね。承認されるの。」


サバトが受付へ向かって歩き出す。


「もうそろそろ時間だから行くよ。またよろしくね。」


ナツキは最速で中隊長になったらしい。


流石の実力だ。


そうなるとレイジも同じくらいだろうか。


その日、自分とナツキはそれぞれミッションをこなして家に帰った。


その日の晩ごはんはハンバーグを作ることにした。


ハンバーグをナツキに振る舞うととても喜んでくれた。


「おいしー!キッド料理上手だね。外食行かなくても美味しいご飯出るって最高!」


「喜んでくれて嬉しいよ。その代わり戦闘では守ってくれよな。」


「わかったよ。キッド弱いもんね。」


その日は眠りにつく。


翌日自分とナツキはギルドハウスに向かい、推薦の結果を聞きに行く。


受付の屈強な男性に声をかける。


「すいません、昨日小隊長に推薦されたキッドと言いますが結果は出てますか?」


「なに?キッド?ちょっとまてよ?えー、お!小隊長に認定されてるぞ。バッチを受け取りな。」


これで小隊長になったようだ。


早速ナツキがAランク。自分がBランクのミッションを探す。


ナツキが口をひらく。


「私が指揮官のミッションを選べばいいのね。どれどれ。」


モンスター大量討伐がメンバー参加がBランク。指揮官がAランクだ。


戦闘系だが、ナツキが居れば安心だろう。


モンスター大量討伐のミッションにする事にした。


ミッションの開始時間になる。


パーティーが自分とナツキを含め5人。


ナツキが挨拶をする。


「本日指揮官をしますナツキです。よろしくお願いします。今日は農作物を食べ散らかすとのことでプギーの巣を撤去したいと思います。」


プギーというモンスターの大量討伐のようだ。


各自自己紹介を済ませ、現地に向かう。


だいぶ中心部から離れたところまで来た。


もう間もなくプギーの巣に到着する。


見える範囲にイノシシのようなモンスターが見える。


メンバーの一人が飛び出す。


「あれがプギーだ。早速狩るぜ。」


それに続きナツキも飛び出す。


自分はナツキについていこうとするが速度が速すぎる。


遅れぎみに続く。


すると、一匹のプギーを他のメンバーが倒したとたんに大量のプギーが現れる。


自分は思わず後方に下がる。


「ちょっと多すぎないか?とりあえずナツキを探さなくては。」


ナツキが次々に現れるプギーをなぎ倒している。


それを見つけナツキの近くへ向かう。


こういったのは強者の近くが一番安全だ。


自分はナツキのサポートになるかと思い声を出す。


「ナツキ!右からきてるぞ!次は左!」


ナツキが声をかけてくる。


「わかった!そのまま続けて!あんたも近くのやつ倒しといて。」


残念だが、自分は小型モンスターも倒せない。


ひたすら逃げるのみだ。


続けてナツキに声をかける。


「また右から来てるぞ!うわっこっちきた!」


自分はプギーに弾き飛ばされる。


ナツキが助けにくる。


「あんたなにやってるのよ!仕方ないからあんたの周りのやつ倒してあげる!」


実に頼もしい。


自分はお言葉に甘えてナツキに助けてもらう。


そうしている間に大量のプギーを倒したようだ。


ざっと見てナツキは50匹は倒しているだろう。


当然自分は0匹だ。


ナツキが声をかけてくる。


「あんた逃げてるだけだったじゃない。少しくらい倒しといてよ。」


「すまんな。戦闘はマジで無理なんだ。」


その後の巣の撤去は真面目にやった。


ともあれ無事にミッションが終わった。


ナツキが声をかけてくる。


「小隊長初のミッションはどうだった?」


「俺は逃げ回ってるうちに終わったよ。」


「今回のモンスターはたいした強くなかったから、これくらいなら倒せるようにしないとね。」


その日はそのままナツキの家に帰る。


食事を作り、お風呂に入って就寝した。


お風呂は当然だが別々に入っている。


翌日、今日はナツキ無しでBランクのミッションを受けてみようと思う。


ギルドハウスに向かいミッションを確認する。


Bランク ビッカー町 治安維持警備 指揮官


これにしよう。


経験上警備は何も起こらない事が多い。


そして自分含め4人のメンバーが集まり挨拶をする。


「小隊長のキッドです。戦闘は苦手ですが、恥ずかしながら指揮を取らせていただきます。本日はよろしくお願いします。」


挨拶も終わり隣町のビッカー町へ移動する。


そして警備を開始する。


開始して2時間ほどは何も起こらず、平和に終わってくれればいいなと思った時に町民から声をかけられる。


「こっちこっち!男二人が喧嘩してるんだ!止めてください!」


そのように声をかけられて呼ばれた方向に行くと確かに殴り合いの喧嘩をしている男二人がいた。


自分は意を決して喧嘩している男達に声をかける。


「君たち!喧嘩はやめなさい!」


男の一人が殴りかかってくる。


自分は身を屈めたが、屈めたせいで後頭部にパンチを食らう。


とても痛い。


だが、喧嘩を止めなくてはいけない。


自分は一人の男に飛びかかるように身柄を拘束しようとする。


するともう一人の男が蹴りを放つ。


「邪魔なんだよ!ボケ!」


その蹴りが自分の脇腹にヒットする。


とても痛い。


あまりの痛みにうずくまる。


すると他のメンバーが止めに入る。


もみくちゃになるがなんとか喧嘩は止められたようだ。


するとメンバーの男性一人がみんなに聞こえるように呟く。


「小隊長弱すぎません?俺たちで止められる喧嘩止められないなんて情けないですよねー。」


その言葉を聞き悲しいというか虚しい気持ちになる。


確かに弱いが自分は勇気を出して止めに入った。


すると他のメンバーの女性も話し出す。


「小隊長って試験受かってるんでしょ?こんなに弱いの?」


その言葉がグサッと刺さる。


ともあれミッションは続けなくてはいけない。


持参したポーションを傷口にかけミッションを続ける。


雰囲気は険悪だ。


ミッションが終わり締めの挨拶をしようとする。


するとミッション中、弱すぎないかと呟いた男性が口をひらく。


「あー、挨拶とかいらないっす。もう二度と指揮官やらないで下さいね。頼りないから。」


反論したくなる気持ちをグッと押さえる。


なんだか泣きたくなってきた。


こんな気持ちは仕事で、昇進したての頃に仕事のミスをして会社に迷惑をかけた時の気持ちに非常に似ていた。


異世界にきて、自分よりも年下の人たちに侮辱されるなんて、なんと惨めなのだろうか。


もう一人でBランクミッションを受注するのは辞めよう。


もっと頑張ろうという気持ちよりも、もうダメだという気持ちが上回っている。


自分は元からネガティブだ。


基本的に困難からすぐに逃げる性格だ。


無理はしない。それがモットーだ。


なんとか自分を正当化しようとする。


そんな落ち込んでる時にミッションが終わったのだろう。


ナツキが声をかけてくる。


「キッド、ミッション終わったの?ねぇ、今日はどんな料理作ってくれるの?私毎日楽しみにしてるんだから!」


ナツキとしては何気ない一言だったのだろうが、弱ってる自分には、自分の作る料理を毎日楽しみにしてくれる人がいるんだ。という事がなんとも愛おしく思えた。


自分はナツキにすがり付きながら泣き出す。


「ナツキ!お前はいいやつだ!これからも仲良くしてくれよー(泣)。」


ナツキは驚いた表情で声をかけてくる。


「ちょっと!急にどうしたの!?私困るんだけど!」


自分は泣き止みナツキに説明をする。


「いやー、実は指揮官でミッションを受けてな。警備をしてたのよ。そしたら喧嘩している人達がいて止めようと思ったんだけど止められなくてな。その事をメンバーからバカにされて落ち込んでたんだよ。」


ナツキがうなずきながら話しかけてくる。


「それは確かに落ち込むわね。でもキッドが弱いことも原因よね。バカにされないくらい強くなれば良いじゃない。」


「それが出来れば苦労しないよ。俺なんて魔法使えないし、戦闘も出来ないし、ダメダメだよ。」


「弱いことを言い訳にしてない?強くなろうとしないとダメよ。男なんだからしっかりしなさいよ!」


「でもどうすれば…」


ナツキが自分の顔を覗き込みながら話しかけてくる。


思ったより顔が近くてドキドキする。


「私が稽古つけてあげようか?」


「それで強くなれる?」


「それはあんた次第よ。」


そう言われ、翌日からナツキに稽古をつけてもらう事にした。


ちなみに今日の晩ごはんはカレーライスを作った。


ナツキは大皿で2杯を食べ尽くした。

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