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男女二人

ナツキのワープストーンで赤ノ国に到着した。


自分のワープストーンを確認すると赤ノ国デルウェア市と表示されている。


風景は近代的な住宅が並びつつ、高い建物はお城だろう。人通りもそこそこあり、大きな街だという事が伺える。


ナツキが口をひらく。


「ここが私の住んでいる赤ノ国デルウェア市よ。赤ノ国の中心部で魔法軍の本隊もあるわ。」


自分が口をひらく。


「大きい街だね。住みやすそうだ。」


「そうね、住んでいて不自由は無いわ。ただ物価が少し高いみたいだけどね。」


「そうか。まあ、中心部って事だもんな。」


ナツキが指を指しながら口をひらく。


「早速だけど家貸家に案内するわよ。まずは住むところ決めなきゃね。」


そして、案内されるがまま家貸家に到着する。


「いらっしゃいませ。」


そこには小綺麗なお姉さまが窓口に立っていた。


早速声をかける。


「すいません、独り暮らしの家を探しているのですが。」


「はい、部屋はワンルームですか?1LDKですか?」


「とりあえず1LDKの物件見せてもらえますか?」


「どうぞ、これから入居できる家はこちらです。」


その値段を見てびっくりする。


どこも月20万G前後の部屋ばかりだ。


それを見てワンルームも見せてもらう事にする。


「すいません、ワンルームも良いですか?」


「もちろん。どうぞ、こちらです。」


ワンルームも高い。月15万G前後だ。とても自分の稼ぎでは払えそうにない。


自分とナツキは一度店を後にする。


自分はナツキに申し訳なさそうに声をかける。


「ちょっとこの街の家賃は自分には高いみたいでさ、そこで相談なんだけど、絶対変な事しないからナツキちゃんの家に居候させてくれないかな?家賃は払える範囲で払うからさ。」


ナツキが考えながら口をひらく。


「うーん、でもミッションこなしたらなんとかならない?2等兵だとやっぱりつらい?」


自分はもう一押しという感じで声をかける。


「さすがに2等兵の稼ぎじゃきついものがある。家事とかもするからさ、なんとかお願い出来ないかな?」


ナツキが歩きながら口をひらく。


「うーん、とりあえず今日のミッション見て決めたら?国が違えば報酬も違うかもよ。」


それはその通りだ。


自分とナツキはギルドハウスへ向かう。


ギルドハウスに到着したが、国が変わったら等級は変わるのだろうか。


そんな疑問を持ちながら受付へ向かう。


受付には屈強そうな男性が立っている。


受付に声をかける。


「すいません。他の国で2等兵やってたんですが、この国で手続きとかいりますか?」


「ん?いや、別に等級はどの国も共通だから特にいらないぞ?ミッション受けるのかい?」


特に手続きはいらないようだ。


自分はミッションを眺めるがCランクミッションは黄ノ国と内容もさほど変わらず、報酬も違いが無い。


とりあえずミッションを受けて、ミッション終了後にナツキと合流する。


ミッションが終わりナツキと合流した。


ナツキに声をかける。


「いやー、ミッション受けてきたけど、報酬もそんなに変わらなくてやっぱりお金厳しいみたいなんだけど。」


「そうなんだ。まあー、仕方ないわね。必要な物は自分で用意してね。特別に部屋に住まわせてあげる。その代わりぜっったい変なことしないでね?したらぶっ飛ばすから。」


ナツキにぶっ飛ばされたらそれは死だ。


自分もそこはわきまえている。


ナツキがワープストーンを出して声をかけてくる。


「私の部屋、ワンルームで狭いし散らかってるけど文句言わないでね?」


「そりゃもちろん。住まわせてもらうんだから文句言わないよ。」


ワープストーンでナツキの家に移動する。


ナツキが家の扉を開け、それに続く。


部屋の中はだいぶ散らかっており、見た限り衣服がかなり散らかってる。下着も無造作に床に転がっているのが見える。


ナツキがはっとした顔で自分を家の外に追いやる。


「ごめん!片付けるから10分くらい待ってて!」


自分はナツキの家の前で待つ。


だいぶ豪快な物音が聞こえる。


しばらくして扉が開く。


ナツキが部屋に手まねきする。


「とりあえず人が上がれるくらいになったわ。入って良いわよ。」


ナツキの部屋に案内される。


なんとなく片付いた感じはするが、押し入れの中はどうなっているのだろうか。


押し入れの扉が閉まりきっておらず、詰め込まれたであろう衣服が見える。


ナツキが声をかけてくる。


「とりあえず座って。飲み物ぐらいなら出せるけど、牛乳で良い?」


「うん、いや、全然気を使わないで良いよ。むしろなんか手伝おうか?」


「いや、いいの。大丈夫。」


牛乳が運ばれてくる。


「とりあえずシャワー入りたいから、入ってくるけど絶対覗かないでね?」


「覗かないよ!ぶっ殺されたくないし。」


そしてナツキがシャワーを浴びる。


シャワーを浴びている水の音が聞こえる。


自分はそわそわしながら正座したまま待機をしていた。


すると脱衣所の扉が開く。


そこには生まれたままの姿をしたナツキがいた。


あまり生々しい表現はしないが、その体つきは女子高生のものそのものだ。


おっさんにとってはとても嬉しいラッキースケベだ。


直後に叫び声が上がる。


「ぎゃああああ!」


自分はとっさに目を背ける。


ナツキが口をひらく。


「ち、ちがうの。居間にバスタオルとか、着替えあるから仕方なかったの!一回家から出て!」


自分は一旦家を追い出される。


しばらくすると扉が開く。


ナツキが疲れきった表情で声をかけてくる。


「いやー、ごめんごめん。いつもの感じで生活してたわ。」


「普段は風呂場から出て居間で着替えてるのか。」


「脱衣所狭いから、それに独り暮らしだからいっかってさ。ははっ。」


自分は美少女の裸を拝めたからありがたかったのである意味感謝だ。


ナツキが声をかけてくる。


「ほら、あんたもシャワー浴びて来なよ。あ、まって!シャワーちょっと確認してくるから待ってて!」


色々とあわただしい。


そして確認が終わりシャワーを浴びる。


もちろん着替えなど、一式脱衣所に持っていく。


シャワーを浴びて、脱衣所で着替えて居間へ戻る。


ナツキの寝巻き姿はずいぶん可愛らしく、くまさん柄の寝巻きを着ている。


自分は気になってナツキに質問をする。


「そういえば自炊はしてるのか?」


「いや、基本外食で、冷蔵庫に食材入ってないのよね。」


「それお金かからないか?嫌じゃなかったら俺、料理作ろうか?」


「え?いいの?それはラッキーね。全然嫌じゃないわよ。」


そうとなれば食材の確認だ。


一応、ナツキの家にある小さめの冷蔵庫を確認する。


驚くほど何もない。


あるのは口の空いた牛乳。口の空いたお菓子。冷蔵庫の端には得体のしれない萎びた食材があるだけだ。


まずは食材の調達からだ。


自分はそう思い近くのスーパーへ向かう。


時間は夜に差し掛かっており、半額のシールが貼られている物も多い。


自分は、米、ウィンナー、ケチャップ、醤油、砂糖、塩、胡椒、ニンニク、マヨネーズ、卵、牛乳、バターなど、調味料を中心に買い物を行う。


お惣菜で半額シールが貼っていたレンコンの肉詰めも購入する。


さすが中心部だけあって現実世界と変わらない品揃えだ。


食材も見覚えのあるものばかりで現実世界と大差ない。


旅をしていた時や、田舎を訪れていた時はモンスターの肉や見覚えの無い野菜などが中心だったが、この街はほぼ日本のようなものだった。


買い物が終わりナツキの家に帰宅する。


ナツキが声をかけてくる。


「おかえりー!ごはん作って!お腹空いた!」


「わかったよ。準備するから待っててな。」


なんというか、ご飯をねだる子供のようだ。


年齢的にもまだ16歳ならそんなものか。


子供が居ないにも関わらず親心が芽生える。


早速キッチンへ向かう。


しかし、キッチンを見てみるとろくに使用していないのだろう。


水垢がこびりつき、排水溝からも水の腐った匂いがする。


それを見て思わず呟く。


「ここからかよ…」


自分は意を決してキッチンの掃除を行う。


洗剤はあるのでまずはそれで掃除を行う。


スポンジや使い古した歯ブラシを使いながらなんとか掃除を行ったが、これは後日漂白剤などを用意しなくてはならない。


自分は料理する前に気になった事をナツキに質問する。


「ナツキ、今日俺がご飯作らないって言ったらご飯どうするつもりだった?」


ナツキはテーブルの端に積まれたお菓子を指差す。


「お菓子。外食しない時はいつもこんなんよ。」


「んー、住まわせてもらう側だからあんまり言いたくないけどもう少し人間らしい生活しないか?」


「一人だと色々めんどくさいの。誰にも怒られないしさ。」


もう突っ込むのはやめよう。


美少女の一人暮らしがこんな感じだとは思わなかったが、これはこれで人間味があるという事だろうか。


自分は料理を開始する。


今日買ってきた食材でオムライスを作る。


自炊をしない割にはキッチン用品が揃ってて、料理をする分には困らない。


ここで自分はまたナツキに質問をする。


「キッチン用品揃ってるけど、料理しないんだな?最初はしてたのか?」


「んー、まずは形から入ろうと思ってキッチン用品揃えたんどけど、揃えて満足してね。料理なんてしたこと無いわ。」


「はは、そうかー。そうかー。」


自分はなんと返したら良いかわからず返す返事が棒読みになる。


そうこうしている間にオムライスが完成した。


オムライスとお惣菜のレンコンの肉詰めを食卓に並べる。


ナツキがそれを見て口をひらく。


「わー!美味しそう!キッドなかなかやるわね。良いお嫁さんになりそうね。」


「いやいや、お嫁さんになるのはナツキだろ。そんな手の混んでない料理だから今度教えようか?」


「いや、それは別にいいわ。」


「はは、食べる専門か。」


ナツキがオムライスを口に運ぶ。


「うん。普通に美味しい!合格!」


何が合格かわからないが満足してくれて良かった。


そして夜も深くなり、寝る時間になった。


布団は横並びだが、お互いに壁際に配置しており距離がある。


しかし、自分はナツキの裸を見ており、ふいにその時の景色が思い浮かび、寝れたもんではない。


離れているとはいえ美少女と同じ空間で眠りにつくのだ。


何か起こってくれたらおっさん的には嬉しい。


ナツキが布団で横になったまま声をかけてくる。


「今日は買い物してくれたり、キッチンの掃除やオムライス作ってくれてありがとうね。なんか一人じゃないって楽しいわ。」


自分は半分ニヤけながら返事をする。


「いいんだよ。自分だってタダで住まわしてもらうの気まずいし。」


ナツキが思い出したかのように声をかけてくる。


「そういえばさ、せっかくならミッションも一緒に行きたくない?私と私の知り合いでキッドの小隊長への推薦状書くからさ。」


「え?別に小隊長にならなくてもミッション一緒に行けないか?」


「AランクミッションとCランクミッションって被る事ほとんど無いのよね。それならAランクとBランクの方が一緒に行けるかなって。」


「なるほどー、まあ、Cランクミッションは慣れたもんだからな。推薦状書いてくれるならありがたいかもな。」


「それなら早速明日にでも相談してみるわね。お休みなさい。」


お休みなさいと言われてもこっちは眠れないのだ。


そのうちナツキの寝息が聞こえてくる。


女の子と同じ空間で寝るなんていつぶりだろうか。


とにかく落ち着かない。


そして一睡もできないまま朝を迎える。


ナツキが目を覚ます。


寝ぼけ眼のナツキに声をかける。


「おはよう。」


「うーん、おはよう。そういえば今日は推薦状書かなきゃね。朝イチで知り合いのところ行かなきゃ。」


ナツキは起き上がりその場で着替えようとする。


自分は薄目を開けてその光景を見ようとする。


ナツキが気づく。


「あ、キッドいるわ。着替えてくるね。」


そう言うと脱衣所へ向かう。


惜しい。


このまま警戒心が無くなればおいしい思いが出来るかも知れない。


自分とナツキは、ナツキの知り合いの家に向かう。


ナツキが話しかけてくる。


「これから会う人はね、私と同じ中隊長なの。歳は少し上だけどね。優しい人よ。」


「そうかー、お世話になるからな。挨拶はしっかりしなきゃな。」


知り合いの家に到着する。


ナツキがインターホンを鳴らす。


「サバトさんいますかー?」


扉が開く。


そこには黒髪で髪型はセンター分けで耳が少し隠れるほどの長さで整っている。顔は大学生くらいだろうか、少し薄い顔で、優しい感じの顔立ちだ。服装は上はワイシャツ。下は濃いめの青のジーンズで大人っぽく見える。身長は170センチくらいだろうか。


現実世界でよく見られそうな見た目である。


サバトさんと呼ばれていた人が口をひらく。


「ナツキちゃんかい?今日はお友達を連れてきたのかな?」


優しそうな口調だ。見た目だけでいえば現代人風過ぎて魔法を使うようなイメージが湧かない。


ナツキが口をひらく。


「今日はお願いがあって来たの。今日連れてきた子、キッド君に小隊長の推薦状を書いてもらいたくて。」


サバトが自分の顔を覗き込みながら声をかけてくる。


「うーん、なんか功績とか強みはあるかい?」


ナツキが考えながら口をひらく。


「特に功績は無いと思うけど、強みかー。キッド、2等兵でしょ?何の試験受かったの?」


「俺は、戦術知識試験受かってるな。」


「じゃあ、戦術知識には自信がありますとかどう?」


サバトが口をひらく。


「その試験って90点以上で合格してる?それなら推薦状にも書けそうだけど。」


自分は点数を思い出しながらサバトへ話しかける。


「96点だったかな?90点は超えてますよ。」


サバトが驚いた表情で話しかけてくる。


「それは優秀だよ。じゃあ小隊長の推薦状に書けるね。他になんかないかな?得意な魔法とか。」


「いや、魔法は使えないですね。戦闘も苦手です。」


「そうか、まあ、苦手なところは書かなくてもいいんだけどね。一応、推薦状書けそうだから書いたらナツキちゃんに渡すね。」


あっさりと推薦状を書いてくれるようになったようだ。


後は、ナツキも書いてくれれば小隊長以上の2名以上からの推薦で、審査が通れば小隊長になれる。


飛び級というやつだろうか。


一旦サバトの家から離れ、ナツキの家に帰宅する。


帰宅してからナツキが話しかけてくる。


「推薦状ってどうやって書くのかしら?キッド書き方分かる?」


推薦される側に聞いてどうすると思いつつ、ナツキに声をかける。


「まずは書いてみたら?それ見て直すところあったら直すよ。」


「わかった。書いてみる。」


5分ほど経過し、書き終わったようだ。


その内容を読んでみる。


推薦状

キッドは試験の結果も優秀で、ミッションもたくさんやっている事から、小隊長へ推薦する。


推薦状にしては文章が稚拙過ぎる。


それに短すぎる。


ナツキに声をかける。


「いやー、書いてくれるのはありがたいんだけど、推薦状にはちょっと。」


ナツキが首をかしげながら話しかけてくる。


「ダメだったかな?どう書けばいいの?」


「もっと具体的に書くのと、言葉遣いをお堅めにした方がいいかな?」


「じゃあキッド書いて!私出す方やるから。」


自分の推薦状を自分で書くことになるとは思わなかったが仕方ない。


推薦状を書き直す事とした。


推薦状

キッドさんを小隊長に昇進させて頂きたく推薦いたします。

キッドさんは黄ノ国で一年間Cランクミッションをこなし、赤ノ国においても、その活躍が期待されます。

戦術知識試験では、合格点が70点のところ、96点で合格しており、戦術知識に関しては深い知識があり、小隊長として充分な知識を保有している事が伺えます。

キッドさんは真面目な人柄であり、ミッションを確実に遂行する能力を兼ね備えておりますので、小隊長へ推薦させて頂きたくお願い申し上げます。

赤ノ国 中隊長 ナツキ


完成した推薦状をナツキに見せる。


「おー、キッド文書書くの上手ね。いい感じね。」


「とりあえずこんなので良いのか?」


「多分大丈夫!」


「とりあえず今日のミッション行くか?」


「そうね、でも私、何日間か泊まりのミッション行こうと思ってるの。合鍵渡しとくから数日間、家のことよろしくね!」


「お、おう。急だけどとりあえず分かったよ。」


そして自分とナツキはギルドハウスへ向かう。

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