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最初で最後の恋文

 川端ハル様


 ハルに、この手紙がちゃんと届いていますか?

届いてると言う事は、おばあちゃんかお母さんが僕の願い通りにハルに渡してくれたのだと思います。


 ハル泣いてないよね?


 僕は何度もハルに伝えていた通り、ハルの泣き顔より笑っている顔が大好きです。

僕の事でハルが泣く事になったら自分のことが許せそうにありません。


 きっとハルは何が起こったか分からないと思うので今まで話すことが出来なかった事を手紙に書いてみることにしました。

 上手く、書けないかもしれないけれど最期まで読んでもらえると嬉しいです。


 ねぇハル、僕たちが初めて会った日のことを覚えていますか?

 僕は忘れることが出来ません、あの日は僕が余命宣告をされた日でもありました。

 年を越すのは難しいと言われ、まだまだ見たいもの知りたい事があるのにと思うと心が砕けかけていました。

 そんな時に、ハルに出会ったんだよ。

ハルの笑顔を見て、何もしないで諦めたくないと思えたんだ。


 お母さんの所へと戻った後、僕に残された時間が多くないならハルが居る、おばあちゃんの所で暮らしたいとお願いしたんだ。

 お母さんは最後の最後まで、頭を縦には降ってはくれなかったけれど、僕の初めての我儘に最期は諦めたように許してくれた。


 夕日に照らされてキラキラと光るハチミツみたいな髪の毛に、ひまわりみたいな大輪の花の様な笑顔を見た時から僕はまだ[終わりたくない]と思えた、ハルと一緒に居たら今まで経験した事がない楽しい事が出来そうだなと直感的に感じたから戻ってきた。


 ハルに会いたかったから……


 ハルを中心に風や雷は、こなっちゃんに亜樹ちゃん、同じ年頃の友達が出来たことも嬉しかった。

 ここだけの話、僕にはハルにしかドキドキしなかったから、こなっちゃんから好意を向けられた時は本当に嫌だったんだよ……


 その頃には僕の中で既にハルは特別な人になっていたから、余計にそう思ったのかもしれない。


 ハルの事を考えるだけで毎日が楽しくて。


 ハルとサヨナラをすると、次の日が待ち遠しくて。


 ハルと初めて唇を重ねた時は嬉しくて眠れなかった。


 ハルの事を好きになれば、なるほど別れの時が来るのが怖かった……


 けれど沢山の奇跡が重なって出会ったハルと恋人になれた事は今までの中で1番の幸せでした。

 いっぱい話をして、顔が痛くなるまで笑って、ハルの事を抱き締めて毎日、楽しかったな……


 思い残す事が無いと言うと嘘になるけど、ここに来なかったら、こんなに幸福な気持ちは知らないままだったかもしれない。


 ただ……ハルが僕より大きくなって抱き締めてくれるって約束が守って貰えないのが残念。

 僕の気持ちは待ちたいけれど、僕の身体に残された時間は無さそうです……


 ハルこれからも、ひまわりみたいな笑顔を忘れないで下さい。

 そしてハルがたくさん笑って、もう笑い疲れたと感じた時に僕はハルを迎えに行くから、そな時まで待っていて下さい。


 ハル大好きです。

 ハルを愛する事は凄く幸せでした。


 追伸

 僕の目に最後に映っていたのがハルだと嬉しいな……

 

 瀬田冬夜

今回も読んで頂きありがとうございます。

次回も読んでもらえると嬉しいです。

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