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見えない不安

 様子のおかしい冬夜の手を引きながら冬夜の家へと向かう道を歩いている時も、いつもの冬夜っぽくなかった……


「冬夜、本当に何か合ったの?」


 そう尋ねても歪んだ笑顔を見せるだけだった、

冬夜の家に着いたその時、冬夜が足元から崩れた。

 俺は驚き冬夜に声をかけるが、冬夜も動揺しているようで今にも泣き出しそうな顔をしていた。

 外の騒がしさに気付いた、冬夜のおばあちゃんが家の外へと出きて俺達に気づくと、一瞬表情が固まったように見えた。

 

「ハルくん、冬夜くんを中に入れるのを手伝ってくれる?」 


 おばあちゃんに言われてら冬夜とを部屋へと運んだ、俺とおばあちゃんでは限界があり入って直ぐの部屋に座ってもらう形になった。


 今にも冬夜の艶めいた黒い瞳から涙がこぼれ落ちそうで俺は冬夜を抱きしめると、大丈夫だから!ずっと一緒にいるから!そう冬夜に言っていた。

 ハル……そう言いながら俺の背中に回した手が震えていたようだ。

 この状況は何なんだ……不測の事態に頭が混乱していると、おばあちゃんにハルくんの、お父さんはご在宅か分かると聞かれ、居るはずと伝えると、急いで呼んできてくれると頼まれた。


 俺は、冬夜と離れたくはなかったけれど俺の知らない何かが起きていると思い、冬夜に断りを入れて家へと走った。



 ✽✽✽✽


「父さん!」


 玄関を開けると同時に、自分でも驚くほどに大きな声がでた。

息が切れて、その後の言葉を発しようとしても空気が抜けて言葉にならなかった。


「ハルお帰り、海はどうだったって何かあったのか?」


 呑気な父さんの声に安堵感を覚えた。

そして何かを考えている素振りを見せていたが、早く冬夜の家に連れていきたい気持ちながらも言葉が上手くだせずに、唯一だせたのが父さん!だった。


 何かを察した父さんは母さんに往診鞄を持ってくる様に伝えると俺を座らせた。

 そして背中を撫でながら、ハル深呼吸をしてごらんと声をかけてくれた。

何度か深呼吸をすると落ち着いてきて、父さんに今までの事を話すと、ハルは風呂に入って母さんと待ってて欲しいと頼まれたら、嫌とは言えなかった。


 冬夜に一緒に居ると言ったのに……俺は家で待つことしか出来ないことが出来ない自分に不甲斐なさを感じた。


 父さんが自転車に飛び乗って出ていってから、どれほど時間がたったのだろうか?

 待っても待っても、時計の針はあまり動いてないように感じた。


 時計の短針が2週ほど回った頃、自転車が止まる音がして急いで玄関まで向かうと、いつもと変わらない父さんが、そこに居た。

 父さんは母さんに往診鞄を渡している所だった。


「ハルただいま」


 父さんの、いつも通りの顔を見ても何故か不安を拭い切ることが出来なかった……

 父さんは何かを考えた後に、風呂から出たら少しハルの部屋で話をしよう。


 悪いことばかりを考えてしまい、それが父さんによって決定打になってしまうのが怖いとも思ったけれど俺は頷いた。


 自分の部屋で父さんが来るのを待っているのだけれど、海で遊んでいた時はあんなにも早く過ぎた時間が今は何倍もの長さを感じる。


「ハル?」  


 襖の先から声がかかり俺は襖を開けると、お盆に麦茶と茶菓子わや乗せた父さんがそこに居た。


「夜はお菓子はダメなんじゃないの?」


 そう尋ねると、今日は特別なと笑顔を見せて、まずは座ろうと促された。

 向き合う形で腰を下ろすと、さっきまでヘニャっとしていた父さんの表情が、変わった。


「ハル、まずは父さんがハルに教えてもらいたい事がある、その話を踏まえたうえで、ハルが聞きたいことに答えれる事は答える、ハルが言いたくないことは言わなくても良いからな。」


 俺が聞きたいのは冬夜の事以外はない……


 けれど、冬夜の事を冬夜本人から聞かずに父さんに聞く事は本当に正しい事なんだろうか? 

 けれど、あの時の冬夜の状況が気にならないと言ったら嘘になる。

 自分の中で少し悩んだ結果、父さんに言えないことも、あるけど話せる事は話すと伝えた。

 その返事を聞いた父さんは受け取りづらい表情をしていた。


 そして一呼吸おいて、父さんは口を開いた。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。


3連休という事で3日間更新したいとおもっていますので次回も読んで頂けると嬉しいです。


もしよろしければ☆やいいねして頂けると作者のモチベが上がります。

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