海の広さと開放感
海へと着くと、私物と西瓜を日陰へと置くと、俺は着てきたシャツとズボンを脱ぎ捨て、一目散に海へと飛び込んだ。
服の中に水着を着てきたのは正解だと思いながら、荷物を置いてきた場所を見ると、雷が全裸でこちらに走ってこようとしているのを、風に咎められているようだった。
「冬夜!早く来いよ!気持ちいいよ!」
そう声をかければ、ニコニコしながら走ってくる姿を見て顔が整っている人はどんな格好でもさまになってるんだな、俺の彼氏は格好良いなと顔が緩んだ。
「ハル!」
そう言いながら抱きついてきた冬夜を支えきれずにお互い海に沈んでしまったが、海中から顔を出したタイミングが同じでお互い笑ってしまった。
いつもより触れ合う部分が多いからか……ドキドキと胸の鼓動がいつもより早まった気がした。
俺とは違って白く透き通った肌を日に焼くのは勿体ないなと思いながらも無意識のうちにマジマジと見ていたようで、冬夜に僕の体そんなに好きなの?そう聞かれ誤解を解くのに大変だった。
「僕はハルの体好きだけどね……」
そういうと、いたずらっぼい笑顔を見せると水着に隠れていな
い俺の敏感な部分を両手人差し指で軽く突き刺された俺はヒャッと変な声がでてしまった。
冬夜は笑顔を浮かべたまま今まで見たことのない俊敏な動きで雷たちの居る浜辺へと逃げていつた。
わなわなと震えている今の俺の顔は真っ赤になっていると思う……それが日差しの暑さからなのか、冬夜に触れられたからかは分からないけど……多分、後者だろう。
海から浜辺へと冬夜を追いかけるけれど、波に足を掬われたりワカメが絡まり中々、浜辺へとたどり着けなかった、そんな俺の姿を雷はフルチンで爆笑してた。
そんな雷に、さっきまで不穏な空気をお互いに纏っていた風と冬夜が雷に水着を着ることを勧めているようだった。
その状況を見て、少しだけ胸が痛んだ……
今の冬夜と風のように、いつか亜樹ちゃんとも話せる時がくると良いな……。
俺がやっとの思いで浜辺へとたどり着いた時、冬夜に押さえられた雷が風に海パンを履かせられていた。
雷は、俺は生まれた姿のままで海を感じたいんだと騒いでいた。
風の心境的には複雑なんだろうな……と思った時、風は生まれたままの姿は俺だけに見せておけ、と真顔で諭していて、思わずそっち?と声が出てしまった。
その後は、源さんから貰った西瓜で西瓜割りをして食べたり、海へと入り涼んだりと全力で遊んだ。
そして空がオレンジに染まってきた頃に各自、帰る準備の時に俺はパンツを持ってくるのを忘れてことに気付いた。
雷は生まれた姿で帰れば?と俺に言うと、冬夜に足を踏まれていた。
俺は海パンの上にシャツを着ながら冬夜へと視線を向けると名残惜しそうな顔をしていたので、俺と冬夜はもう少し残ることにした。
眠くなり始めた雷にしっかり歩いてと口では厳しそうな言い方をしているけれど目には優しさが溢れていた。
風の気持ちを聞いた時、好きには色んな形があることが知れた……。
「ねぇ……なんで風の事ばかり見てるの?」
後ろから冬夜の声がして後ろから抱きしめられた……
回された手がお腹の辺りに触れるとドキンと胸が高鳴った。
「冬夜の事も見てたよ……」
「僕だけを見てほしい……」
そう言うと、お腹に回された腕に力が込められたのが分かった。
冬夜によって、砂浜に腰を下ろす事になったけれど後ろから抱っこされてる事を実感すると顔が熱くなるのを感じた。
俺の肩に冬夜の髪がサラサラと撫でつけるのをただ感じていた。
「ハル……僕のことを面倒くさく思っても嫌いにならないで欲しい……ずっと一緒に居たいけどハルが1人になりたい時は話して欲しい。」
冬夜の話す意図は掴めなかったけど、冬夜の中で何か不安に思う事があったのだろうか?
俺は冬夜の腕の中でモゾモゾと動くと向かい合い、冬夜の顔を両手で触れると俺の方へと顔を向けた。
「冬夜……何かあったの?」
そう尋ねれば、冬夜はただ一緒に居たいと言うだけだった、その表情が何故か苦しそうに見えた。
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