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再会

「ハルおはよう!」

 後ろから声を掛けられて振り向くと、風と雷が後ろから手を振りながら近づいてきた。


今までは、ここに亜樹ちゃんと小夏ちゃんが居たから少し寂しく感じた。


「嵐のような小夏ちゃんが居ないと、なんだか物足りなく感じる」

 そう雷が言うと

「亜樹ちゃんが居ないのが地味にツラい………」

 そう風が便乗した。


「なんだか寂しいって言うか、上手く言えないんだけど何かが………足りない気がする」

 そう俺が言うと、2人は分かる!!と声がハモっていた。


今まで当たり前だと思っていた事が、当たり前な事ではなかったとヒシヒシと感じながら、教室へと入ると今までより広く感じた。


亜樹ちゃん達3年生が卒業して新たに新入生が入らないから当たり前なのかもしれないけれど、やっぱり少し寂しく感じた。


「おはよう!みんな早く席に座って」

 そう言いながら教室に入ってきた先生の後ろからは、見覚えのある1人の生徒が付いてきた。

俺も雷も風も思わず声がでてしまった。


冬夜なんで、ここに?


そんな俺達を見て先生は、とりあえず席に着いてと俺達を促した。

そして、どや顔をしながら黒板にデカデカト冬夜の名前を書くと、今年から卒業するまで一緒に勉強する事になったから、仲良くするようにと言うと冬夜に挨拶を勧めた。


瀬田せた冬夜とうやです、これからよろしくおねがいします。」

 そう挨拶をする笑顔の冬夜を見て、これからは一緒に居られると思うと嬉しさのあまり、胸がドクドクと高鳴った。

雷も風も驚きのあまり、目がいつもの3倍ぐらい大きく見開かれていた。


冬夜の席はハルの隣なと、そう言われた冬夜はニコニコしながら俺の隣の席へと座った。


「ハル、ひさしぶりだね」

 そう話す冬夜の事を、俺は口を半開きで見ていたらしく笑われてしまった。


早く授業が終われ!そう思っていたけれど今日は進級式だけだったから直ぐに帰りの時間となり、冬夜を囲む形で俺たちは話をしていた。


「ハル、雷、風、皆から貰った手紙の返事をかけなくてゴメン、向こうに帰ってから少しバタバタしつつ、こっちへの転校の準備とかあって、転入はサプライズにしたがったのも有るけど」

 そう話す冬夜の顔を見ているだけなのに、嬉しさのあまりに涙が出そうだった。


冬夜と会ったら話したい事が沢山有ったのに、今は言葉が出てこず中途半端に笑うことしか出来なくて、もどかしい気持ちになったその時、廊下がやたら騒がしくなったと、思ったら亜樹ちゃんと小夏ちゃんが遊びに来たみたいだった。


「風!雷!ハル一緒に帰ろう」

 そう言いながら教室に入ってきた小夏ちゃんは冬夜の顔を見るや否や、叫び声を上げた。


後から入ってきた亜樹ちゃんに、大きな声を出してはだめだよと注意をされるも、口をパクパクする事しかできず、小夏ちゃんの視線の先に居る冬夜に気付いた亜樹ちゃんは、今まで見たことがない表情をしていた。


「えっ?冬夜?本物?」

亜樹ちゃんの質問に冬夜は本物だよ、おばけじゃないよ足もあるしと、いたずらが成功した子供の様な顔をしていた。

今だ口をパクパクしている小夏ちゃんを見て、冬夜は思い切り吹き出してしまった。


「お・おんなの子の顔を見て吹き出すなんて失礼じゃないの!!」

赤い顔をして小夏ちゃんは抗議をしていたが、冬夜はゴメンゴメンと言いながら、ちっとも悪いと思ってなさそうな笑顔を浮かべていた。


そんな冬夜の態度に小夏ちゃんの怒りのパラメーターが上がり収集付くか心配していたが亜樹ちゃんがなんとか、なだめてくれて事なきを得た。


これからは冬夜も、含めてみんなで過ごせる事に毎日が充実して楽しいだろうと、この時の俺は期待に満ち溢れていた。

物凄く久々の更新となりましたが、最後までよんで頂きありがとうございます。

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