何気に似ている2人
2人に見られたことへの羞恥心から、俺は顔を上げる事が出来なかった……。
しかも完璧に腰が砕けてしまい立ち上がる事が難しそうだった。
「ハル大丈夫?」
面白いものを見たと言うような笑顔を浮かべた風が俺に手を差し出したその時、冬夜が思い切り風の手を叩いた。
「触らないで!」
冬夜の聞いた事がない声色に地べたへと座り込んでいる俺はなすす術もなく、雷は顔を覆っていた手を両頬にあてながら膝をガクガクと震わせていた。
「冬夜くん……暴力は良くないと思うよ……」
冬夜に、まったく引けを取らない風が貼り付けた笑顔を崩さずに冬夜に、叩かれた手をわざとらしくなでていた。
膝を震わせていた雷がヨロヨロとした足取りで俺の隣へと来るとそのまま座り込んでしまった。
「なんで、あの2人あんなに怖いんだよ……」
若干半泣きになっている雷に聞かれても答えは分からなかった。
冬夜と風の無言の攻防戦を見ながら雷が小さな声で尋ねてきた。
「ハル……もしかして……って言い方も変だけど冬夜と付き合ってる?」
そう聞かれ一瞬、悩んだけれど正直に【付き合ってる】と答えると、お似合いだなと言って貰えて亜樹ちゃんの事もあり、嬉しさのあまり涙が出そうだった。
「風がハルを立ち上がらそうとした事に冬夜が嫉妬したんだよな……その姿を風が楽しんでいるって事か……兄弟ながら腹黒すぎて怖いな……」
そう話す雷は、さっきまでの怯えた表情は消え、何かに納得しているようだった。
そうか……冬夜は嫉妬したのか……雷に改めて言葉にされた事で、むず痒い気持ちになった。
「この状況を治められるのったハルだけじゃないか?今の風は……流石に俺も怖いよ、この状況を楽しんでいるからこそ、止めた後の事が想像出来すぎる、冬夜ならハルのお願いなら聞いてくれるんじゃないか?」
俺も、あんな状態の冬夜を初めて見るし、一体どうすれば良いんだろう……
本当なら、今頃は海に飛び込みつつ源さんの西瓜を海水で冷している頃に違いないとおもうと、口からポロっと言葉が落ちた。
「早くげさんから貰った西瓜を食べたいな……」
俺の言葉に冬夜が直ぐ反応を見せたと同時に、隣に座る雷に気付くと、なんで雷がハルの隣に座ってるの!と言いながら雷を俺の隣から引き剥がした。
その、やり取りを見ていた風が笑顔を浮かべながらも、目がまったく笑っていなかった。
「雷に、そういう態度を取って良いのは俺だけなんだけど……」
冬夜と風の間にバチバチとした何かが見えるような気がして、あまりの怖さから雷に視線を向けると、まかせろと口を動かした。
「風!俺はやく海に飛び込みたいし、冷やした源さんの西瓜を食べたいんだけど、まだ冬夜とイチャイチャするの?」
雷の言葉を聞くと同時に2人は。
「ハァ〜〜?」
と言葉が重なり、俺と雷は笑いを堪えるのに必死だった。
思いの外、冬夜と風の2人は案外似ているのかもしれないなと思った。
俺の腰もなんとか復活した後、風と雷の後ろを歩く形で俺と冬夜は歩いていた。
「ハル怖がらせてゴメン……」
シュンと言う言葉が見えてきそうや冬夜の表情に、俺が理由があったんでしょ?ときけば僕が我儘なだけと泣きそうになっていた。
冬夜は悪くないとは言えないけれど、冬夜が我儘を見せてくれたのは素直に嬉しいよと伝えると、冬夜の顔に安堵感が見て取れた。
俺は冬夜の手を引きながら海岸へ向けて走り出した。
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