夕焼けに染まるひまわり
梅雨明けしてから、本格的な夏に突入するまでに、さほど時間はかからなかった。
俺と冬夜との関係は、相変わらず手を繋いだり唇を重ね合ったりとさほど変わりはなかった……
俺としては、その先を期待しない訳では無かったけれど、恋愛初心者にはそれを上手く伝える術が思いつかなかった。
「おまえら、ちゃんと聞いているのか?」
通知票を貰った俺達は、既に夏休み気分に突入していた休み中の注意事項を話す先生の話は正直誰も聞いては居なかった。
しまいには先生も呆れたのか、宿題やれよ!進路考えろよ!と捨て台詞を残して教室を退室していった。
「ハルゥ〜」
そう言いながら後ろから抱きついてきた冬夜に驚きつつも顔を向けると、いつもとは違う表情に調子が悪いかと聞くと少し疲れたみたいと答えた。
俺は急いで帰り支度をすると学校を出ると心地よい風が吹いてきた、冬夜に大丈夫と尋ねると暑さのせいなはのか足が重く感じると言ったので、俺達はいつものベンチへと歩みを進めた。
ベンチに腰を下ろすと冬夜はゴメンと言うと同時に俺の太ももへと頭を預け俺の腰へと手を回した。
「冬夜、気持ち悪い?」
そう聞くと、少し眠くなってきた……ハルに触れていると安心すると言いながら目を閉じた。
冬夜が小さな寝息を立て始めたのを見て、最近の暑さと授業の進み具合の速さから、疲れてしまったのかもしれない……俺で安心するなら少し寝かせてあげたいと思った。
冬夜の呼吸に合わせて黒々とした長い睫毛が上下に動く様に目を奪われながら、無意識に冬夜の髪を弄んでいる自分に気がついた……
俺の髪とは違い、しっかりとした髪は触り心地が良くて手を止めることが出来なかった。
その時、閉じられていた目が開き俺の腰に回ったいた手が首へと移動したと思った時、俺達の唇は重なった。
唇が離れた後、虚ろな目をした冬夜は小さく言葉を発した。
「ハルとずっと一緒に居たい……」
それだけ言うと冬夜の目からは涙が零れ落ちた。
冬夜らしくない姿に、きっと見られたくないはずだと思い冬夜を抱きしめると、俺はずっとそばに居るよと声をかけると、俺の首元へと顔を埋めた冬夜は声を押し殺して泣いているようだった。
「冬夜、怖い夢でも見た?俺は冬夜が嫌だと言っても離れる気はないから心配いらないよ……」
俺の言葉に譫言のように約束だよと繰り返していた。
どれくらいの時間が経っただろうか……太陽が西へと傾き空をオレンジに染め、ひまわりもその光を受けて綺麗に染まっていた。
「ハル見て……この光景、僕たちが出会った時みたいだね……覚えてる?」
そう話す冬夜の顔は幸せそうに微笑みを浮かべていた。
「忘れるはずないよ」
そう答えると冬夜の目が大きく見開いた後、僕たちの大切な思い出だねと言った冬夜が何故か寂しそうな標示に見えて、俺は洞爺を抱きしめた。
「冬夜……ずっと俺のそばに居てよ……。」
俺の問いかけに冬夜は、はるが嫌だと言っても離れないから覚悟してね、僕の愛は重いからねと、にっこりと答えた。
「冬夜の思っている以上に俺は冬夜の事が好きだから、愛に重さがあるなら俺も負けてないよ。」
俺の言葉を聞いた冬夜は、何度も何度もありがとうと言うとうつ向いたまま肩を震わせていた。
「来年も、再来年後も、10年後も夕焼けにそまったひまわりを一緒に見よう……」
そう声をかけると、その頃にはハルの身長が僕より伸びたら包み込むように抱きしめてくれる?そう言い放った冬夜の言葉で一気に空気が変わって俺は絶対に追い抜くから楽しみにしててね!と悪態をついた。
冬夜が何かを言っていたみたいだけど、興奮した俺の耳には届かなかった。
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