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涼を呼び寄せる鈴とした音色Part2

 冬夜の輝くような表情に目を離せなくなっていると涼し気な音色を響かせていた、おっちゃんが声を掛けてきた。


「そんな風に俺の風鈴を見てもらえると嬉しいよ……ってハル坊じゃないか!」


 おっちゃんは手引の屋台を止めると、俺の頭をガシガシと激しく撫で回した。

 俺は痛いよと言いながら、おっちゃんの手を払い避けるた。

 そんな俺達のやり取りをなぜだか冬夜は楽しそうな表情で見ていた。

 そして、おっちゃんに挨拶をすると商品について質問をしていた。


「おっちゃん今日はもう終わりなの?」


 俺がそう尋ねると、今日はそこそこ売れたし疲れたから帰ると教えてくれた。

 冬夜はと言うと、屋台からぶら下がった色とりどりの風鈴に目を奪われている様だった。


 目を奪われる気持ちは小さな頃から、おっちゃんの風鈴を見ていた俺にも分かる、おっちゃんが1つ1つ絵付けした風鈴は同じものは1つとなく唯一無二の代物だ、思わず手に取ってしまいたくなる程に綺麗で音色も心に残る。


「ハルあの子は、ハルの恋人なのかい?」 

 

 おっちゃんの不意打ちの質問に、空気が変な所に入り込んでしまい咳き込んでしまった俺の背中を、おっちゃんはバシバシ叩きながら、青春だな楽しめよ!と嬉しそうにしていた。


 源さんを筆頭に、こなあたりのおっちゃん達は洞察力が強いと言うか何と言うか……

放っておいて欲しい時もあるけれど、頼り甲斐はあるんだよなと思っていると、おっちゃんは冬夜に何かを話しかけているようだった。


「本当にいんですか?」

  

 冬夜らしかぬ少し大きな声に何事かと思っていると、どうやらお近付きの印としておっちゃんが風鈴をプレゼントするみたいだった。

 冬夜は数ある風鈴の中で脇目をふらず、とある絵付けの風鈴を選んだ。

 冬夜の選んだ風鈴を見ると胸が高鳴るのが分かった。


「冬夜、ひまわりの絵付けを選んだの?」

 

 そう尋ねると、笑顔で一目惚れなんだとコロコロとした笑顔を俺に向けた。

 そのやり取りを見ていた、おっちゃんはウンウンと頷くと冬夜に話しかけた。


「一目惚れ実に結構なこった、風鈴は魔除けだから一目惚れで選んだのなら、この風鈴におまえさんが選ばれたのかもしれないな。」

 何故だか嬉しそうに、丁寧に風鈴を包むと大事にしてやってと言いながら冬夜へ手渡した。


 俺と冬夜は、去りゆく風鈴の音色と車輪の音を引き連れた、おっちゃんが見えなくなるまで見送ると、ベンチに腰を掛けた。

 隣に座る冬夜は本当に嬉しそうに風鈴の入った包み紙を大事そうに持っている姿を見て自然と顔が綻んだ。


「ひまわりにしたんだな……」


 そう声をかけると、ハルに似てるからとコロコロとした笑顔を向けられ俺の胸がドキドキと高鳴ったのが分かった。

 冬夜は俺のことを【ひまわり】みたいだと言うけれど、俺には冬夜の方こそが【ひまわり】みたいだと思う。


 誰よりも真っ直ぐで、芯が通っていて、ひまわりお大きな花は冬夜の笑顔みたいだ。

 そんな事を考えていると、目が合いそして冬夜の顔が……近づいてきた。

 

 えっ?恋愛経験は冬夜が初めてだけど、話だけは聞いたことがある、もしかして今が良い雰囲気と言う状況なのか?

 初めてのことに、胸がドンドコ脈打つのを感じ、緊張しつつも勇気を振り絞って目を閉じた……

 

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