それはただの八つ当たり2Side風
公園に着き、俺はブランコに腰を下ろしハルに目を向けると何故か怯えた様な表情を浮かべていた。
キィキィとブランコを漕ぎながら頭の整理をしながらハルを盗み見るも、怯えた表情に変わりはなかった……何故だ?
ハルに隣に座れば?と声をかけると、はいと答え隣のブランコに腰を下ろした。
暫くの沈黙の中、耐えられなくなったのかハルが口を開こうとしたので無意識に制止してしまった。
頭の中で色々と考えを仮定してもハルの思考が分からない、何故こんなにも怯えているのだろうか?
そして1つの考えが思い付いた。
ハルは自分の事で、いっぱいいっぱいで周りに目を向ける事が今は難しいのではないか?
もしや、俺に怒られるとでも思っているのだろうか?
今まで、さらりと亜樹ちゃんやこなっちゃんがフォローしてくれていた事にハルは気付いていなかったのかもしれない。
ザックリと、その事を話すとハルの顔にはハテナマークが浮かんでいた。
なるほど、と思うと同時に《そういう所だよ》都伝えると、何故か更に怯えた表情になっていた。
「正直、そんな事はどうでも良いんだけどね」
そう言うと一瞬、驚いて何かを考える素振りを見せた後に、何か思い付いたのか表情を見ていると分かりやすくて手思わず口元が緩んだと同時にハルが小刻みに震えだした。
何に対して震えているのか最初は理解ができなかったけれど、普段の俺とのギャップを目の当たりにして
戸惑っているのかもしれない。
「風、雷を傷つけるような態度と言い方をしてゴメン。」
そう口を開いたハルに、分かってるじゃないかと言う気持ちと俺が怖いから謝っているのか?と捻くれた疑問が浮かんだ。
その後ハルと話をして、何となく言いたい事が分かった、ハルは不器用なんだと結論付けた。
そして気になっていた事を、聞くことにした。
「ハルは冬夜と付き合っているの?」
俺の質問を聞くと同時にみるみるうちに、ハルの顔は朱色に染まっていった。
この反応を見る限り確定かな。
そう思うと同時に笑い声が出てしまった、ハルは何で分かったの?とモジモジとしていたが、そんな姿が物凄く羨ましく感じた。
この時、俺達の間にあったピリリとした空気が柔らかくなった気がした。
「ハル俺はハルに八つ当たりしてたんだと思う。」
そう話すと、ハルはきょとんとした顔で何で?と聞いてきた。
ハルの話も聞いたし、偏見もなさそうだから話すけどと、前置きをして口を開いた。
✽✽✽✽
「俺は雷に対して兄弟以上の感情を持っている、冬夜がハルを思う気持ちに近いと思う。」
一瞬、驚いたような表情を見せた後にハルは口を開いた。
「風がその気持に気づいたのは最近?俺は最近まで冬夜に対する気持ちに確信が持てなかったんだ。」
ハルの言葉に、なるほどと思った、冬夜の方が先に好きになって振り向かせた……または気づかせた感じなんだろう。
だからこそ、冬夜のさっきの態度なんだと思うと点と点が繋がった気がした。
「俺は、物心が付く頃には雷に対して兄弟以上の感情を持っていた、それが恋愛感情だと思うまで、そんなに時間はかからなかったよ、雷と居ると自分らしく居られて楽なんだよ。」
そう話すとハルは《腹黒な所とか?》と聞こえるか聞こえないかの声量で言葉を発して、思わず吹き出してしまった。
「腹黒な所もむくめて雷にしか見せてない事がたくさん有るよ。」
そう話すと、風と雷2人の秘密なんだねと言うと笑顔を見せた。
自分の中に秘めているつもりだった……
ただハル達を見て羨ましかったんだ……
俺と雷はハル達の様な関係にはなれない……
雷が俺のことを兄弟としてしか見てないのも分かっている。
だからこそ、本来では上手く流せたことに対して苛立ってしまい上手くいっている2人に八つ当たりしてしまったんだ。
そう思うと自分の思考が幼すぎて恥ずかしくなってきた。
「ハルごめん、2人の関係が羨ましくて当たっただけなんだ……ただ雷に対して今日みたいな態度を取られると、俺は悲しくなる。」
そう話すと俺の目を見て分かったと答えてくれた。
「俺は、少し頭を整理してから帰るからまた明日な。」
そう声を掛けるとハルは小さく頷くと帰っていったが途中で振り返えると。
「誰にも言わないから、何か相談があったら聞くからね」
それだけ言うと今度は振り返ること無く帰っていった。
ハルなら誰にも言わないと思っていた、けれど相談に乗ってくれるとは思わなかった……
頬を伝う滴が安堵からなのか又は話が出来る人が出来たからかは分からないけど、なんだかスッキリした気分になった。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。
次回は本編に戻ります。




