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それぞれの思い〜冬夜視点〜

今回は冬夜視点です、次回はハル視点に戻ります。

やっと伝えられた、動揺してない風に装う事はできただろうか?

ハルに伝える事を悩んでいた時に源さんから言われた言葉が僕の胸に響いた。


「時間は有限だぞ」


 そう笑いながら話す源さんは僕が、ひたむきに隠している秘密に気付いているようだった。

そして。悔いだけは残すなよと僕の目を見据えてアドバイスをくれた。

 だからこそ、僕は行動を起こす一歩になったのかもしれない。


✽✽✽✽


 あの日ハルと、出会った時から僕の心はハルに捕らえられていた。

夕陽を浴びたキラキラとしたハルの笑顔に、あの時の僕は救われた。


 ハルと出会う前の僕は、全てがどうでも良くなっていた時期だったのが一瞬にしてハルの笑顔に魅了され引き込まれ、胸がドキドキと高鳴った事を今でも忘れることが出来ない。

 初めて感じたこの感情が恋心と気付いたのは東京の家に戻って来てからだった。


 気づくとハルの事を考えていた。

ハルの事を考えていると幸福感に包まれ、頬が熱くなるのを感じると同時に冷え切っていた僕の胸の奥に温もりが芽生えたようだった。


 考えるよりも先に、お父さんに中学を卒業するまでの間だけで良いから、おばあちゃんの家で暮らしたいと願い出た。

 お父さんに話しをして、どれだけの時間が流れたのか覚えていなかったけれど、窓から差し込む夕陽を何度か見送ったある日、お父さんから条件付きでおばあちゃんの家に住むことが許可された。


 すぐにでもハルの所に行きたかったけれど、中途半端な時期だからと区切りの良い時期に引っ越すことが決まった。


やっとハルに会える


やっとハルの温もりを感じられる


早くハルに会いたい……


✽✽✽✽


 会えなかった時間の頃を思い足したり、今日1日を思い出したりと頭の中は混乱しながらも、変な安堵感を感じて部屋へと戻ると一気に気が抜けてその場へと座り込んでしまった。


 ハルに好きだと伝えてしまった………


 言葉にすると恥ずかしさから変な声がでた。

明日から気まづくなったらと考えて、言わない選択も有ったけれど、言わずに後悔するなら言って後悔する方が僕の中で一步、前に進めると思ったからだ。


 ハルは優しいけれど、嫌なことに頭を縦に振る事はない事は短い時間の付き合いでもわかる。

だからこそ、返事を待つあの時間が本当に重苦しく胸がドクドクと僕の思いとは裏腹に激しく高鳴っていた。


 僕たちは付き合っているんだ。

そう言葉にしてみると、今までに感じたことのない幸福感に包まれる。

膝を抱えていると、ハァーと無意識にため息が出た。


 ハルの思っている気持ちと僕の思っている気持ちとでは、少し違うかもしれないけれど、これからもっともっと僕のことを知ってもらって、今日より明日、明日より明後日ともっと好きになって貰えるように努力しよう。


 東京の友人も、こっちで仲良くなった人たちも皆、口を揃えて大人っぽいだの冷静だとか言うけれど、それは今まで他人に興味がなかったから当り障りのない態度をとっていたから、そういう風に見えたのだと思う。

 僕自身もハルと出会わなかったら色々と知らないままだっただろうと思う。


僕だって普通の10代の男の子なんだ。

そう思うと無意識に口元が緩んだ。


ハルと付き合えた

ハルとずっと一緒に居られる

許されるならば、ハルを僕だけのハルにしたい…………


 今日の思い出に、あの時にみたハル色のチューリップと、もう1種類のチューリップの絵を描きたくなった。


 そういえば、前にこなっちゃんが僕に対してベタベタと近づいて来たのは今、僕がハルに抱いている気持ちと同じだろうか?

僕はハルの近くに居るだけで心臓が止まりそうになるのに、こなっちゃんは大丈夫なんだろうかと素朴な疑問が浮かんだ。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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