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無意識な苛立ち

前話にて、雷と風の名前のミスがありました。

正確には雷が兄、風が弟となります。

前話は修正致しました。

「ハル!」

 そう言うのと同時に冬夜は俺の元へと向きを変えて駆け寄ってきた。

心配そうな面持ちをして、痛いところはないか?怪我はしてないかと問いかけて来る冬夜を見ていたら、さっきまでの苛立ちが少し薄れて来たように感じたが、このまま何も言わずにいたら、自分の中にモヤモヤが残ってしまいそうだったのも有り、俺は冬夜の腕を思い切り俺の方へと引き寄せた。


 バランスを崩した冬夜を上手く受け止められれば良かったが、地べたに座ってる状態の俺には若干無理があったようで、そのまま2人で倒れ込んでしまった。

 あたらめて俺の体力は平均より無さそうだと思わずにはいられなかった。


 俺の上へと覆いかぶさる様に倒れ込んだ冬夜が、イタタとオデコを、さすってる姿を盗み見ていると目があった。

「冬夜」

 そう声をかければ体をピクリと反応させて、はい………と小さな声で答えた。

 冬夜は、俺が怒っていると思っているのだろうか?

そう思っているのなら間違いは正さなければならない。


 冬夜の体を俺から離すと地べたに座った、俺は冬夜に向き合うと、なるべくきつくならない声色で話しかけた。

「別に俺は、冬夜の事を怒っている訳では無いだよ、ただ上手くいい表せないけど、さっきの態度は流石に傷ついた、朝から様子も変だったし俺なにかしたか?」


 そう問いかけると、別にハルが悪くないと言うと押し黙ってしまった。

俯いた冬夜の表情は前髪で隠れて読み取ることが出来ないけれど、何かを悩んでいる様に見て取れた。

 冬夜の様子がおかしかった時に居たのは雷だ、あの短時間で雷が何かをしたとは考えられない、俺が無意識に何かをやらかしたとしか考えられないが今、冬夜を問いただした所で求めている答えが返ってくるとは思えない。


 なんだかスッキリはしないけれど、不本意ながらも冬夜から話してくれるのを待つことにした。

 そんな事を考えていると、食欲がそそる香りが俺の鼻を刺激した。

空腹状態の今、どんなに考えても最適な答えは出ないだろう、まずは腹ごしらえした後にまた考えてみよう、そう結論付けた俺は、冬夜の手を取ると急いで教室へと向かった。

 途中、先生からは廊下は走るなと言われてしまったのでスイマセンと謝っておいた。

 その時、冬夜の頬が薄紅色にそまっていた事は俺は気づかなかった。


✽✽✽✽✽

 

 教室へと戻ると、雷が机は直したから早く給食食べようと手を振っていた。

冬夜は何故か教室へ入ることを躊躇しているように見えた。

 給食を貰い席に着いたが、この空気の重さに耐えられそうにないと思ったその時、雷が口を開いた。

「冬夜、昨日はありがとな、恥ずかしい所を見せてしまってごめんな」

はみかんだ笑顔を浮かべながらそう離す雷に冬夜は、消え入りそうな声で、雷さっきはゴメンと呟いた。


 雷は笑顔を浮かべながら頷くと、重かった空気が少しだけ軽くなった気がした。


「ハル、足は大丈夫?」

 冬夜に尋ねられるまで、さっきコケた時に膝を打った事をすっかり忘れていた。

大丈夫だよと答えると、良かったと笑顔を向けてくれた。


 今の冬夜は、いつも通りに見える。

朝と、さっきの態度は本当になんだったのだろうか?

 冬夜が話してくれるまで、待ちたい気持ちと、このまま何事もなかった状態になる事は避けたい気持ちとで変な気分だった。


 色んな事を考えていたら、もうすぐ下校のチャイムが鳴りそうな時間だ。

そんな事を考えていると、ハルと名前を呼ばれ顔を覗き込んできた、冬夜と目があった。


 冬夜は、何かを言い出そうとして、その言葉を飲み込んで又、何かを言い出そうとして飲み込んだ。

 冬夜が何かを言い出そうとしているのは分かったけれど、朝からの態度諸々が重なりイラッとしてしまった俺は。


「なに?」

 

無意識にキツめな声が出てしまった。

 お腹が膨れても、何故か苛立ちが治まらなかった心が落ち着かないのは何故なんだろうか、冬夜を傷つけたいなんて思っていないのに、あきらかに冬夜を今傷つけたに違いない。


「ハルごめん、ハルがどうとか雷がどうとかではなくて………まだ自分の中でも良く分からなくて今、説明しても嘘っぽくなってしまいそうで………」

 そう離す冬夜は泣きそうな顔をしていた、その事に気づいたのか冬夜の視線は自分の上靴へと向けられた。


 冬夜は何かを悩んでいるのだろうか?

俺で良かったら話を聞くよ、そう言おうとした言葉を冬夜の言葉で制止させられた。


「ハル、明日は2人で帰りたい」


 その言葉と、射抜くような視線に俺は分かったとしか言う事が出来なかった。


 今日は1人で帰るねと脱兎の如く帰って言ってしまった。

「俺、冬夜の気持ちがなんとなく分かる………」

 振り返ると後ろには雷が立っていた。

どういう事かと尋ねると、なんとなく分かるだけで俺は冬夜ではないから、ハルはちゃんと冬夜と話した方が良いと言われ、確かにと妙に納得した。

 俺と雷は下校を告げるチャイムを後に教室を後にした。



 明日の帰りに冬夜と、きちんと話そう、そう心に決めて………

最後まで読んで頂きありがとうごさいます。

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