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憧れのミックスジュース  作者: 小前田 零夜
1/1

きっかけと挫折



芸人を目指すJK




至って普通なJK『あかり』




ーーーー




せっかくのGWなのに全く予定がない。




周りのみんなは恋人とイチャイチャデート。




何故私だけ家で過ごす羽目に…




私だってホントはGWにデートする予定があった。




あったけど、その直前に彼氏にフラれてしまった…




私はこれといった趣味も特技もない至って普通のJK、




だからホントにすることがない、することがないからなんとなくテレビでもつけてみよう。




そこには朝のテレビでよく観る芸人さんと、いろんな番組で見かける唯一無二といったカンジの芸人さんとのコンビが映っていた。




最初はなんとなく観ていたが、何故か私はそのテレビ番組に釘付けになってしまった。




そのテレビでは、コンビは司会としてアイドル達と絡んでいた。




そこでは何らかの選抜メンバーを発表していた。




喜怒哀楽それぞれの表情を浮かべるアイドル達に

コンビの片方が




とても愛のある言葉をかけていた。




その言葉は傷心の私にも何故か突き刺さった。




そして私は芸人さんは人を笑わすだけじゃなく、元気にさせる力も持っている。


そして人を元気にさせる笑い

そういう笑いの取り方もあるんだと、自分の中の四角形が




多角形に変わったのをヒシヒシと感じて、




芸人になることを決意した。




その時の決意の早さと強さはイマまでに無いくらいのものだった。


コレがホントに自分がやりたいことだと無意識の領域から


理解していた。




そして、私も人を笑わせられる、人を笑顔にさせられる芸人になりたい!




いつかこの芸人さんと共演したい!




そう強く思った。




そして、


『その芸人さん』のコント、出演番組を研究する、と


この時点からGW以降の「すべきこと」が決まった。






それから私は高校でも相方を探し始めた。




イマまで私は特別お笑いに興味があったわけでもなかったから、




今更みんなの前でお笑いが好き、しかも相方を探してるなんて




さすがに恥ずかしくて声を大にして言えない。




けど、そんな考えが通り過ぎる前に


「芸人になりたい」


という気持ちが圧勝した。




私はまず、クラス中にお笑いに興味がないか聞き回った。




そこで運良く見つけた。




クラスではあまり目立つ方ではないけど、お笑いが好きな




『みなみ』ちゃん。私はみなみちゃんと仲良くなって


ようやくコンビを組むことになった。


コンビ結成までの道のりは、

『三国志』の蜀のナントカさんが諸葛ナントカさんを仲間に率いれる時くらい苦労したけど、


私の「芸人になりたい」という気持ちは、

三国志の歴史より長く深いものだった。




みなみちゃんは所謂分析型らしい。




あの芸人さんのココがスゴイとかそういうことを的確に指摘するカンジ、とても心強い。




私たちは『ポッピンガール』というコンビ名で活動することにした。




それからというもの、私たちは必死になってネタを考えて




ようやくひとネタを完成させた。


完成させてのはイイけど、

恥ずかしすぎて到底人様には見せられるものではない。


オジサンが若者ぶった服を着たり、

若者言葉を使ったりすることよりも恥ずかしい。





けど、恥ずかしさを嚙みしだく間もなく初舞台はやってきた。




高1の文化祭で初めて漫才を披露した私たちポッピンガール、




最初は死ぬほど緊張した。




もうこれ以上ないってくらい練習もした。




ココだけの話、神社にも何回も行った。




どんな結果になっても後悔はない。









…結果は予想以上の大ウケ!




コレは私たちポッピンガールにとって大きな成果、大きな一歩となった。





このことを機に私たちは、素人参加型のお笑いオーディションを受けることにした。




そこには何十組というこれからの時代を背負うことになるかもしれないお笑いコンビが居て、みんな壁に向かってネタ合わせをしていた。




もちろん私たちもみっちりネタ合わせをして順番を待った。




私たちの前にいた何組ものコンビはそれぞれ喜んだり泣いたりと




結果を聞かずともハッキリとわかるようなカンジだった。




けど、私たちは自信があった。




あの文化祭の時の拍手大喝采を思い出してネタを披露すれば間違いない。




そしてとうとう私たちの出番。




私たちはあの時のようにネタを披露した。




ネタが終わり審査員達は拍手を送った。





ハッキリ言って私たちは手応えを感じていた。












…しかし結果はダメだった。






たしかにネタの作り方は斬新で良かったらしいが、




私たちの、私たち自身の“色”が全く出ていなかったらしい。




私たち自身の色って一体何なんだろうか、




その時はその意味が全くわからず、2人ともただただ絶望して



その日は別れた。




私はその日自分のこれまでの全てを批判されたかのように感じて、




帰り道のことは全く覚えていない。



いつベットに入ったかすらも。






それと同じかそれよりもショックだったのが、




後日みなみちゃんが解散を申し出たこと。




どうやらあの件以降かなり考えたが、大学進学に切り替えるそうだ。




お笑いはやる側じゃなくていちファンに戻るらしい。




それはそうだ、私だってあの件以降心が揺らいでいる。





また私はかなり落ち込んでしまった。






これじゃあ前と一緒だ。








ーーーーーーーー




つづく。















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