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非道な実験を受けた俺は高校生活で何気に成り上がる  作者: 聖なる悪の株式会社
1章 学園入学編・1年生編
9/23

09 実力ははっきり分かれるもの

 「テスト内容は5教科の総合問題です。時間内に解けるだけ解いてください。時間内であれば何枚でもうけられます。そして、その分の点数が追加されていきます。ですが、枚数を重ねるごとに難しくなっていくのでたくさん受ければいいというわけではありません。自分に合った実力を見極めることも実力のうちです。1枚解き終わるごとに挙手をして待っていてください。教師が回答用紙を回収したのち、次の問題用紙と回答用紙を渡します。筆記用具は机の上に置いてあるものを使ってください。なお、カンニングなどの不正行為が見られた場合、即退場、学園内立ち入り禁止とさせていただきます。時間は各教科1時間で、それぞれの間に10分の休憩を設けます。また、テストの回答に関わること以外でわからない点があれば、気軽に近くの教師に確認してください。ただし、テストの回答に関わることや、質問しても意味のないものと判断される質問をした場合についても、即退場、学園内立ち入り禁止とさせていただきます。では皆さん、がんばってください」


 校長がそう締めくくると、体育館の前方にあるタイマーが起動し、1時間と示した。


 ステージの上に一人の教師が立ち、タイマーのボタンに触れる。


 「それでは、テスト、始め!」


 テスト用紙のサイズはB4くらいだろうか。まあまあ大きく見える。問題用紙一枚にざっと40問ほどの記号問題と20問ほどの記述問題が提示されている。


 戸惑っている生徒も無理やり思考を切り替えたのか、一斉にシャーペンをノックする音が響き、カリカリと良い筆記音を立てる。

 しかし、数秒で俺を含めたごく少数以外のシャーペンの音が一斉に止まる。


 ちらっと見てみると、そこまで熱くはないはずなのに、シャーペンを動かしていない生徒が全員滝のように汗を流している。

 俺より前のほうにいる紗綾も同じく固まっている。


 表情から問題が解けないということはわかるが、なぜ解けないのかが分からないまま5分で1枚を解き終わる。

 手を挙げて次の問題用紙と回答用紙をもらう。

 教師が明らかに怪しんでいたが、カンニングはしていないし、する必要もなければ、そもそもまわりが解いていないのだからできない。


 確かに校長が言っていた通り、2枚目の問題は1枚目に比べて難易度が上がっているのだと思う。

 俺にはあまり変わらないように感じたので、また5分で解き終わる。


 残り50分。自然と施設にいた時の感覚になり、さらに頭が冴えていく。施設でこのテストを受けていれば、最初の1分でこの感覚になっていただろう。この癖は施設に叩き込まれたわけではなく、自然と身についたのだ。


 3枚目の問題が1枚目の問題よりも簡単に感じ、2分で解き終わる。

 少し教師が慌てているようにも見えたが関係ない。校長は何枚でも受けていいと言ったのだ。ならばさらに全力で解かせてもらおう。


 今度は意図的に思考をスイッチして、先ほどよりも数倍も脳の情報伝達速度が上がり、処理能力も数倍に跳ね上がったのが分かった。


 4枚目の問題を1分で解き終わる。5枚目も1分、6枚目も1分、7枚目、8枚目、9枚目、10枚目………。


 タイマーが残り時間17秒を示し、今俺の机に置かれている問題は51枚目の残り1問の記号問題だけ。

 余裕をもって解答を記入し、手を挙げる。


 同時にタイマ―がアラームを鳴らし、1時間が終了したことを告げた。


 教師がなぜか安堵の表情を浮かべ、俺の回答用紙とともにほかの生徒の回答用紙も強制的に回収し始めた。


 遠くでは必死に赤ペンを走らせる教師が数名いるが、生徒自身はほとんどが机に突っ伏している。

 しかし、表情を見ると、全体のうちの1割はどこかすっきりした顔をしているのでまあまあ解けたのだろう。


 ちなみに、気配で察した限りだと、教師が俺以外の生徒の回答用紙を回収した数は6枚だった。

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