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非道な実験を受けた俺は高校生活で何気に成り上がる  作者: 聖なる悪の株式会社
1章 学園入学編・1年生編
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21 少女の想いに根付くもの

 部屋に戻った私は先程のことを考えていた。

 あの時櫂斗がコンビニに入れと言った時に少し違和感を感じてから、視線だけで櫂斗のことを追っていた。

 最初はただの違和感からだったが、すぐに確信に変わった。櫂斗は私をストーカーから護ってくれたのだと。


 私は櫂斗にバレないようにしながらずっと見ていた。ストーカーの男の肩を掴み何かを言っているところも。ストーカーが櫂斗を殴ろうとして、私にはどうなったのか分からなかったけど、返り討ちにしているところも。

 そんなことがあっても、櫂斗は私に気づかれないようにいつも通りにしてくれて。なぜだか分からないけれど、すごく胸がドキドキした。顔も熱くなって帰り道は櫂斗の顔をまともに見ることが出来なかった。


 外を歩いて少し汗をかいたのが気になっていた。軽くシャワーを浴びて髪を乾かし、すぐにベッドに倒れ込む。

 新しい環境に緊張して疲れていたはずなのに、ほんの30分ほど前のことが私と睡魔を遠ざけている。


 ストーカーと聞くだけでトラウマから嘔吐することもあったのに、櫂斗に全てを打ち明けて、櫂斗が一緒だと思うだけで、何故か今までのように症状が出なかった。

 しかも、理由は分からないけれど、昔よく一緒に遊んでいた「お兄ちゃん」と櫂斗の姿がどうしても重なってしまう。しかし、「お兄ちゃん」とは10年も前に引っ越しした時以来一切の関わりがなかった。まさかそんなはずがあるわけないと思いつつも、心がざわついて収まらない。


 まだ片付け終わっていない荷物の中から一枚の写真を取り出す。ボロボロになったそれは「お兄ちゃん」との唯一の写真だった。

 何故かママがいきなり「お兄ちゃん」のことは忘れなさいと言って、写真を捨てた時に何とかこっそりと1枚だけ取っておくことが出来たものだ。

 そこに写っている「お兄ちゃん」は意識して見れば、櫂斗に似ている気もする。何度目をこすってみても、どんな角度から見ても櫂斗の影がある。


 やっぱりそういうことなの?

 頭に浮かんでは否定していたことが現実味を増す。



 ⋯⋯でも。



 ひとつの記憶が全てを否定しようとしている。

 そもそも、私がストーカーされるようになった原因に「お兄ちゃん」と会いたくて色々と聞きまわってたこともある。そこに目をつけられて自分はその「お兄ちゃん」だと言い張る人がいた。どう見ても違うしありえないのだが、当時の私は何を思ったのかそれを信じてしまった。付け込まれた挙句、体を触られたりもした。

 それからは何も信じられなくなり、記憶も塞ぎ込むようになった。


 そのせいでやはり信じることが出来ない。櫂斗のことも全てを信じているわけではない。二度とあんな思いはしたくない。


 この直感を信じるべきなのか。


 その答えは結局出ることはなく、私はベッドの上で暗く深い闇に意識を手放した。

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