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非道な実験を受けた俺は高校生活で何気に成り上がる  作者: 聖なる悪の株式会社
1章 学園入学編・1年生編
13/23

13 重なる偶然は意図しないもの

短め

 「今どこ?」


 俺が体育館から出て、寮の自室で荷物の整理をしていた時に紗綾からメッセージが届いた。

 寮の自室にいる、と返信するとほとんどノータイムで返事が返ってきた。


 「何番の部屋?」


 これ、施設で知ったストーカーになるやつのセリフじゃないのか?

 まあ、もしストーカーになられても、個人情報をばらまかれなければいいし、ハッキングの技術も身に着けているので、何とかなる。

 そもそも、襲われても対応できるはずだし、盗撮も気配で気づけるだろう。


 「え、271号室?私、270号室だよ?もしかして私達隣部屋になったの?」


 大丈夫だろうと判断した俺が271号室だと送ると、衝撃の事実が返ってきた。


 本当に隣部屋か確認しに、隣の部屋の扉に書かれている番号を確認すると、270号室は当然のごとくあった。


 始業式のときの席といい、この寮の部屋といい、本当に偶然だろうか。

 しかし、誰かが仕組んだものだとして何の意味がある?

 そう考えれば、自然と偶然、もとい紗綾の言葉を借りれば、運命なのか。


 「ちょっと待っててね!すぐに行くから!」


 少しだけ間をおいてメッセージが送られてきた。


 どちらにしろ、荷物も片づけたいので、すぐに部屋から出るつもりはないが、念を押すようなメッセージに複雑な感情が含まれている気がした。


 それから数分後に俺の部屋のインターホンが鳴り、モニターに紗綾の顔が映し出される。

 応答し外に出ると紗綾は間を置かずに口を開いた。


 「ほんとに隣部屋なんだね。なんか偶然なんて感じがしないな」

 「ああ、それこそさあっきお前が言った運命みたいなものかもな」

 「そうだね、これでいつでも櫂斗に勉強教えてもらったりできるんだ」


 体育館で見た、紗綾の表情がなんとなく気になって、どのワードがあの表情にさせたのか探りを入れたが、運命という言葉自体ではなさそうだ。

 となると、単語に意味があるわけではなく、あの一言自体が原因だろう。


 「いきなりで悪いが、お前、人と会う、もしくは接することが苦手だったりするか?」


 施設にいたせいで、コミュニケーション能力が人より低い俺が言えたことじゃないが、どうも紗綾の負担になっている気がして聞いてみた。


 「ど、どうしてそう思ったの?」


 やはり、体育館のあの表情が見えた。

 俺の推測は当たっていたらしい。


 「いや、お前、体育館で俺と話してた時に、もしかして運命、だったりして、って言ったの覚えてるか?」

 「うん…」

 「そのとき、お前若干暗い表情になったから、なんかあるんだろうなとは思ってた」


 少しづつ、ゆっくりを心がけて説明を始めた。

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