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非道な実験を受けた俺は高校生活で何気に成り上がる  作者: 聖なる悪の株式会社
1章 学園入学編・1年生編
12/23

12 初めて人にもらったもの

 数学の結果も貼りだされたが、57枚すべて満点だった。

 もちろん順位も1位だ。


 その後、似たようなテスト形式で英語のみ60問のリスニングがはいって、合計160点満点のテストだったが、施設でリスニングも鍛えられていたので、余裕だった。リスニング自体は、1枚ごとに60問入っていたので、少しだけ時間がかかり、50枚しか解けなかった。

 まあ50枚すべて満点だったが。


 社会分野や、理科もあったが、英語のようなリスニングはないので、それぞれ60枚きっちり解いた。

 2教科とも満点だった。


 結果的には、最初の教科で1点を落とさなければすべて満点だったので惜しかったが、各教科の順位も、総合順位も1位で、俺の合計点は30799点で平均点は1教科あたり約6160点だった。


 もちろんというか当然というか、ほかの生徒は全員そろって俺の結果を見て言葉を失いつつも、口を開けば質問攻めにされた。


 まだ、アンケートが残っているとかで、生徒は体育館に残されたが、テストではないためか席を自由に移動していいと校長が言った瞬間、紗綾が隣に座ってきた。

 俺には反応できたが、並の人間なら反応できるか怪しいくらいに早かった。

 俺はそっけない対応をしているはずなのに、どうしてここまで俺に構うのだろうか。俺よりもほかの人と交友関係を持ったほうが、有意義になると思う。


 「ねえ、もし櫂斗が嫌じゃなかったらでいいんだけど、さっき校長先生が言ってたID交換しない?」

 「俺と?」

 「嫌、かな?」

 「嫌じゃないが、わざわざ俺とIDを交換する意味がないんじゃないかと思って」

 「そんなことないよ、すぐに連絡が取れたらいろいろと便利だし、櫂斗のテストの点数見て、勉強教えてもらおうと思ったんだ。それに、ないよりはいいと思うよ」


 まだ電源すらつけていなかったデバイスを取り出し、初期設定を終え連絡アプリを起動する。

 アプリは《Conecter(コネクター)》という《Filear》限定のもののようで、ホーム画面の中央に位置していたのですぐに見つかった。

 アプリを起動して、プロフィール画面を開き、IDを表示した。

 紗綾は「やった」と小さくつぶやいて自身の《Filear》を起動している。


 交換してさっそく、「テスト、テスト。ちゃんと送れるかの試し!」と送られてきたので、無視していたら、隣から「ひどーい」とそこまで思っていなさそうな声が聞こえた。

 実は、といっても簡単に予想はつくだろうが、俺は今まで人から好意でもらったものはないので、初めて人から物(IDだが)をもらった。


 「今からアンケート用紙を配ります。テストのように、学力を図ったり、評価を変えるというようなことは絶対にありませんので、正直に答えてください。記入時間は30分とします。それぞれ記入し終わったら挙手をしてください。教師が回収しに行きますので、その後は体育館から出て構いません。もちろん出なくてもいいです」


 校長がテストのときと同じようにステージの上に立ち、アンケートの説明を始めた。生徒は、それまでに時間があったのでテストの余韻で頭がいっぱいだというものは少なかった。


 「終了次第、自由時間とします。問題を起こさなければどのように過ごしてもらっても構いません。問題を起こした生徒はそれまで説明した通りの処置をとらせていただきます。時間になればデバイスを通して通知しますので、その際には指示に従って行動をするようにしてください。それと、すでに各《Filear》には5000ポイントを支給しています」


 やはり教師がタイマー(30分を示している)を起動し、生徒はテストを受けた5時間ですっかり手に馴じんだシャーペンを手に取り、テストのときとは見違うような速度でアンケート用紙に記入をしていく。

 俺もアンケート用紙に記入を済ませ、挙手をした。少し遅れて記入を始めた俺だが、最初に終わったようで、周囲の席から立っている生徒は一人もいない。

 教師が俺のアンケート用紙を回収したのを見届けてから席を立つ。


 一瞬、紗綾を待つべきかと考えたが、IDを交換しているため、その必要はないだろうと判断した。

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