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非道な実験を受けた俺は高校生活で何気に成り上がる  作者: 聖なる悪の株式会社
1章 学園入学編・1年生編
10/23

10 結果とともにざわめくもの

 「1教科目、お疲れさまでした。これから10分の休憩です。勉強や勉強に関すること以外であれば、自由に過ごしってもらって構いません。ただ、問題を起こさないように気を付けてください。もし、問題を起こせば、それも即退場、学園内立ち入り禁止とさせていただきますので」


 校長がステージから降りて、体育館から出るとざわざわし始めた。


 いつの間にか俺のまわりに人だかりができていた。お互いがお互いを押し合うようにしている。俺に何かあるのだろうか。それぞれ表情は微妙に違うが、基本的に興味があるようなものだ。


 「ね、ねえ。君さ、テスト解くスピード早すぎない?」

 「俺も思った。最初の2枚も十分にビビったけど、そのあとからいっきにスピード上がったし」

 「それ。しかも、難しくなっていくはずなのにスピード全然変わらなかったよね」


 一人が口を開けば、雪崩のように疑問をぶつけてくる。

 テストのことのようだが、早いとはどういうことだろうか。


 「もしかして、答え知ってたの?」

 「いや、カンニングかも、って思ったけどそれはないな。解けた奴なんてほとんどいねえだろ」

 「カンニングしてたとしても異常だし、答え知っててもあのスピードと答える量すべて記憶してるんだったら、もう答え知ってるっていうよりはほんとに頭がいいんだと思うよ」

 「ってことは、お前にとってこのテスト、簡単だったのか?」


 逆に何が難しかったのだろうか。まあ、施設でさんざん脳みそ鍛えられて、知識を詰め込まれたから、普通よりは学力が高いとは思うが、それほど差が出るものとは思っていない。


 「まあ、簡単ではあったが、普通でも全く解けないってことはないと思うぞ」

 「「「は?」」」


 その場にいた全員が意思疎通したかのようにタイミングが全くぶれずに同じ反応を示した。

 俺はいたって真面目に答えたのだが、こいつらはふざけているのかという目をしている。


 「あれが簡単だったって言っていいの?」

 「いや、よくないどころか、もう頭がおかしいレベルだと思うぞ」


 いままでほとんど人と話すことがなかった俺は、いきなりの罵倒に戸惑う。


 「1教科目の国語の点数が出たので貼っておきます。順位なども出ているので各自で確認しておくように」


 一人の教師がかなり大きい紙を貼っていく。

 我先にと点数を見に行った生徒に囲まれて教師が抜け出せなくなっている。さりげなく生徒の隙間に抜け出せる場所を見つけ誘導しておいた。


 集まった生徒の顔を見てみれば、思った通りの点数だったのか少しにやけているもの、うなずいているものもいる。

 反対に、点数があまり良くなかったのか、うなだれているもの、落ち込んでいるものまでいる。

 中には、虚勢を張って満足そうな顔をしていながら、実は点数が低かった生徒もいるようだ。


 しかし、俺が点数を見に行こうとしたとき、一瞬だけざわつきが収まり、数秒後に少し大きくなってざわつき始める。



 「おい、あれ見ろよ」

 「なんだ」

 「一番上のやつの点数だよ」

 「あ、ああ。………は?」

 「結樹櫂斗ってやつの点数やばくないか?」

 「なにこれ。ほんとに同じテスト受けたんだよね?」

 「いや、枚数が違いすぎて、ある意味違うテストを受けたといっても過言じゃない」

 「この点数は意味わかんない」


 ざわざわしている連中は俺のテストの点数について話しているようだ。

 俺も点数を見に行くとすぐに見つかった。

 一番上にあったから、探すまでもなかった。


 結果はまあこんな感じだ。


 1枚目………100点

 2枚目………100点

 3枚目………100点

 4枚目……… 99点

     |

     |

     |

51枚目………100点


 予想としては、すべて満点だと思っていたが、4枚目のみ1点落としてしまった。少しだけ悔しい気がするが、及第点としてとらえることにする。

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