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1.私ははるちゃん!

よろしくお願いします。

「私は漆黒の魔王、はるちゃんなり!」


『可愛いよ〜はるちゃん!』

『あーん、なんでそんなに可愛いの〜?』


 教室でカッコよく決めポーズをするはるちゃんに対し、男子たちから黄色い声が上がる。


「ふっ、決まった……」


『はるちゃん最高〜!』

『マジ天使なんですけどー!』


 見た目だけは非常に可愛い、厨二病の女子高生はるちゃんは、男子たちから、それはとてもとても好かれていた。

『はるちゃんファンクラブ』なる物がある程であった。



 **********



 こんにちは、私ははるちゃん。少し拗れた女子高生だよ。


 私はよく、腕や足に包帯を巻いて学校に行く。別に怪我をしている訳では無いけど、包帯を付けていた方がカッコイイからね。闇に通じてる様に見られるかもだし。


「ね〜アンタなんで包帯巻いてんの〜? まじウケるんですけどー!」


 しかし、このように、学校の廊下を歩いていると大体女子に絡まれる。

 私は、女子からの評判はとても悪いのだ。


「や、止めるのだお主! はるちゃん大佐に向かって、無礼は許さないでござる!」


 だけど、何故か男子が毎回助けてくれる。私は非常に男子に好かれているのだ。


 ちなみに、コスプレしたりアニメキャラの台詞を真似したりすると、男子はとても喜びます!

 メールでクラスメートの男子にコスプレの写真を送ると、「ふぅ……」と返ってくる事が多いです。


 あと、大佐って呼ばれるのは好きです。なんか強そうな響きだから。


 そして、私の親友はインターネット。どんな時でも私の相手をしてくれるからね!

 好きな事は、アニメや漫画を見たり、キャラクターのコスプレや決めポーズをしたり、台詞などを言う事!


 そんなある日、私はいつものように自宅でインターネットをしていると……怪しげなサイトを見付けた。


「なになに……貴方に魔法を教えます?」


 サイト名は、『貴方に魔法を教えます』であった。


 厨二病の私がこのサイトに興味がそそられない事がありましょうか? いいえ、ありません!


 私はそのサイトを見付けるや否や、「ぐへへ」と、変な声を出しながらサイトをクリックした。


「……こ、これは……!?」


 なんと、魔法の名前や魔法の術式、魔法の詠唱、魔法の発動方法などが書かれてあったのだ!


「にゃーん! すご〜い!!」


 私は非常に舞い上がった。そして、すぐさまサイトの続きを見始めた。


 え〜と……なになに?

 注意書きを見付けた私は、それを読み上げた。


『これらの魔法は全て、ある世界で実際に行使できる物です。非常に強力な魔法もありますので、その世界に行く場合はくれぐれも気を付けて下さい。』


「……ないよ!! 逆にどうやって行くんだよ!!」


 私はその注意書きを見るや否や、突っ込みを入れた。いくら私が厨二病だからと言って、その注意書きがアホくさい事くらい分かるのだ。

 異世界に行けるのなら、逆に行き方を教えて欲しい位だよ!


 だけど……魔法に興味を惹かれた厨二病の私は、書かれている魔法を覚えるのに夢中になった。

 実際には使えない物だと分かってはいても、こんなカッコイイ物を覚えるのは、やはり楽しかった。


 それ以来……私は、寝る間も惜しんで魔法を覚えた。それはもう、これ迄の人生で一番頑張ったかも、と思う程である。


 そして私は……遂に、書いてある全ての魔法を覚えたのです!

 詠唱は長ったらしくてあまり覚えてないけど……で、でも! 使い方は覚えたもんね!


 そして私はサイトの一番下までスクロールすると、妙な表示が出てきた。


『このサイトにある全ての魔法を覚えた方が居ましたら、コチラのリンクをクリックして下さい。』


「……ふむふむ。私は全て覚えたぞ! クリックだ〜!」


 勢い良くクリックを押した。

 すると、またもや変な表示が出てきた。


『貴方は異世界に興味がありますか?』


「な、にゃんと! 厨二病の私が、異世界に興味が無いことがありましょうか? いいえ、ありません!」


 私はコチラのリンクも、すぐさまクリックした。それはもう、勢い良く。


 すると、突然私の周りが光り出し、私の意識が徐々に薄れていった――



「――こ、ここは……?」


 意識が戻った私は、アニメの中でしか見た事の無いような景色を目の当たりにしていた。


「こ、これってもしかして……私、異世界に転移した!?」


 厨二病JKはるちゃん、異世界に転移しました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても読やすいです [一言] 頑張ってください
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