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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あらすじだけ企画参加作品

僕の家族は世界一の魔導書です! ~狂王に復讐したくて追放された第二王子の味方になりましたが、何だか彼も様子がおかしいです~(短編化)

作者: 三羽高明

 この小説はとびらの様の『あらすじだけ企画』参加作品です。本文にはあらすじしか書いておりませんので、ご注意ください。


 伝説の聖女、リザイアを祖先に持つ魔導師一家のエリックは、家族と穏やかに生活していた。


 そんなある日、王命で国中の魔導師が処刑されてしまう。何とか難を逃れるも家族を奪われたエリックに残されたのは、表紙に見事な宝玉がついた言葉を話せる強力な魔導書のヘリオスだけだった。


 ヘリオスには過去の記憶がなかったが、二人はお互いに家族と認め合う間柄だ。ヘリオスはエリックを守ると誓い、王に復讐を望んだ彼に帯同した。


 二人は第二王子ニコライの元を訪れた。彼は王の凶行を諫めて王宮を追放された後、地方で兵を集めて反逆の機会を窺っていたのだ。


 王子は史上最も偉大な王であるハイリーンの転生体と言われていた。だが、その怪しい言動やヘリオスに向ける意味深長な眼差しに、エリックたちは違和感を覚える。


 そんな中、反乱軍は王と彼に従う第一王子を討つ事に成功した。


 その直後、エリックはヘリオスを奪おうとする謎の襲撃者に殺されかける。


 襲撃者の台詞により、二人はそれがニコライの差し金だと知った。彼の傍にいるのは危険だと判断し、二人はニコライの元を去る。


 かねてよりニコライに不信感を覚えていた二人は、この事件によって彼には秘密があると感じた。それを解く手掛かりは、ガーレという辺境にあった。


 ガーレに潜入した二人は、ここは霊魂たちが彷徨う地であると気付く。彼らは何故かヘリオスを知っている様子だった。


 霊魂は過去の戦争の話をする。何でも、戦いの勝者が作った国が、今エリックたちが暮らす王国らしい。


 その一方で戦争の敗北者たちは負けを認めず、ガーレに地下組織を作り反撃の準備を進めた。


 組織はある兵器を作り出した。周囲から魔力を奪う宝玉である。


 彼らはそれを密かに王国中にばら撒き、魔力が溜まりきった宝玉を自らに取り込む事で、相手の弱化と自分たちの強化を画策したのだ。


 その企みはある程度までは上手くいった。だが、長い年月が経ったある日、宝玉を保管する係による裏切りが発生した。


 彼は今まで組織が回収した宝玉を全て自分に取り込む事で、強大な力を得てしまったのだ。その人物こそが、かのハイリーンであった。


 抑圧された潜伏生活に嫌気が差していた彼は王国側に接触し、ガーレのアジトを密告。組織の者たちは処刑され、こうして霊魂の身となってしまったのだった。


 ハイリーンはその後も王国に留まり、自らの強い魔力を見せつけるような言動を繰り返した。やがて彼は王の目に留まり、その一人娘の夫として選ばれるまでになる。


 後にハイリーンは王位を継承し、その強い力を以って歴代で最も偉大な王と呼ばれる事となった。


 ヘリオスについた宝玉は、かつて組織が回収し損なった兵器の一つであるらしい。だが、ヘリオスは兵器の中の変わり種で、言葉を話せるのもその影響だった。


 霊魂から話を聞いたヘリオスは、あるきっかけにより自分の過去を思い出す。


 ヘリオスは他の宝玉と違い、意思がある故の苦悩を抱えていた。ヘリオスと偶々出会った聖女リザイアはそんな境遇に同情し、宝玉の使命から解き放つためにその姿を魔法で変えて、記憶も封じたのだった。そしてその後、ヘリオスを引き取ったのである。


 一方のエリックはニコライの前世の罪を知り、一度ヘリオスが狙われた事もあって、彼を野放しにできないと感じる。


 強い魔力を持つ王子に対抗するために、霊魂は非常用に用意していた宝玉を消失させる呪文を二人に教えた。術を使えば宝玉ごと王子の魔力は消えるが、同時にヘリオスも消滅してしまう。


 ガーレを後にした二人は王都へ向かった。そして王子に術を掛け、臣民の前でその腹の内を暴露させる。


 父王を魔法で操り乱心したように見せかけ、彼に従った第一王子と共に倒す事で第二王子の自分が王位を継げるようにした事。


 処刑されたはずの魔導師はまだ生きており、折を見て彼らの魔力を奪おうとしていた事。


 強い魔力が込められたヘリオスの宝玉も狙っていた事。


 白日の下に曝されたその目論見の数々は、前世と同じ彼の邪悪な本性を物語っていた。


 公衆の面前での強制的な告白により計画を潰された王子は激怒し、エリックを殺そうとする。


 だが、ヘリオスが消失の呪文を唱えた事で王子は魔力を失った。王子が動揺した隙に、エリックは彼を倒す。


 その頃には、ヘリオスはいなくなっていた。エリックは術の効果で消滅したのだと判断する。


 だが数年後、再び家族と暮らしていたエリックは偶然ヘリオスと再会する。


 実はあの宝玉はヘリオスの一部に過ぎず、術を掛けても他の部分が残っている限りヘリオスが消える事はなかったのだ。


 だが、自らの過去を思い出したヘリオスは、自分は厄介事の種になると感じ、こっそりとエリックの傍を離れたのである。


 そんなヘリオスに対し、エリックはまた一緒に暮らしたいと告げる。


 心内では寂しい思いをしていたヘリオスは迷った末にその申し出を受け入れ、エリックの家族は今度こそ完璧な形で再現されたのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] しょっぱなから国中の魔導士皆殺しとは凄惨なスタートですね! なんとか難を逃れることのできた主人公が持つものは強力な魔導書。 もうこの組み合わせだけで希望を感じます。 このペア絶対でかいこと…
[良い点] キャラクターと世界観の設定がとても良いですね。 何もかもをなくした魔導師の少年と、言葉を話す魔道書というコンビはそれだけでオイシイ。魔法という存在がただ便利な超科学や戦闘手段だけでなく、危…
[良い点] 過去の因縁……いい!(・∀・) 家族も無事でよかった! ヘリオスを失うかもしれない、というところにもドラマがあるんだろうな~ [気になる点] ガーレにて、過去の戦いで勝った側が国を治めた……
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