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① 6つの属性

 4月 春  それは、出会いがあり別れがある季節。


これは、俺の体験した高校生活のお話・・・


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!早く起きて!早く起きないと遅刻するの!早く起きて!お兄ちゃん!」


 俺、田伏たぶし 一樹いつきは、朝から必死になって起こそうとしてくれる、俺の義妹である三女の莉亜りあを無視してそのまま寝続けようとしていた。ある目的の達成のために。


「莉亜、もういいよ。こんなダメな奴は放っておいて、私達の準備をしようよ。私も準備をしないといけないし、こんなのに時間は取ってられないからね。」


莉亜と一緒に俺を起こしに来た、義妹の長女・風香が、なかなかキツい事を言ってきた。そこで、反論の一つでもしてやろうと思い、ベッドから跳ね起きて風香に言ってやった。


「さっきから黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!黙って抵抗すれば、「早く起きないとお兄ちゃんの体にいたずらするぞ❤︎」って言われるかもと期待していたのに!お前のせいで全て台無しだ!どう責任とってくれるんだよ!」


「清々しい程の屑ね。まだ小さい妹になにさせようとしてるのよ。いっその事いたずらされて地獄に落ちちゃえば良いのに。あ!それとも私がいたずらしてあげようか?どうなっても知らないけど!」


「いや、お前のいたずらは期待してないから。だってその胸じゃあなぁ、期待しようにも出来ないからなぁ...ふっ」


妹物のエロゲーによくある朝の起こし方をしてもらおうとしていた事を告げてみたら、風香が誰の得にもならない提案をしてきたので、真実と一緒に断ってみたら、ものすごく怖い顔で俺の側にゆっくりと寄ってきた。


「別に...エロい意味で言ったんじゃないのに...!少しだけ痛い目合わせようと思っただけなのに...!」


「ちょ、ちょっと風香さん?そんな顔をすると可愛い顔が勿体無いですよ?だからそろそろ止まって欲しいなぁ、と・・・分かった!調子に乗った俺が悪かった!だから振り上げた拳を下げて欲しいです!ごめんなさいごめんなさい!反省してますごめんなさーい!!」


「今頃反省しても遅いのよ!この変態スケベ野郎!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ったく、あんなに強く殴らなくたって良いだろうが」


俺は風香に殴られた箇所を摩りながら、朝食を摂ろうとリビングに向かっていた。


風香は俺を殴ったあと怒りながら先にリビングに向かって行った。


「あれはお兄ちゃんが完全に悪いの。後で謝った方が良いの。ふうお姉ちゃんすごく怒ってたの」


莉亜は俺に説教をしながら後ろを歩いていた。


「ちょっと調子に乗ったかなー。後で風香が好きそうな物買ってあげて機嫌でも取るか。」


「反省の心が見えないの。そんなお兄ちゃんなんて大嫌いなの!」


それは困る。

とても困る。


風香の機嫌をとれても莉亜の機嫌が悪くなれば、俺からすると一歩進んで二歩下がる状態になってしまう。

なぜなら、風香よりも莉亜に嫌われる方が心のダメージがでかいからだ。こんなに可愛い妹に大嫌いなんて言われたら2日間は飲み食い出来なさそうだったので、急いでさっきの言葉を訂正した。


「嘘だよ嘘嘘!学校でもきちんと謝っておくから嫌わないでくれ!莉亜〜!!」


「分かったの!すぐに自分の誤ちを反省するお兄ちゃん大好きなの!それと今日の朝食担当は、ゆうお姉ちゃんなの。量が多いはずなの。食べれるの?」


お兄ちゃん大好きの言葉を受けて、朝からやる気になった俺は、莉亜の質問にニヤニヤしながら返事した。


「多分食べれると思う。でもあいつの出す量は本当に多いからなぁ。もし無理だったら帰ってきてから食べようかな。」


「どうしてニヤニヤしながら返事しているの?気持ち悪いの」


朝からやる気が無くなりました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おはよう優香ゆうか風香ふうかを見なかったか?あいつに用があるんだけど・・・って多すぎだろ⁉︎この量を朝から食べろってことか⁉︎」


朝食の準備をしていた義妹の次女・優香に、風香の居場所を聞き出そうと思って話しかけたが、テーブルいっぱいに敷き詰められた朝食を見て驚きを隠せなかった。


「仕方ないよ。朝食は1日の元気の源!朝食べるか食べないかで1日の体調が変わるのよ。せっかく作ったんだし食べて食べて!味には自信あるから!」


俺は促されるがままに自分の席について、朝食を摂り始めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この田伏家は他の家庭とはちょっと変わってて、元々俺達・田伏たぶし家と、風香達・美空みそら家は、家が近所という事もあり家族同然のように仲良く過ごしていた。


しかしある日、美空家は近場ではあるが山を超えないと行けない旅館に行くと言い出かけた。


その日は大雨が降っていて、山道がとても滑りやすい状態であった。


だけど、旅館のキャンセルをすると、次に予約をとれるのがいつになるか分からない状況だったらしく、大雨の中出発したのだ。


そして事故は起こった。


その山道は崖沿いにできた道路で、大雨で地崩れがしやすい状態だったのだ。


美空家は運悪くその地崩れに巻き込まれ、車ごと崖から落ちたのだ。


落ちた先に木がたくさん生えていて、それがクッションになったらしく車はペシャンコにならずに済んだ。


しかし、運転席にいた父は木々の枝に胸を貫かれていて瀕死の状態、母は娘達を庇って、木から落ちた車の衝撃をもろに受けて吐血。お互い病院で死亡した。


残った三人の姉妹はいとこに預けられる事となったが、そこの叔父が傷心の風香に手を出そうとしてレイプ未遂として警察に逮捕された。


その後、1番信用出来る俺達田伏家の元に、三姉妹は養子として迎えられた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「兄さん?ぼーっとしてるけど大丈夫?具合悪いの?」


昔の事を思い出していた俺の顔を、優香は心配そうに覗き込んで見てきた。


「あ、あぁ大丈夫だよ。ちょっと昔の事思い出しててな。」


優香は、昔の事?と首を傾げて考えていたが、


「あぁ!お兄ちゃんは今朝の事を考えていたの?大丈夫なの!ふうお姉ちゃんは謝ったら許してくれるの。だから気負わないの、お兄ちゃん!」


もっと昔の事を思い出していたんだけど、莉亜りあの言葉にピンッ!ときたのか、優香が聞き捨てならない事を言った。


「そういえばふうが言っていたんだけど、残った朝食は全て一樹が食べてくれるから!って言って家を出て行ったよ?」


それを聞いた俺は鞄を掴んで家を飛び出した。


「あの女ぁ!この量全て俺に押しつけやがって!許さねえぞ!!」


新たに謝罪以外に説教をするという目的が増えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今年から俺達が通う学校・花魁学園おいらんがくえんは、創立45年の私立の学校だ。


この学園は偏差値こそ普通だが、昔から普通では無いところがある。それは・・・


「おぉ!新入生か!!俺達の部活に入らねぇか!やった事なくても大丈夫だ!部費さえ払えば後は来ても来なくてもいいぞ!ぜひうちの部活に!」


部費目当てを隠さない馬鹿な先輩。


「ひっひっひ、化学研究部はどーすかー?怪しい物は作っておりませんよ〜。たまぁにボンってなって怪我はしますけど...ひっひっひ」


ちょっと頭がおかしい先輩


「そこの可愛い坊や?私たちといい事しない?」


男を誘う魅惑の体を持つ先輩方の面々。


あたりを見回してもおかしな部活やおかしな人ばかり。


そう、花魁学園は普通じゃ無い人達がなぜか多く集まる、奇人変人のオンパレードな学園なのだ!


なんとか部活の勧誘を抜けて自分の教室に着くと、俺の後ろの席の男子が話しかけてきた。


「はじめまして、僕の名前は新村にいむら たかしだ。よろしく」


と、言った新村さんは右手を差し出して握手の形をとる。


俺はその手を握り返して自己紹介をした。


「俺は田伏 一樹、こちらこそ1年間よろしく!」そう言った俺は手を離そうとした、が、新村君は手を離さないどころかもっと力を入れてきた。


びっくりした俺はその手を離させようと必死に振り解こうとしていたが、全然離れない。こいつ思ったより力あるな。ビクともしねぇ!


その時、焦っている俺に新村が衝撃の発言をした。


「田伏君はホモに受けそうな顔をしているね」


俺の時間が止まった。


落ち着けよ俺、大丈夫、俺は冷静だ。冷静に対処するためには落ち着く事が大事だ。聞き間違いかもしれないな。よし、もう一度聞くか。


「ごめん、今なんて?」


「ホモに受けそうな顔だなと言ったんだ。」


瞬間、俺は冷静さを無くし、急いで教室を飛び出した。


まさか1発目に会うのがホモだったとは思わなかった。


この学園どうなってるんだよ!


とりあえず屋上に逃げ込もうと思い、階段を走っている途中、風香とすれ違った。


そういえば風香もこの学校だったな。あいつ、今何か言ってたけど何も聞こえねぇ!後で何言おうとしてたのか聞こうか。


とりあえず今は屋上で待機だ!


そんな事を考えているうちに、あっという間に屋上の扉の前に着いた。これでしばらくは安静に過ごせる。そう思い扉を開けた。


そこにはすでに誰かがいた。


その姿をよく見た俺は、目を疑った。


髪はポニーテールにして括っていて、顔はとても綺麗に整っていて、身長は160cmぐらいの、なぜか男物のズボンを履いている女の子が立っていた。


俺はその子に見惚れていると、その子もこっちに気づいたらしく歩み寄ってくる。


「君も新入生なのかな?僕の名前は葛城かつらぎ しゅう。君の名前は?どうしてここにきたんだい?」


僕っ子美少女の葛城さんは俺に質問をしてきた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    〜今回の登場キャラ紹介〜



田伏一樹たぶしいつき


誕生日・・・7月25日


年齢・・・16歳


血液型・・・O型


特徴・・・どこにでもいそうな普通の顔。女子からは

     モテず、「かわいい!」と思った女の子は

     全てイケメンにとられている。そのため、

     イケメンを嫌う傾向がある。

     身長は170cm。  

     実の妹と姉がいるが、いろいろあって3人の

     義妹ができた。

     幼馴染で妹である【風香】とはしょっちゅ

     う喧嘩している。

     


田伏風香たぶしふうか

     

誕生日・・・7月26日


年齢・・・16歳


血液型・・・Α型


特徴


母親譲りの超美人。ただし、胸が育たないことにコンプレックスを抱いている。

中学生の頃交通事故で両親を亡くし、親戚の叔父に預けられたがその叔父にレイプされそうになった所に一樹が助けに来て無事、未遂で終わったという過去をもっている。

その後は、三姉妹共田伏家の養子になった。

一樹に好意を抱いているが、素直に気持ちが伝えられず、いつも空回りして喧嘩になっている。いわゆる、ツンデレ。



田伏優香たぶしゆうか


誕生日・・・8月7日


年齢・・・14歳


血液型・・・Α型

      

特徴


父親譲りの頑固さと負けず嫌い。あと大食い。

顔立ちは母親似の美人。胸は中学生にしてEカップ。

姉とは対照的に、よく食べてよく運動するので、食べ物の栄養が胸に行き、付いた脂肪は燃焼するのでスタイル抜群。1度モデルの勧誘が来たが、近くに居た一樹が追い払った。追い払った理由は「世間様にうちの妹の体をじろじろ見られたく無い!」から、らしい。

料理は上手くて美味いが、作る量が多すぎる。

しっかり者の大食い美人である。


田伏莉亜たぶしりあ


誕生日・・・2月14日


年齢・・・9歳


血液型・・・A型


特徴


語尾に「なの」をつける。

この子もやはり綺麗な子で、同学年の男子からよく告白されるが、それを兄である一樹に報告すると、「ちょっとシめてくるわ」と言わせる程、溺愛されている。

天然っ子でたまぁにドジを踏む。

お兄ちゃんっ子で、一樹によく甘える。 


新村隆にいむらたかし


誕生日・・・10月6日


年齢・・・16歳


血液型・・・B型


特徴


ホモ


以上。




葛城秀かつらぎしゅう


誕生日・・・9月1日


年齢・・・16歳


血液型・・・O型


屋上に居た謎の美少女(?)

次話にて正体が分かる。

お楽しみに!







 









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