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9話 冒険者登録

やっと冒険者登録するところまで書けました。

呪いが解かれてから忙しなく環境が移り変わっていくカインだったが、コールマンの家に落ち着くことになった。


セフィア達が屋敷に戻り、コールマンと2人になっていくつか質問を受けた。


「坊主、これからは貴族の扱いを受けられると思うでないぞ?儂にとっては身分など馬の糞と変わらんのじゃからの〜、ヒョッホッホ。

ほいでお前さんのスキルが特殊ということは分かっておる。何のスキルを得たのじゃ?」



「は、はい。えっと"逆転(リバース) "というスキルです」


「ふむふむ、逆転(リバース) とな。そのようなスキルは過去に発現された記録はないのぉ。となると何かしらの神の手解きを受けた可能性があるかもしれんの。お主、心当たりはあるかの?」



「はっきりとは覚えていないのですが、少し前に1度死んでしまったようで・・・、そのあとすぐに生き返ってからスキルを覚えたんです。スキルを使って分かったんですけど、俺は呪いを受けていたようなんです・・・」



「ふむ、なるほどのぉ。つまり呪いを逆転させた、ということかの?お前さん他にもスキルを覚えたのかの?」


「あ、はい!成長促進と肉体強化、魔力還元と千里眼というスキルを逆転(リバース) を使ったら覚えました」



「なんじゃそのメインディッシュのオンパレードみたいなスキルは!しかし・・・うぅ〜む、そうか。お前さん相当苦労したようじゃの・・・」

コールマンは天を仰ぎ、若干表情を曇らせた。

カインがいくつもの呪いを同時にかけられていたことを理解し、何かしら良からぬ者が紐づいていることに同情したからだ。



「俺は今まで身体が弱く、目も良く見えなかったので、これからは強くなって広い世界で大冒険をしたいんです!」


「ほう、つまり儂の本当の弟子になるということで良いのじゃな?さっきセフィア嬢に言ったのは何か事情があるから身分を隠す為にそういうことにするつもりじゃったのだが・・・。

まぁ良いじゃろう。ではまずは街に行くとするかの」


「街に?ですか?」


「お前さんの生活用品を用意せねばならんじゃろ。儂はちと用事があるから1人で必要な物を揃えるがよい。金はこれを使えばよい。あとからセフィア嬢に貰うから遠慮せんでよいでな、にょほっほ」


では行くぞ、とすぐに街へと向かった。

コールマンは歩かなかった。大人の全速力と同等の速さで地面を水平移動していた。性格には少しだけ浮いていた。

カインは肉体強化を使って後ろ姿を残すのがやっとだった。一般常識に疎いカインではあったが流石に賢人コールマンの行動が異常だとは分かり、この方に師事して貰えることは幸運なことだと思った。



街の門までほぼ一直線に進んだ為、道無き道や数メートル幅の川も越え、あっという間に街まで着いた。往路に比べて半分程の時間で街に戻ってくることが出来たがカインは常に肉体強化を使っていたために大粒の汗をかき、肩で息をし、コールマンに追いついた頃には立っているのがやっとだった。


「鍛錬が足らんようじゃのぉ。帰りは肉体強化を使わずに戻れ。必要な物が揃ったらお主は1人で先に戻っておるのじゃぞ。」


「はぁ・・・はぁ・・・、わ、分かりました・・・」


門番にカインは自分の弟子だと伝え、仮入門証を発行してもらった。


「身分証も持っておらんとはのぉ、お主まずは冒険者ギルドで登録をしてくるのじゃ。買い物はその後にでもするんじゃの。にょほっほ」


と街に入ってからというもの、コールマンはやけにニコニコというよりニヤニヤといういやらしい顔つきでいた。


今日はアミリちゃんにしようか、はたまたミランダちゃんにしようか・・・などと口ずさみながら


「ではここで解散じゃ!おっと、そうじゃそうじゃ。念の為この腕輪を着けておけ。何かあれば助けてくれるじゃろうて」


腕輪を渡したらすぐに踵を返し、にょほほ〜と足早に歓楽街方面へと姿を小さくしていった。


あのお爺さん・・・凄いけど・・・・・・凄い女好きだ。


コールマンへの印象がさっきまでの尊敬の念が薄れ、不安を残し、乾いた風が虚しく体を通る。



気を取り直したカインは、門番に冒険者ギルドの場所を確認して足を重たく進めた。



剣と魔物と金貨の描かれた看板を見つけ、「ここだ!」と扉を開けると右側に受付のカウンターがあり、左側には飲食が出来るスペースが柵で仕切られている。正面奥には左からAから順にGまでのクエストボードがかけられている。


受付のカウンターの方へ行くと、

「こんにちは!クエストの依頼でしょうか?」

と可愛らしい女の人が愛嬌良く話を切り出してくれた。


「えっと、登録をしに来たんですけど、ここで大丈夫ですか?」


「冒険者登録でしたか、失礼しました。こちらで登録が出来ますよ。この登録用紙に名前と職業を記入してください。代筆も可能なので必要なら言ってくださいね」


「一応書けるので大丈夫です。あと職業はまだ特にないんですけど・・・」と話すと、


「その若さで字が書けるなんて、貴族様でしたか?あ、いえいえ、なんでもありません!冒険者への詮索はタブーでした!

えっと、そうそう職業はまだないということでしたら空白で大丈夫です。もし職業が決まったら報告して下さるとクエストの斡旋もしやすいので教えてくれると助かります」


なるほどなぁ、と思いながら名前だけ用紙に書いた。

コールマンの言いつけの通り、プロメテアの家名を書かずに。


「カインさん、ですね。では少々お待ちください」と言って、奥の部屋へいき、鉛色のプレートを持って戻ってきた。


「ここに1滴でいいので血をかけてください。そうするとこのプレートがカインさんのだと登録が出来ます。登録が完了すると血液または魔力でプレートを青く光らせて本人確認が出来るようになります。入門の時などは魔力を流したプレートを見せればすんなり入れますからね。あ、でも窃盗や人殺しなどをすると赤く光るようになるので覚えておいてくださいね!」



その後、冒険者ギルドでの基本的な説明や依頼の受け方、依頼達成時の手順をしてもらってギルドを出た。

冒険者登録するとまずはGランクになる。クエストをいくつか達成すると上の依頼を受けても良いとギルド側から依頼の斡旋が来て、それにクリアすると等級が上がるようだ。


今はまずコールマン様に鍛えて貰う。もし冒険者として動ける時間があったらまた来よう、と胸に留めた。



この街で唯一頼れる人のところへ行ってみることにした。

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