2話 逆戻り?
もう大丈夫、そう思ってた時期が俺にもありました・・・
逆転 を得た翌日には呪いの効果も無くなり自由に動くことが楽しくて楽しくて、
ついつい調子に乗って走り回ったり、剣術の稽古の真似をしたりとはしゃいでしまった。
うん、そうか。なるほど。
これが筋肉痛か・・・、またベッドの上に逆戻りだよ。
「カインったらよっぽど動けるようになって嬉しかったのね、でも母さんも嬉しいわ。あなたがこうして楽しそうな笑顔で居てくれるだけですっごく幸せよ」
「母様、喜んでくれているのは嬉しいんですが、体を擦るのはやめ、あっ、筋肉痛がぁー!うっ!」
「うふふ、今度一緒に散歩やピクニック、街に出掛けるのもいいわね〜」
母のセフィアは何の気なしに俺の体をいじってくる。今までの優しい母親の印象と違い、この天然ドSが本性だったのだろうか。
暫く母親に優しめの拷問を受けた後、俺はスキルの確認をしていた。
まずは"逆転 "だ。
これはどうやら呪いとかの悪い効果を良い効果に置き換えることが出来るようだ。
やりたくはないけど良い効果を悪い効果にすることも出来るのだろうか?
これは検証する必要があるかもしれないな。
ただこのスキル、使い方がいまいち良く分からないんだよな。
初めて使った時にいっぺんに効果が出たみたいだったから一部に使えるのかどうか、
もし全部に効果が反映されるとしたら折角肉体強化や魔力還元のスキルが呪いに逆戻りしてしまうかもしれない。
それだけは裂けたいな。
あとこれ使うとまた気絶しちゃうかもだし、慎重に実験しよう。
次は千里眼。
ぼんやりとしか見えなかった景色が鮮明に見えるようになったスキルだ。
正直このスキルは一番嬉しかった。
視力が弱いと冒険には出られないからだ。
高価な眼鏡を付けて冒険することは可能だけど壊れたり外れたりしただけで命の危険は格段に上がってしまう。
外の世界には怖い魔物が沢山いるらしいからな。
あと魔力を使って強く念じるとかなり遠くまで視ることが出来るみたいだった。
しかも俯瞰して見たり、拡大して見たりも出来てめちゃくちゃ便利なんだよな。
肉体強化は分かりやすいスキルで、
強化したい部位に魔力を注ぐイメージで念じると力が強化されるんだ。
足を肉体強化すれば早く走れたり、高く跳べたりするみたいだな。
いろいろと試したいのは山々なんだけど、
今の惨状がそんなに甘くないことを物語っている。
そう、ベースとなる肉体が強化に追いつかなかったんだ。
だから体力を付けて、体を鍛えないといけない。
明日から体力つける稽古もしていこう。
魔力還元はスキルを得てからは自動で発動してるみたいで常に外部の魔気と内部の魔気を循環してくれている。
そのおかげか体の調子がとても良く、筋肉痛はあるけど元気はたっぷりって感じがする。
もしかしたら魔法も使えるようになるかも?なんて贅沢言い過ぎかな?
いつか試しに魔法を習ってみるのもいいかもな。
憧れの冒険者はいろんな魔法を使うみたいだし、
父様や母様にも今度聞いてみよう。
そして最後に成長促進。
実はこのスキルだけはまだ使ってなかったんだ。
というか使い方が良く分からないんだよな。
もしかしたら魔力還元みたいに自動で発動してるのかもしれないけど、効果が分からないから確かめようもない。
だからこのスキルは完全に様子見だな。
まだまだ分からないことも多いけど明日から体力作りと実験をしていこう。
とりあえず母様達も心配するだろうし、今日のところはゆっくり筋肉痛を治すことに専念しようかな。
****************
****************
****************
ピサロへ報告をしたメイドは、招集命令を他のメイド達に告げたあと、すぐに屋敷を出ていた。
向かったのはある老人が隠居している屋敷だった。
「ジードン様、ついにカイン様がお亡くなりになられました」
「ふん、カインに様など付けんでもよいわ!しかし、、そうか、ようやくか。なかなかしぶとかったのう。まあよい、ではそろそろハルクにも教育をせねばならぬな、」
カインの祖父であるジードンとプロメテア家のメイド、次の計画に思考を巡らせていく。