頂いたファンアートと、読み手のネコ様からの選評置き場。
『咲夜。人の寿命は見える私と、来年までに死ぬ彼の話。』に騰成様よりファンアートを頂きました。ありがとうございます……!
企画モノのイラストはそこそこ貰っていましたがファンアートというのは殆ど貰った経験がなく、とても嬉しいです。
こちら、シナリオ内で重要な意味を持つ横断歩道と二人の描写を描いていただきました。ネタバレになるので、あまり語れないのがちと悔しいのですが……苦笑。
咲夜の髪色に関しましては、mu様にイラストを依頼した時、カラーラフが思いの外紫色であがってきて「ひえっ」と思ったのですが、一周回って「それも面白い」となりそのままゴーサインを出しました。
結果できあがってきた完成版は更に紫になっていて「ひえっ (二度目)」だったのですが、もう全然オッケーと思い今の表紙になったんですが結果として正解ですよね? (たぶん)
それからもう一件。こちらはツイッターのアイコン企画ものですが、藤原アオイ様に本作のヒロイン夢乃明日香を描いていただきました。
基本的に明るくて活動的ながら、どこか達観した見方もするクールビューティーな彼女のイメージがよく出ているのではないでしょうか?
ありがとうございました。
……と、貰ったファンアートの序でといってはなんですが、第五回読み手のネコ様のレビュー企画で頂いた選評も掲載しておきます。
とんでもない高評価を頂き、本当に感謝しているのと同時に、凄く励みになりました。あらためまして、ありがとうございました。
───ここから、ツイッター上で書いて頂いた選評───
この作品、読みネコ企画の中でもトップクラスの作品だと断言します。 ネコ、これまでの企画で一番面白いって言ってた作品はある人の短編小説なんですが、どっちが一位とはもう決めれませんでした。 長文小説の中では間違いなくネコが読んだ作品で一番面白いと思えた作品です。
ネコ、安易に『これまで読んだ作品で1番よかった』というフレーズは使わないので、本心の言葉として受け取っていただけると幸いです。 つい先ほど読み終わったばかりなので、余韻に浸りつつの感想ツイートになる分、言語化できない要素が多くなりそうです...。
こちらの作品の魅力となるテーマは 『人の寿命を見据える少女』 『余命一年の先輩』 『救えたかもしれない命を見捨てた後悔』 これらを主軸として描かれていて、 ジャンルテーマの『恋愛』も含んだものとなっています。
今このツイートも書いたり消したり書いたり消したりを繰り返しているのですが、 登場人物 シナリオ 伏線 構成 描写 心象変化 何をあげても語りたいことはたくさんあるのですが、この作品を読んで感じた事を言語化することが難しいです...。
人の寿命を見ることができる少女、『咲夜』は寿命が見えるが故の悩みを多く持っているのですが、 『自分の行動しだいで救えたかもしれない命を見捨て、 その結果、その人物の死を目の前で目撃した』 という体験からの後悔やトラウマもその一つでした。
後悔から、『救えるかもしれない人の命は助けたい』 と考えるようになっていた咲夜の入学式当日、 学校の校舎の屋上、フェンスから身を乗り出している男子生徒を目撃し、 咲夜は衝動的に駆け出して、屋上を目指しました。 これが『咲夜と余命1年の先輩の出会い』のシナリオの起点です。
屋上で、先輩と対話し、 自殺の意思はないこと 病苦を持っているようには見えないこと これらのことから、咲夜は先輩が何かの事件に巻き込まれるのかもと確信し、どうにかして助けたいと思うようになりました。 その後、クラスメイトの紹介で訪れた文芸部で先輩と再会を果たします。
実際に助けることが出来るのか、そんなことを考える咲夜は 『余命一年の小学生』のシナリオで、知らないことの方が多かった能力に新たな発見をします。 寿命がわずかになると余命の数字に異変が起こる。 そして、『死』を回避すると極端に少ない寿命は適正な寿命を示すようになる。
この小学生を助けた事をきっかけに、自分の干渉によって助けることができる命があるとわかった咲夜は、 先輩を助ける決意をし、これまで以上に積極的な交流を先輩と行うようになり...。 という大まかなここまでの流れがメインシナリオの起点かな~という印象。
この起点以降では、 『咲夜の先輩に対する心象変化』──(ネタバレ回避のため中略)── ざっくりと上げればこの様なお話がメインシナリオで語られます。
ネコ的に、ひとつの主軸となる設定で、ここまで多くのシナリオを派生させて、 尚且つ全てのシナリオが語られて無駄のない、全てが繋がる物語になっているのが、語彙力を失う感動ポイントの1つです。 シナリオ、タイトルテーマがシンプルでここまで壮大な面白い物語は企画の中で初めてのものでした。
登場人物に関して、 『寿命を見据える咲夜』 『余命一年の先輩』 『咲夜が自分の依存先にしている親友』 『先輩を想い続けている部活メンバー』 『先輩の過去を知る男性』 『咲夜の目の前で命を落とした女性』
それぞれの人物が『過去』や『想い』『繋がり』をもっていて、 物語のキーポイントに何かしらの形で関与をする重要な役割を持っているのが、 物語の厚みを生み出す上で、すごい...。と絶句したポイントです。 物語の厚みもモッサリ感は全くなく、読み飛ばすところの全くない文章でした。
語彙力を失うポイントの一つに、伏線という要素があったのですが、 伏線って物語の一連の流れが繋がる壮大で大きな物というイメージがネコにはあって、 この作品で張られる伏線は、細かく張って少しずつ回収というスタイルだったのですが、
登場人物の『過去』『想い』『関係性』といったような、 メインシナリオを一つに結ぶものではなく、登場人物についての補足情報を小出しにして、伏線にするといった、表現をされていて、 登場人物の心象について考えさせられるようなものとなっていました。
世界観や、設定、展開や心象変化。 どれかの要素が突出してたら面白い作品って評価を送ってるネコなんだけど、 この作品はどの要素をみても面白さが群を抜いてて、読んでる途中で『今読んでる作品がえげつないくらい面白い』 ってツイートを作成した経緯でもあります。
この作品の表現に関して、 一人称視点、一視点進行でシンプルに読みやすいほか、 説明パート無しでも成り立つほど、 咲夜がシナリオの各場面で感じていた印象や感情、考えや想いなどが描写されているので、 濃密な情報でもあっさりと読める面白い文章となっていました。
心象変化を大事にしてある作品なので、 細かく対話相手の表情や仕草などもしっかりと描かれているのですが、 その対話相手の感情によって弱々しくなる動きや、感情の昂ぶりで変化する呼吸など、 繊細な心象変化を表現する描写としての着眼点が、素敵過ぎました。
この第五回企画では気になる点を挙げるというコンセプトがありますが、 指摘要素は一切ありません。 この文章を完成させるまでに注いだ、並々ならぬ努力の総量が気になるかもしれません。
ここまでが、ネコが完全に語彙録をなくした作品への感想ツイートとなります。 読みネコ企画で過去1番とは断言するには惜しいくらい、暫定1位の作品も好きなので、 読みネコ企画同率1位の作品と表現させてください。 長編作品のカテゴリーでは間違いなく1番心に響いた面白い作品と断言できます。
レビューに関して、 掲載サイトがなろうということで、この感動を400文字に収めれる言語化をする時間が欲しいです...。 この作品は本当に素敵な作品でした。
もっと多くの人に読んで欲しいしいと思う作品です。 絶対現在の評価と作品のクオリティが一致をしていない、 埋もれている名作だと思います。 比喩なし、誇張なしで本当に書籍レベルの作品でした。 しかも並大抵の書籍よりも面白かったです。