000素体
『情報修正対象の危険度ランクをAからSに変更』
「しぶといな! でも僕の太陽の巨人なら!」
激しい攻撃で黒い機体は片腕を失っている。
相手はスーパーロボットと言われる世界の常識と法則か逸脱した。
神秘の鉄機の一柱。
攻撃力と防御力にたけたその機体は太陽を模した装飾と光輪を背中に背負う。
一見無駄に思える背中に生えた機械の羽もこの機体の神々しさを引き立てるのに一役買っている。
これ以上つけるとごてごてしてしまうような装飾の絶妙なバランス。
攻撃力と防御力にたけ神々しささえ内包するこの機体に敵対するのは相手は貧弱すぎる。
黒の合金の装飾もない合理的な貧弱なボディ。
一撃より弾数に重きを置いた武装。
接近戦用の武器を廃したいわゆるリアルロボットに近い。
世界が違えば十分世界の脅威となりうる鉄機ではあるが、こちらの世界では通用するわけもなく。
その程度の火力スーパーロボットに通用する道理はない。
その事実はその黒い機体を操る存在も驚きが隠せないが。
だが同時にそれは僥倖であった。
『対象のデータ更新算出します。当機との装甲差300%……出力差400%……地表空中移動スピード差マイナス85%……』
「次で最後だ! 僕の必殺技をくらえ! 爆炎大切斬!」
そういって体を黄金色に輝かせ天高く背のブースターで飛び上がった。
すると大地の中らから大剣が飛び上がりその機体の手に。
一方の黒の機体は動きを止めた。
これは負けを認めているだけではない情報を少しでも持ち越すために動きを止めたのだ。
『戦術機骸Ver0.9……当機敗北確立99%……戦術補助プログラム起動します……』
「爆炎大切斬!」
『プログラム起動……対象ロックオン浸食開始します……浸食成』
その言葉とともに上空から黒の機体に叩きつけられた大剣を中心に爆炎が立ち上る。
そうして黒の機体跡形もなく消えた。
ちなみにこのスーパーロボットは主人公ではありません




