ないものねだり
あれこれと
欠けたピースを数える癖は
いつになっても抜けなくて
気がつけば
泥濘に足をとられ
今日も長いため息をつく
――空っぽに、なりたいんだ
見えない何かに急かされて
日常のここかしこに散らばる
小さな光を取りこぼす
――空っぽに、なってしまいたいんだよ
痛いほどに背伸びをしながら
彼方ばかりを見つめて
べったりと背中にはりついた
正体のない不安が
いつでも僕を脆くする
君の乾いた指先に
ひそかに宿る温もりで
できそこないのこのこころを
繕うことができたら
そうできたなら