星が綺麗ですね
「星が綺麗ですね」
ふと頭に浮かんだそんな語句を私は、私にもたれ掛かっているお前に囁くよう言った。
頭上を満点の星空が煌めいている。2人で手を伸ばせば触れ合えるだろうか
答えは否だ
隣のお前はずっと真っ暗な海を見つめてはなそうとしない
真っ暗な海を映すお前の瞳は私を写してくれない
せめて同じものを映してくれたらなと私は思うのだ
そうすれば
同じ感情を共有できるのに
そうすれば
手を伸ばし触れ合えるのに
そうすれば
私は一人じゃ無くなるのに
そうすれば
お前は一人じゃ無くなるのに
星が一つ流れ
私は一人空を見上げた
星が綺麗なのは
きっと手に入らないからだ
お前が綺麗なのは
きっと私を写してくれないからだ