表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人外騎士様”人間への道”  作者: 闇闇闇
1/2

プロローグ

よろしくお願いします。

『輪廻転生』などというモノを知っているだろうか。

天寿を終えてあの世に還った魂が再びこの世に生まれ変わってくるという仏教やヒンドゥー教の思想である。別に僕が信仰の厚い教徒だったとかオカルトが大好きだったとかそんなことが言いたいのでは無い。

ただ1つ、あなた達に問いたいのだ。



”この概念は実在すると思うか?”と。



重い瞼を開くとゴツゴツとした岩肌が目に映る。顔を横に向けるとこの岩に囲まれた世界からの出口が見える。耳を澄ますと濁ったイビキに混じって聞こえてくる水の流れる音。近くで水が湧き出しているのだから当然か。いつもと変わらぬ周りの様子に短く溜息を吐きゆっくりと立ち上がる。…寝違えでもしたのだろうか。やたらと首が痛い。と思いきや先ほど横になっていた場所に同胞の腕があった。…どうやら寝ている間に殴られたらしい。軽く首を回して水音へ歩みを進める。それは風呂桶程度の小さな水溜りであった。ゆっくりと水を覗き込む。写るのは醜悪な顔をした怪物だ。目は黄色く淀み、鼻と呼べるか怪しい顔の中央に空いた1つの穴。その下に見えるのは唇が無く、歯茎までむき出しになった赤い裂け目。いつもと変わらぬ僕の顔だ。

水を片手に三本しかない指を使い痛む場所へ水をかけ冷やす。…多少は楽になった・・ような気がしないでもない。恨みを込めて僕を殴ったであろう同胞を睨みつけるがそんなものに意味もなく同胞はイビキをかき続けるだけだ。僕の緑色の血潮が熱くなるが、すぐに萎えていく。今度は水源の近くに腰を下ろしゆっくりと瞼を閉じた。


今、ここに僕は自信を持って述べよう。


【転生は実在するのだ】と。

誤字脱字等あれば連絡お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ