No.02
本日一話目!
時は半年前まで遡る。
人の国、フェノーラの王と王子は頭を悩ませていた。
二ヶ月後に来る魔族の交渉役の王子と宰相のもてなし方が分からないのだ。
今まで関わりを持つ事さえも困難だった相手だ。
あちらがどんな物を食しているのかも分からない。
礼儀作法は?
食べちゃいけないものとかもあるのだろうか?
今までは売買されていたとある魔族がどうやら王族とパイプがある者だったらしく交渉のために連絡係として行き交ってくれていたため、こちらもあちらに行くこともなく逆も然りだった。
それで、そういった質問があらゆる部署から来ているのだ。
そりゃあ、直接質問すれば良いのだが…そうもいかないのが王族なのだ。
こちらが下手に出すぎると侮られてしまうかもしれない…それは一番避けなければならない。
あくまでもこの国交は対等に行わなければならないのだ。
というのは建前でただ単にプライドが許さないのも事実だ。
「あの……とぅ……陛下……。 どうしましよう?」
「今それを考えているんだろう!?どうすれば良いって聞きたいのは俺の方だ!!正直逃げたい……」
涙声で叫んで頭を深く抱え込んでしまったのは国王のソロン・ディ・フェノーラだ。
自分の息子であり第一王子のユーリ・ディ・フェノーラと、気の許せる相手である宰相のデュアル・フェイ・オリエラの三人しかいない部屋でついつい地が出てしまっている。