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No.07

***


その後、私はテル爺を引っ張り回し色々なものを教えてもらった。

地面に咲いている色とりどりのモノは“ハナ”。

その花の周りでヒラリヒラリと舞うモノは“チョウ”。

草から覗く茶色い細かい塊は“ツチ”。

空に浮かぶ白いフワフワとしたモノは“クモ”。

木の間とかに、透明で綺麗な巣を張っている足がいっぱいあるモノも“クモ“。


 クモはあの場所で、小さいのをよく見かけたな。


他にもたくさんの目についたモノを教えてくれた。

 私も、少しずつテル爺から離れて周りを散策してみたりした。少し歩いては後ろを振り返り、テル爺がちゃんと居るかを確認しながらだったがとても気持ちが浮きだった。

テル爺も私が振り返ると、ニコリと顔を緩ませ小さく手を振ってくれた。それに私も全力で振り返す。


 今もそれを繰り返しながらも、少しずつ前へと進んでいた。

テル爺は私の後ろを一定の距離を保って、ゆっくりと付いて来てくれている。

一度振り返ると、テル爺が小さく見えて少しコワイのがせり上がってくる。

思わずテル爺に駆け戻ると、テル爺がしゃがんで腕を広げて待ってくれた。それを見て、私は思わず顔を緩ませるとテル爺の腕の中に飛び込んだ。


「!!」


 顔がわらっているのがわかるほどに、緩んでいるのがわかる。

テル爺は私を受け止めると、そのまま抱きかかえて立ち上がりグルリと一回りした。


「っ!!」


おどろきながらも、すごくワクワクしてわらってしまう。

テル爺も私を抱え直しながらも、私を見てわらう。


「お嬢ちゃん、楽しいかの?」


“たのしい“?


首をかしげると、テル爺は間を置いたあと、少しだけ顔を歪ませた。


「楽しいっていうのはな、こう、何かをしたり見たりした時にワクワクドキドキしたりすることだよ。どうかのぉ、“楽しい“か?」


ワクワクドキドキ? してる! 今、すごくワクワクしてるよ! テル爺!


首を縦に何度も降るとテル爺は苦しそうに顔を歪めたまま口元を緩ませた。


「そうかあ……。良かった……」


そう言ってテル爺は私をぎゅっと抱きしめた。

なんでそんなに苦しそうに私を抱き寄せてくれたのかは分からないが、私はテル爺にそんな苦しそうな顔を止めて欲しくてテル爺を抱きしめ返した。

しばらくしてから、テル爺が私を放すと元の顔に戻ってくれていた。そのまま私を下へと下ろす。

ほら、もっと見ておいでと片手で私を軽く押すが、今はテル爺と離れたくなくてテル爺のズボンをきゅっと握った。

 テル爺もそれを見て行かせることを諦めたのか、私に手を差し出すとギュッと握ってくれた。


どこかへと歩き出そうとした時、前方から小さな塊が数人駆け寄って来た。

それは、私より大きな体をした男の子たちだった。ズンズンと近寄る様にこわくなってテル爺の後ろへ隠れる。

近くに寄ってくると男の子たちはスピードを落とし、テル爺の前まで歩いて来た。

すると、前に立ったオレンジ色のような燃える髪を持った男の子がテル爺に話かけて来た。


「こんにちは! 僕の名前はアシュレイ・デイ・コルトです!」


アシュレイと名乗った男の子が名乗ると後ろの数人も名を名乗る。


「おお、こんにちは。元気がいいのお。私の名前は、テルジオン・ノルクス・フェーザだ」


テル爺が元気の良い男の子達ににっこりとわらいながらも挨拶を返した。

名乗り終えると、アシュレイがこちらに目を向ける。とっさにテル爺の後ろに、顔を埋める。


「おっと、すまんの。この子はエルディナと言うんだ。言葉が出なくての。挨拶できないのは許してやってくれ」


ぽんぽんと私の頭を撫でながら、テル爺が代わりに私の紹介をしてくれる。

でも、あれ? 名前を……。


「?」


まあ、いっか。


「そうでしたか。よろしくね、エルディナちゃん」


にっこりとわらうアシュレイに少しだけ目線を合わせると、小さく手を降ってくれた。

びくりとしてまたテル爺に隠れてしまったが、手を降ってくれたことに少しだけ胸が暖かくなった。


「あの……、それで、ですね……」


「ん? 何かの?」


どもりながらもテル爺に何かを言おうとしていることに、テル爺が首を傾げながら促す。


「その……、さっき少し見えたのですが、その、エルディナちゃんを……、その」


「ん? お嬢ちゃんを?」


「その……持ち上げて、回していたじゃないですか! その、僕たちも、や、やって欲しくて!!」


 真っ赤な顔で言い切ったアシュレイにテル爺は面食らったように、一瞬黙ると「ははははは!」と笑い出した。


「そうか! あれをやって欲しいのか! いいぞ、ほらこい!」


テル爺が手を広げると、アシュレイたちがワッと駆け寄って来た。ビクリとしてテル爺に益々しがみつくが、テル爺がやんわりと私を足から離す。


「お嬢ちゃん、すまんがこの坊ちゃん達に一乗りやってやらねばならんようだからの。危ないから、少しだけ離れておれ」


そう言われて、仕方なく十歩ぐらいテル爺から離れる。

途端に男の子達がテル爺にやってもらおうと一人ずつ列を作り始めた。

 先ほどのアシュレイが一番最初にやってもらい次の人が持ち上げられる。

アシュレイは一度やってもらうと、もう一度並ぶことなく列から外れた。一人でポツリと立っていた私に気がつくとこちらに駆け寄って来た。


「ねぇ! エルディナちゃん! 一人で居ないであっちで一緒にやろうよ!」


そう誘ってくれるが、私は首を横に振った。さっきテル爺に危ないからここに居るように言われたのだ、あまり動いてはいけないだろう。

そんな私を少しだけ不思議そうにアシュレイは見つめると、「そっか」とわらった。


「じゃあ、僕もここに居るよ。エルディナちゃん一人だけだと寂しいよね!」


 さみしい? なんだろうそれは?

 首をかしげるが、アシュレイには伝わらなかったようだ。なぜかニコニコして私と同じように首を傾げた。

 まあ、いっか。きっとそこまで大事なことじゃないだろう。


「あそこに居るのはね、僕の弟と友達達なんだ! 後でエルディナちゃんにも紹介するね! みんないい奴らばっかりだよ! あっ! ねぇねぇ、エルディナちゃん! あそこにカエルがいる!! 追いかけよう!!」


 そういったアシュレイが私の手を引いて突然走り出した。

え、と思いつつ先の方を見ると、ちょうど近くにあった木の根元に小さな黄緑色の物体が喉の下を膨らませながら座って居た。

どうやらあれがアシュレイが言っていた“カエル”なのだろう。後ろを振り返るとテル爺はまだ男の子達と遊んでいる。あの木の根元はテル爺にも見えるし、きっと大丈夫だろう。

そう思ってアシュレイが手を引くままに木の根元に駆け寄ると、しゃがんだ。

今回もお読み頂き誠に有難うございます!


さて今回ですが、ついに新しいキャラが登場ですね! アシュレイ君、いい子ですよ……この子!

エルといい友達になれそうで、ホッとしています!

それにテル爺の本名というか、ちゃんとした名前が初めてでましたねー。よかったよかったと胸をなで下ろしています。

それにしてもテル爺は男の子にモテますねー。まあ、小さな子ならブンブン振り回してもらったりするの嬉しいですよねー……。私も記憶にあります。

だからなのか、ジェットコースターとか大好きなんですけどね……。小さい頃のアレがあったからなのかな、なんて考えながら書いた今回の話でした!


さて、次回は!

アシュレイとエルの友情が始まるのか! それとも……!

個人的には友情が始まってほしいですねー……。((遠い目

きっとそうなることを願って、書き進めていきますね!


そういえば、なのですが、新しい連載を始めました……。あ、こっちも疎かにしませんよ! もちろん!

ですがどうにも、抑えがたく……。あっちは本格的な、不定期更新になるかと思います。

もしよかったら覗いて見てくださいね!

題名は『レイラ』と言って、本格的なファンタジーを描こうと塚宮の足掻きが描かれているかと思います……。

息抜き兼、他の感覚を磨くためにも、更新していきます!


さて、今回も読んで頂き本当に有難うございました!

ではでは、また次回にお会いしましょう!

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