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No.04〜過去の話〜

数百年前にも遡るが元々、私たちジルオス国の者とフェノーラ国の人間は同じ土地の人間だった。

その時代の人でなければよくは分からないだろうが全体としては仲は悪くなかった様だ。

我々魔の人間も魔の力に適性の無い人間もお互いがお互いを助け合い共存していた。

その頃は魔素が充満する土地には居なく、薄く少ない魔素のある土地だったため魔に適性の無い人間も体に影響を及ぶすことなく暮らし、魔の人間も体の中にある魔素と外にある魔素が少なかったためそこまで大きな力は使えなかった。

精々かすかな風を吹かせたりや火を灯す程度だ。


その時代は魔の属性が四種類しか発見されていなかった頃で、風・火・水・土という基礎的で大元なものしかなかった。

現代では新たに数十年前に発見された光と闇という属性も増えた。


話を戻すがその時代の魔族の人たちは比較的平穏に暮らしていたわけだ。

そんなある日のこと何人かの魔族が国の東にある広大な森の奥深くにで狩りをしていて迷い込んでしまい、自分たちじゃ狩れないような大きな動物に襲われたらしい。

何人かはとっさにその時代の武器である粗末な剣や弓で対抗したがどうにもならない。

その中で一人が何の気の迷いか火の魔法を使ったのだ。

使った本人もあんな脆弱な火の魔法を使おうとしたのかはわからないと書物では記されている。


結果としてその動物は倒された。

黒こげになって。

火の魔法は威力がいつもの数十倍もあるような火の玉となって放たれたらしい。

火を灯すのに便利な火の魔法が自分の何倍もある獰猛な動物を焼き払うぐらいの威力をもったのだ。


更にその男たちは仲間や自分たちの傷口を洗おうと水の魔法を使うと不思議なことに傷がみるみるうちに治っていった。

男たちは動けるようになると森の周辺を探索し魔法を試した。

そして、ある場所から魔法の威力がが強くなるのを発見した。


そして彼らは、自分の村に帰って行きその事を魔の属性が無いただの人間である自分の村長にその事を報告したのだ。


報告を受けた村長はきっとデタラメだろうとその場で魔法を使うように言い放った。

そしてそれを証明しようと男たちは魔法を使うが不思議なことに森の中とは違って強い力は出ることはなく、普段よりは幾分かは強い火ができたりしたが大した事ではなかった。


それを見て村長はそのまま男たちを追い払った。


そして男たちはあれはただの奇跡だったのだろうかと考えたりしたが納得がいかず結局もう一回あの森の深いところに行こうという話になった。


翌日男たちは森の奥深くに入り込み魔法を使った。

するとまた昨日と同じような強力な力が使える。


それを確かめ村長に見てもらおうと一人が村に戻った。

村長に事情を言って森に入ってもらおうとしたがそんなところに入れるわけが無いと言って村長は自分の家から動こうとはしなかった。

そして自分を呼びにきた男にこう言った。


「そんなに大きな火の玉ができたというなら空に打ち上げて見せてみろ。それが私のところまで見えたら信じてあげよう。」


それを聞いた男は早速仲間の元へと戻り空に大きな火の玉を打ち上げるように言った。

そしてその中でも火の魔法が一番得意だった男が自分がやると答え、空にそれはそれは大きな火の玉を放った。

それは森の木々を焼き尽くすかと思われたが機転のきく水魔法が得意な男が自分たちや木々の上に水の膜を張っていた。


そしてその火の玉は村長の見ているところにまで届くほど大きく、熱気を伝えた。


それを確認した村長はすぐに上へと報告した。

つまり、領主にだ。

その話は領主から王の元まで伝わることになる。


ただの人間であった王は大いに焦った


その頃の人口は魔の者と適性のないものが大体五分五分だった。

もしその力をそのまま存分に使えるようになってしまったら何かの拍子に反乱が起き自分たちの身が危ないのではないか?

そう考えた王は人間の民に魔の力が使えるものは人ではない、卑しい裏切りを働く輩だと伝えた。

そしてその魔のものを抹殺せよと言い遣わした。


最初の頃は民たちはもちろん納得しなかった。

今まで自分たちの側で暮らしていた友人や家族を追い出すなど、ましてや殺すなんて誰が納得するものか。


動かない民衆に業を煮やした王は宮中で下働きをしていた魔の者や極少数の魔の血を持つ貴族が自分を、王を殺そうとしたと芝居を打った。

魔の者を追い出すことに賛同していた貴族もそれに加担し民衆に信じ込ませた。


何度魔の者たちが無実を訴えようと誰も耳を貸そうとはしなかった。


そしてついに王は軍を動かすことになった。


王都に住んでいた魔の者は急いでそこから家族とともに逃げ出した。

しかし、逃げ出した先に人間がいればすぐに軍に知らされ追われる。

何十人何百人もの魔族が殺された。

人間と結婚して子供もいた者は家族もろとも殺された。


魔の者と添い遂げたものはもう人間の仲間ではない。

もう汚されている。


そう言って徹底的に魔の者を追い詰めた。


追い詰められた魔の者達はどうすることもできなかった。

しかし、そんな中一人の男が全ての魔の者に呼びかけた。


その男はあの森の村長に火の玉を見せた男だった。


男は言った。


「もうこの国に留まることはできない。ここの森の深いところにであれば軍にも引けを取らない威力を持つ魔法が使える。俺たちはここで待っている。」


どうやら、男は風の魔法で声を届けていたらしく。

何かの力を加えられているのか普通の人間にはその声は届くことはなかった。


その言葉を聞いた全ての魔族はその森へと向かった。


しかし王もバカではない。

自分たちの力が強まるところに魔族が向かうことは予測していた。

何百人もの兵が森の入り口を見張っていた。


そのことに森の奥にいた男達とその家族が気がつく前に何人か魔族が殺された。

男達はついに軍に反撃を始めた。

威力の強い魔法で入り口にいた兵を追い払い。

なんとか他の魔族が入れるように道を作った。


そしてなんとか逃げ出してきた魔族やその家族が集まりつつある時にそれは起こった。


王が森に集まったほとんど全ての魔族を一気に始末しようと機を待っていたらしい。

今度は何百と言わず何万もの兵が森に突撃した。


魔の者達はなんとか逃げ出そうとした。

魔法を放って威嚇しても引こうとはしない。


そして兵達は森を焼き始めた。

このまま火の中で燃やし尽くそうとしたのだろう。

それに気づいたあの声を届けた男は、人間に絶望し手を取り合うことがもはやできない事だと悟った。

そして男は手を地面につき強く強く願って想像した。


この人間達から我らを守る盾を……遮る壁を……!


そしてそれは現れた。

凄まじい音を立てて地面が揺れたかと思ったら地面の底から山が出現した。

それもかなりの高さの山だ。

東から西へと大陸を分断したその山は“守護の山脈”と魔族の間では呼ばれ、一年を通じて厳しい環境と獰猛な魔物達によって守られることとなった。


そんな山を越えられるのは魔法を使える魔族だけ。

もし人間が超えたとしても山の外に待っているのは、魔族の見張り兵達。

山越えに体力を奪われた人間はもはや敵ではなかった。


人間の国の王は何度も魔族を滅ぼそうと軍をけしかけたがそれを我々魔族は追い払うことができた。


我らの初代の王はテルキヌス・ジルオス王……あの、魔族を召集し“守護の山脈”を築いた人だった。


テルキヌス王は魔素を吸収そして、保有する量が人より多かった。

そしてカリスマ性もあったという。

他の魔族を従え、北の地を開拓し自分たちの住処を築いていった。

そして未開だった北の地の原住民と友好関係を築くことに成功した。


こうしてジルオス国は建国した。

しかし人間の国……フェノーラ国の人間はその歴史を自分たちが都合がいいように王家の人間が曲げて伝えていった。

その歴史はずっと続いており払拭することは容易く無い。


今回もお読みいただき有難うございます!

長々とした説明回となってしまいました……くぅ!もっと短くかつ簡単に説明を入れようとしたのですが……自分ではなかなか難しく……無念……!


ともかく今回で魔族の成り立ちはなんとなく伝わったと思います!

もちろん疑問に思う点は多々あった事と思います。

なぜ魔族をさらう事ができたかとか、魔素についての疑問とか……それは後々エルと共に説明されますのでご安心を!


そして前回三点リーダーの事で読者様の鋼矢様からご指摘をもらいました。

感想欄でも言いましたが本当にありがとうございました!

こんな未熟者な自分ですので他の読者の皆様も気づいた点などございましたら遠慮なくご指摘ください!


ではでは、また次回でお会いしましょう!

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